勝敗を分けたのは日本シリーズ特有の“心理ゲーム”だったのではないか。

 日本シリーズの第5戦が2日、横浜スタジアムで行われ、先手を取られた横浜DeNAが、4番・筒香の1号2ランを含む3打点などで2度、逆転、最後は、山崎康が、回またぎで1点を守りきり5−4でシーソーゲームを制して2連勝。3連敗と王手をかけられてから2勝3敗と星を押し戻した。

 ソフトバンクの先発、バンデンハークはストレートでグイグイ押した。
 初回の桑原、柴田、ロペス、そして2回、先頭の筒香を空振りの三振に斬って取るまで打者4人に15球全球がストレートだった。最速は154キロ。飛ばしに飛ばし、ストレートのほとんどが150キロオーバー。4回二死まで7奪三振でパーフェクトである。

 だが、二死からロペスに右中間フェンス直撃の二塁打を打たれると、続く筒香に153キロのストレートを狙い打たれた。力対力の勝負というよりもバンデンハークの“驕り”に見えた。打球は歓喜の逆転の2ランとなって左中間スタンドの最前列に飛び込んだ。眠れる4番を起こしてしまった。

「自分のスイングで上手く押し込むことができました」とは、筒香の試合中広報談話。
 
 ソフトバンクは5回に先頭の柳田のヒットから送りバント、捕手戸柱の小さなミスで三塁を盗む好走塁、デスパイネの犠飛とつなぐソツのない攻めで同点にして、中村晃の勝ち越し2ランで4−2とし“日本一”をグイっと引き寄せたが、逃げ切りパターンにはめることができなかった。

 6回、横浜DeNAは、桑原が三遊間ヒットで出塁。クイックの苦手なバンデンハークの隙をみて、しかも、カーブのタイミングで、桑原が二塁を陥れた。工藤監督が「僕の(継投)判断が早ければ」と振り返った場面だ。ロペスの四球で一死一、二塁となり、筒香を迎えたところで工藤監督は、左腕のモイネロを投入した。イニング途中起用も、回またぎも異例だった。

 ソフトバンクに詳しい評論家の池田親興氏は、「本来ならば、筒香に嘉弥真、宮崎に森といくところでしょうが、森が宮崎に打たれていますし、ここで使い切ることへの不安もあったのでしょう。モイネロならば右、左関係なく7回もいけます。ここを乗り切り8回岩嵜、9回サファテのプランだったのでしょう。狙いはわかります。でもモイネロが悪すぎました」と言う。