Amazon Prime Videoにて独占配信中の「なぎスケ!」のシーズン2が11月19日から配信スタート。
1998年から2018年までテレビ朝日系で放送されていた「『ぷっ』すま」時代から20年以上コンビを組んできた草なぎ剛とユースケ・サンタマリアのゆるゆるとした姿が楽しめるバラエティ。何に対しても“夢中になれない2人”が夢中になれる物を探していく。
今回は、配信を記念して草なぎ剛とユースケ・サンタマリアに直撃インタビュー。番組のこと、改めてお互いについての思いを教えてもらいました。

――シーズン2スタートですが率直な気持ちを教えてください。

草なぎ 「『ぷっ』すま」からの流れなので途中1年ほどお休みはあるけど22年?すごく続いているよね。またユースケさんとこのスタッフ(「『ぷっ』すま」時代からのスタッフ)と一緒にできることが単純にうれしかったです。

ユースケ 正直、「なぎスケ!」シーズン1を始めるときに、記念番組みたいなものかなって勝手に思っていたんですよ。長く続いた番組が終わった後にスペシャルを1回やるみたいな(笑)。でも蓋を開けてみたらシーズン1だけでも52回あって、そしてシーズン2。うれしかったです。

――手応えはあったのですか?

ユースケ 俺の中でテレビは視聴率があるからある程度は指標が分かるんですが、配信はどうなんだろう? でも2ができるということは見てくださっている人がいるって事なんだと思います。

草なぎ 手応えは毎回ほぼないんですよ。それは「『ぷっ』すま」時代から同じで、なんかふわってしている。自分の中で面白かったと思うことが意外とウケていなかったりと笑い的要素の方程式があるなら、全くそれが通用しない世界で。そりゃ最初の頃は頑張っていたんですよ。でもロケも長いし、隣でユースケさんは「帰りたい」ばかり言うし…。なんか途中から意識が変わりました。まぁ実験的な要素が昔から多く、試しながらやっていたりするので、逆に手応えがあるとそこを狙いすぎてあまりよくないみたいだし…。その時々の素直なリアクションが求められていると思います。

ユースケ とはいえ「なぎスケ!」からは以前仕切ってくれていた大熊(大熊英司)さん(元テレビ朝日アナウンサー)の代わりに、ゲストの方に番組を仕切ってもらっているんですよ。そんなことが許される番組ってあまりないですよね(笑)。ただ、ゲストの方も仕切ったことがない人たちばかりなので棒読みでカンペを呼んだり、急に「それではバイバイ」で番組が終わったり。その無茶苦茶な感じが、最初は大丈夫かな?と思っていたけど、最近はなんか形になってきたなと思っています。

――誰もがゆるゆるとやっている雰囲気が魅力ですよね。

草なぎ なんか自然とやっていたらこうなったという感じで。

ユースケ セオリーがないよね。普通の番組だと、みんなで手を叩いて笑ったり、ツッコんだりするけどそれがない。俺は一発ここで面白いことを言って爪痕を残そうとするのが大っ嫌いなんで、そうじゃない番組をできているのはすごくうれしいです。

草なぎ でもさ、「キレてんじゃない」(1999年発売)とか出していた頃はめちゃくちゃ爪痕を残そうとしていたじゃん(笑)

ユースケ そんな昔の歌を出してくんなよ! 「キレてんじゃない」はソロで出した曲なんだけど、あぁいうことをやって爪痕を残せなかったから、もういいや!と気づいた訳よ。考え方のベクトルが変わったんだよ。

――「なぎスケ!」は大人の趣味を見つける番組ですが、この1年で何か見つかりましたか?

草なぎ 振り返った回も配信していると思うけど、東儀(東儀秀樹)さんの車の回(22、23話)は印象的。あれをやってから自分の持っているバイクとか車がかわいくなったから。あと、つるの(つるの剛士)さんとやったキャンプ(12、13話)も面白かった! 昔は、自然って虫がいるのであまり好きじゃなかったんですが、テントを買ってからはちょっと友達と出かけたりしています。

ユースケ キャンピングカー買ったら?

草なぎ いいよね。あと、鈴木(鈴木浩介)さんと一緒に作ったチャーハン(14、15話)も家で作ったりしたし、石井(石井正則)さんが喫茶店の魅力を教えてくれた回(10、11話)の後に喫茶店へ行ったりとか意外とその後も楽しんでいる気がする。

ユースケ 俺はないな。

草なぎ ゲームでしょ。

ユースケ これは番組関係なしね。「モンスターハンターワールド:アイスボーン」にハマっていて、他のことをやる暇がないくらい。連絡先を交換することは滅多にないけど、「モンハン」に関しては別で、フレンドを求めています。一緒に回ったりするフレンドは今は2人だけなんで、是非剛にもやってほしい。

草なぎ シーズン2で「モンハン」回やろうか。

ユースケ というよりシーズン2は全部「モンハン」でいいかも。でもな〜、剛は楽しめないかも。

草なぎ でもこの番組はやりたいことをやった方がいいわけだから、一度よろう! でも「モンハン」じゃないけどゲームをする回(48、49回)で思ったのは、ユースケさんはゲームが上手。すごく意外な一面でした。

――長年一緒にいて、お互いに変わってきているところはありますか?

ユースケ それがない。最初のいい印象のままというか。素直でひとつこうと決めたら突き進む集中力とかすごい。やってきた仕事が俺とは全く違うから、ひとつひとつの集中の仕方を心得ているというか…。俺なんて、時間がかかったり、すぐにできたりとムラがすごいんだけど、今でも集中力の高さを垣間見られたときは驚かされる。とはいえ、この番組だと完全にスイッチを切っているから集中力なんて見えないんだけどね(笑)。俺はそんな剛と一緒にいるから、他の番組でスイッチをガーンと入れた剛を見てギャップ萌えすることがある。

草なぎ ユースケさんも変わらないよ。いつも昔のまま。

ユースケ この年になっても変わらないっていうのもあれだけど。まぁそんなもんだよね。

――お互いの作品を見たりしますか?

ユースケ 見ますよ。全部をチェックすることはないけど、見たいなと思う作品に出ていることが多いから。もちろん今話題の映画「ミッドナイトスワン」も見ました。

草なぎ ありがとうございます。

ユースケ すごいよね。ちょっと前に剛が「女の人にならなきゃいけないから」と言ってダイエットをしていて。そんなタイミングで焼き肉を誘ったら「たまにはいいよ」と一緒に行ったんだけど、それがちょうどあの撮影の前で。あのフリがこれになるの?ってすごくうらやましかった。

草なぎ そういえばどこでも言っていないけど、実は「ミッドナイトスワン」ってユースケさんが2011年青山円形劇場でやった「その族の名は『家族』」という舞台がすごくヒントになったんだよ。

ユースケ それをもっと言ってよ! なんで言わなかったの?

草なぎ 別に言う必要がないかなと思って(笑)。あのとき、普通のユースケさんの姿でお母さん役をやったでしょ。それがすごく僕の中に残っていて…。あれを見たときに、あえて女性っぽくしなくても女性に見えるんだと感じて、僕の中の引き出しになっているというか、ある種の保険みたいになっていたの。

ユースケ すごくいい話じゃん! もっと言っていこうよ。

草なぎ 言う機会もなかったし。

ユースケ めちゃくちゃあるでしょ。

草なぎ 今、思い出したの(笑)。でもあのときのユースケさんが僕の中に残っていたんだよ。

ユースケ でもさ、気持ちは女性、体は男性という役だったり、その逆もしかりだけど、そういう役をやると「難役をやった」みたいに言われるけど、俺は意外と簡単にできると思っていて。だってみんなの心のどこかにそういう部分があったり願望もあると思っているから。誰もが心のどこかにそういうお互いの性に対する憧れがある気がするんだよね。なんか改めそういうことを考えたな。剛の芝居を見ると刺激になっていると思う。これはないものねだりだし、全然違うから比べてはいないけど、やっぱりいい作品にめぐり逢っているなと思う。そして、俺は台本通りに普通に淡泊にやるタイプなんだけど、芝居をしている剛はいつも会っている剛とは当たり前だけど全然違っていて…。本当に役者としてすごいよ。まぁそういうことはなかなか公の場で言わないけど(笑)。剛も感想を言わないし。たまにぼそっとあれよかったよみたいな感じで言われたときは素直にうれしい。

草なぎ 本当にいいと言わないもんだから。僕もユースケさんの作品は見るよ。舞台も大体行っているし。ドラマ「火の粉」(2016年フジテレビ系)とかも好きだったし。でもさ、横浜のKATTでやるお芝居は来ないよね(笑)。

ユースケ あれは遠い。もっと近場でやってくれないと。俺が大事なのは距離なんだから(笑)。

――コロナ禍になり、改めてバラエティ番組の力を感じた1年だったと思いますが、「なぎスケ!」の魅力は何だと思いますか?

草なぎ 「なぎスケ!」はどこからでも見られるというのが一番いいよね。あと、僕らが自然と楽しんでいる空気感を一緒に味わってもらっている番組なんだけど、この空気感がいいと思ってくれる人がいるのは本当にうれしい。面白い番組って他にもいっぱいあると思うんですよ。でもこの番組は狙って面白くしていないところがいいところだと思うので。それが他の番組との大きな違いかな?

ユースケ 正直、どんな番組をやっていても選ぶのは視聴者の方だと思っているので、狙って皆さんが楽しめるようにというのはナンセンスというか…。つまるところ、出ている人たちが楽しんでいればいいなと思っています。そしてそれを見たい人は見て!というスタンス。とくに「なぎスケ!」は自分たちが楽しむということに全フリしている番組なので、見てくれるとうれしいなと思います。

取材・文=玉置晴子