夢破れた元・走り高跳びの選手が、パラカヌーと出合い成長していく姿を描いた映画「水上のフライト」(11月13日[金]公開)。交通事故により、一度は心を閉ざしてしまった藤堂遥を中条あやみ、遥を支える義肢装具士・加賀颯太を杉野遥亮が演じる。

■カヌーの難しさは?
中条「カヌーは奥が深く、子供から大人まで楽しめるスポーツだと知りました。実際に競技用カヌーをこいだのですが、すごく気持ち良かったです」

杉野「競技用は普通のカヌーよりも細く、バランスを取るのが難しいはず。でも中条さんがやっている姿を見ていたら簡単に思えてきて」

中条「競技用は水に接している面が少ないから簡単に転覆してしまうし、乗れるようになってもパドルの角度を深く入れたら水に持っていかれてバランスが取れない…。風の強さも関わるので、すごく繊細な競技と知りました。でも乗っていると水と一体になれる気がして。スタントなしで演じられて本当に良かったです」

■お互いに息を合わせるのに必死でした

オリンピックを目指す走り高跳び選手だった遥は、事故により下半身まひに。失意の中で、周囲の人々に支えられて新たな夢を見いだす。

中条「演技に集中していると自然と下半身に力が入ることもあり、ピクッと動いたりして難しかったです」

杉野「僕が抱きかかえるところなんて、バランスがうまく取れずに何度かやり直しをしたよね(笑)」

中条「お互いに息を合わせるのに必死で。今回は本当にチームワークを試された現場で、それがすごくうまくいった中ので本当に良かったです」

杉野「(カヌーのチームの中に)子供たちもたくさんいたけど、みんな精神年齢が同じだった(笑)」

中条「クランクアップのときに、子供たちが『終わりたくない』と言って別れを惜しんでくれたのはうれしかったです。何よりも山梨での合宿シーンの撮影が楽しかった!」

杉野「撮影の合間にみんなで遊園地に遊びに行ったりとかして。たき火の前で遥と颯太が自分たちの思いを話し合うシーンも、思い出深いです」

中条「マシュマロ事件でしょ(笑)」

杉野「遥が颯太に不安を口にするところで焼きマシュマロを作ってあげるんですが、これが難しくて。遥の話に耳を傾けたいのに、うまく焼けるかが気になって集中できなかったです」

中条「あそこまで火に近づけなければ良かったのに…。だから、すごく大事なところでマシュマロが燃えて、杉野くんの手に落ちて…。かなり熱そうなのに演技を続けていたのには、もう笑いそうになっちゃった(笑)」

杉野「さすがにカットがかかったけど、何でこうなるんだ! と申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。あれはもう大事件でした(笑)」

2度目の共演となった中条と杉野は劇中同様、息ぴったりの様子。

中条「3年前に共演したときからいい意味で変わらないというか」

杉野「それは僕も感じた。人との接し方を見ていると、ちゃんと人を好きなことが伝わってくる。これってすごくすてきなことだと思います」

中条「えっ? 私、腹黒いよ(笑)」

杉野「僕、だまされてる?」

中条「冗談ですが、こういうピュアなところは本当に変わってない。思ったことを口に出してくれるのもありがたいし、やりやすかったです」

杉野「現場でのいい空気感が作品に反映されている、見る人がすがすがしい気持ちになり、パワーをもらえる作品になっていると思います」

中条「人は一人でないことを思い出させてくれる映画になっています。見る人によって共感する人物が変わる作品だと思うので、多くの人に楽しんでいただきたいです」