放送中のドラマ「マリーミー!」(毎週土曜夜2:30-3:00ほか、テレビ朝日ほか)で地上波連ドラ初主演を務める女優・久間田琳加。現在19歳の彼女は、ファッション誌「Seventeen」の専属モデルで“ティーンのカリスマ”とも呼ばれる存在だ。振り返ればここ数年、「Seventeen」出身の広瀬すずや永野芽郁、「CanCam」出身の池田エライザや中条あやみ、「non-no」出身の本田翼や新木優子など、かつてないほどバラエティ豊かな“モデル出身女優”が、同性人気を糧に飛躍してきた。その背景には、モデル時代に培った積極的な情報発信カルチャーとSNS活用術があった。

■久間田琳加はInstagram&TikTokを活用

2001年2月23日生まれの久間田は、小学6年生だった2012年に雑誌「ニコラ」モデルオーディションでグランプリ5人の中に選ばれ、モデル活動をスタートした。「ニコラ」専属モデルを経て2017年7月からは活躍の舞台を「Seventeen」に移し、“りんくま”の愛称で親しまれている。6月に発売された1stスタイルブック「明日、もっとキレイになる(ハート)りんくまがじん」は2度の重版がかかるほどだ。
2015年からは女優としても活動しており、「マリーミー!」は地上波連続ドラマ初出演にして初主演作。恋愛経験のないまま結婚するニート・陽茉梨を演じる。

Twitter、Instagram、TikTokを合わせたSNS総フォロワー数54万人を誇り、2年ほど前から“ティーンのカリスマ”と呼ばれる存在だ。

過去にはJK(女子高生)向けWEBマガジン「EMMARY」編集長も務めるなど情報発信にも積極的。SNSでは現在も、愛用するスキンケアアイテム情報やメイクテクを公開し、ティーン女子たちから絶大な支持を集めている。

「マリーミー!」のPRでも、SNSを効果的に活用する。放送開始時には、Instagramが今夏に投入したばかりの動画作成機能“リール”を使ってウエディングドレス姿のオフショット動画を投稿し話題を集めたほか、Rude-αが歌う同ドラマ主題歌に合わせた「#マリーミーダンス」をTikTokで公開。これまでになかったスタイルのPRを積極的に行っている。

地上波ドラマは今回が初出演の久間田だが、すでにモデルとして多くのファンを獲得しており当初から注目度も高い。特に女性ファンからの反響が大きく、SNSでは「りんくまちゃん可愛い。憧れます」「ドラマ毎週見てます!」「友達にもドラマ面白いよっておすすめしました」といった声が寄せられている。

■誌面の企画で情報発信力を磨くモデル出身女優たち

久間田をはじめティーン女性向けファッション誌専属モデル出身の女優たちは、こうしたファンを巻きこむPRが実にうまい。その土壌はやはり、モデル時代に培った情報発信力だ。

もともと、「ニコラ」「Seventeen」「CanCam」などの女性向けファッション誌は、伝統的に専属モデル自身の個性を活かした誌面づくりを行ってきた。

「専属モデル〇〇の私服コーデ公開」「〇〇愛用のコスメグッズ」「○○おすすめのヘビロテアイテム」など彼女たちの好みに基づいたアイテム紹介を積極的に行ったり、「○○が大人レザーに初挑戦」「○○が苦手のアイメイクを大研究!」といった本人のキャラクターやファッション傾向を踏まえた企画も多い。

さらに今、そうした情報発信は誌面にとどまらず、インターネットを通じて直接の読者以外にも向けられるようになっている。

たとえば久間田のほか、広瀬すずや永野芽郁ら朝ドラヒロインも多数輩出する「Seventeen」では、「STチャンネル by Seventeen」というアプリを使い、記事同様に専属モデルが主体となっておすすめコーディネートやメイクテクを発信している。

久間田はこのアプリで「久間田琳加・毎日コーデ」という連載を持ち、おすすめコーディネートを公開。また、配信ドラマ「17.3 about a sex」(ABEMA)で今年ドラマ初主演を務めた同誌専属モデルの秋田汐梨も、10月21日配信記事でお気に入りの“秋おしゃれ”を発信している。

■“朝ドラ”とモデル出身女優のいい関係

こうした企画に参加する中で、10代の頃から情報発信のノウハウと感度を磨いてきた彼女たち。だからこそ、個人のTwitterやInstagramでも魅力的な情報発信ができるし、ファンの心をしっかりとつかむことができる。

そしてここ数年、こうした情報発信力を備えたモデル出身女優たちがめきめきと注目度をアップさせている。

「Seventeen」で久間田とユニット“RMRM”として活躍した永野芽郁は現在、Instagramのフォロワーは300万人以上。2017年に連続テレビ小説「半分、青い。」(NHK総合ほか)のヒロインを務めた際には「Seventeen」読者層からも「朝ドラはちゃんと見るの初めてだけど、芽郁ちゃんが見たいから見ます!」といった応援の声が寄せられるなどモデルとしてのファンが女優業を後押ししている。


また、2021年春スタートの連続テレビ小説「おかえりモネ」のヒロイン・清原果耶も「Seventeen」モデルで、SNSでの情報発信も行っている。放送スタートはまだ先だが、早くも「Seventeenのモデルさんって高確率で有名女優になっててすごい!」「かやちゃん好きだから朝ドラ見よう」といった声が上がるなど注目度は急上昇中。連続テレビ小説のメイン視聴者層が主婦層であることを考えると、ティーンの同性ファンをつかむ彼女たちモデル出身女優が同枠に与える影響は小さくない。

■モデル、女優、そして映画監督へ

身につけた美容やファッションに関する知識を個人で発信し続け、新たな女性ファンを獲得するモデル出身女優も多い。

元「nicola」「CanCam」専属モデルの池田エライザは2013年にTwitterアカウントを開設するなど、早くからSNSを活用していた一人。数多くの“自撮り”を積極的に投稿し、右手を顎に当てて唇を少し突き出す“エライザポーズ”は一般の女子のみならず芸能人の間でもブームとなった。

ことし6月にTwitterアカウントを“卒業”したことでも話題を呼んだが、情報発信力はピカイチ。2014年にはクラウドファンディングを活用してモデルブックを制作し、その一環で本人によるセルフメイク講座なども展開した。女優としての経験も積み、今年ついに映画「夏、至るころ」(12月4日公開)で監督デビューを果たす。

Instagramで私服を積極的に公開する大政絢も「Seventeen」出身で、現在は「non-no」専属モデルを務めるかたわら女優としても活躍。北海道出身の彼女がドラマに登場するたびに北海道では「大政絢」がTwitterのトレンド入りするなど、地元で愛される存在だ。

■登録者数100万人超の川口春奈「はーちゃんねる」

さらにはSNSからコマを進め、YouTubeに進出するケースも。

ドラマ「チート〜詐欺師の皆さん、ご注意ください〜」(2019年、日本テレビ系)で主演を務めた本田翼も「Seventeen」「non-no」専属モデルを歴任したモデル出身女優。2018年からYouTubeの公式チャンネル「ほんだのばいく」で、スキンケアなどをテーマに動画を配信。人気アップに活用している。

大河ドラマ「麒麟がくる」(NHK総合ほか)やドラマ「極主夫道」(日本テレビ系)に出演する女優・川口春奈も12歳から16歳までローティーン向けファッション誌「ニコラ」の専属モデルとして活躍したモデル出身女優だ。

今年1月にYouTubeで自身のオフィシャルチャンネル「はーちゃんねる」を開設。美容の知識を活かし、メイクテクやヘアアレンジを発信している。

「はーちゃんねる」の登録者数はすでに100万人以上。「はーちゃんねる」で川口のファンになった女性ファンが「麒麟がくる」を見始めたり、「麒麟がくる」や「極主夫道」で川口に注目したファンが「はーちゃんねる」に登録する、といったモデル出身女優ならではの好循環を形成している。

■永瀬莉子、田鍋梨々花、南沙良…ネクストブレイク続々

専属モデルとして美容・ファッションに関する企画に携わることで情報発信力を磨き、SNSを効果的に活用するすべを身につけたモデル出身女優たち。女子の共感と支持を集める彼女たちは、その人気を糧に女優としても大きなチャンスをつかんでいる。

キャスティングする側から見ても、同性人気は大きな魅力。SNSのフォロワー数など人気の裏付けを持つ彼女たちに期待をかけたくなるのは自然のことだろう。

そうして得たチャンスを活かし、ドラマや映画で活躍。ファン層を拡大していく――多くのモデル出身女優たちがそんな好循環を作り出し、人気女優へと成長している。

今後も、ドラマ「七人の秘書」(テレビ朝日系)に出演中の永瀬莉子や「コード・ブルー‐ドクターヘリ緊急救命‐THE THIRD SEASON」(2017年、フジテレビ系)にレギュラー出演し話題を集めた田鍋梨々花、NHKの関西地域限定ドラマ「これっきりサマー」(2020年)に主演した南沙良ら、ネクストブレイク候補も多い。若者の代名詞ともいえるSNSを積極的に活用し着実にファンを増やしていくモデル出身女優たちの活躍から目が離せない。