小説を音楽にする2人組ユニット・YOASOBIの楽曲「たぶん」の原作小説を原案に映像化した映画「たぶん」が11月13日(金)より全国公開。

同作では、3つのオリジナルショートストーリーが展開。「ササノとカノン」は別れを選んだ大学生の同棲カップル、「川野と江口」は高校生のサッカー部選手とマネジャー、「クロとナリ」は互いに行き詰まりを感じている社会人の恋人同士という3組の恋愛模様が描かれる。

WEBサイト「ザテレビジョン」では、ササノ役の木原瑠生とカノンを演じる小野莉奈の対談をお届け。役への思いやお互いの印象などを語ってもらった。

――それぞれ、役に対してどんなふうに向き合っていたんですか?

木原瑠生:この作品に入るちょっと前ぐらいに、自分の言いたいことをちゃんと言えるようにしようと思ったんです。ササノは、そういう決意をする前の自分に似ているのかなと。
年齢も同じだし、どこか相手に頼ってしまったりするところも分かるような気がしたので自然体で演じることができました。

小野莉奈:台本を読んだ時にもカノンに対していろいろ感じたものがあったんですけど、実際に現場でササノと向かい合った時にまた新しい気持ちが自分の中に生まれたんです。
それは、役者としてすごく面白い瞬間だなと思いました。

――その新しい気持ちとは?

小野:最初はササノに対して不満を言ったり、感情的になるような気持ちを大切にしながら演じようと思っていたんです。でも、現場でササノと向き合っていくうちに、カノンは不満を言いたくて言っているわけではないんだなって。
ササノから一緒に住んでいた家のカギを投げて渡された時もそれはカノンにとって予想外というか、まだ別れたくないという気持ちが芽生えたりして、とても不思議な感覚でした。

木原:ササノも自分からカギを渡したけど、どこか踏ん切りをつけられないところがあったと思うんです。でも、ちゃんとけじめをつけなければいけない。
その葛藤だったり、二人の何とも言えない空気感は実際に向き合ったからこそ生まれたものなのかもしれません。相手の表情を読み取りながらの芝居はすごく緊張しましたけど楽しかったです。

――お互いの印象は?

木原:僕たちのシーンは2日で撮り終わったんです。日数が少なかったんですけど、本番の時の集中力がすごいなと。何度も「女優さんだなぁ」って思ってしまいました(笑)。

小野:え、どこのシーンで?

木原:ササノがカノンに起きてほしいがために、あえて大きな音を立てて部屋の片付けをしているシーン。カノンが起き上がった後の表情がとても自然だったんです。本読みの時とは違う感じで、ものすごくリアルな芝居のような気がしました。

小野:木原さんとは衣装合わせの時に初めてお会いしたんですけど、本当にササノくんみたいな人が来たなって思いました。台本を読んだ時にいい意味でやんちゃっぽいイメージだったので、そのままだなって。

木原:1回目の本読みが終わった時、ササノをどうやって演じたらいいのかを監督に相談していたら小野さんから「そのままでいいと思います」って言われて。

小野:いろいろ話をしていく中で、ただやんちゃなだけではなくてちゃんと優しさもあるんだけど、ちょっと粗相してしまうみたいな感じがイメージとして想像できたんです。だから、無理に自分とは違う人物を作るよりはそのままの方がリアルなササノになるのかなと思いました。

木原:そのままでいいと言われたので、割とスッとササノというキャラクターに入り込むことができたような気がします。

――ちなみに「ササノっぽい」と言われた感想は?

木原:正直、ちょっとショックですね(笑)。

小野:そうなの?(笑)

木原:やっぱり、これからは本当に言いたいことはちゃんと言おう、しっかりしようと思っていた中で「ササノっぽい」と言われたので…。

小野:せっかく変わりたいと思っていたのにね(笑)。

木原:そう。僕自身、台本を読んだ時にササノはちょっと弱い感じの男の子なのかなと思ったので複雑な気持ちになりました(笑)。

――反対に小野さんがカノンっぽいなと思ったところはありますか?

木原:カノンっぽいところか…。一つのことに対して頑張るところ。そういう素直さや真っすぐな感じは似ているのかなと思います。どうですか?

小野:自分で言うのは恥ずかしいですけど「ひねくれてはいないね」と言われます。木原さんが仰ったように一つのことを頑張るところはカノンと同じなのかもしれません。

■木原「涙もろさは僕が一番!」

――映画のタイトルにちなんで「“たぶん”自分が一番○○だと思う」の○○に入るものは?

木原:好きなものやかっこいいなと感じたものを見た時の涙もろさはたぶん僕が一番だと思います。

――すぐ熱いものが込み上げてくるんですね?

木原:好きなアーティストのライブを見に行ったりすると感情が高ぶって来るんです。特撮も好きなので「これは熱い展開だな!」と思うと涙が出てしまいます。

小野:確かに今回の作品でもすごくきれいな涙を流していました。

木原:ボロボロ泣いていました。

小野:私はたぶん、いろいろな人に支えられて目標をかなえることができたと思っています。

――それを実感した瞬間は?

小野:YOASOBIのikuraちゃんの支えがなかったら女優になっていなかったと思いますし、事務所の方たちも私のためにいろいろ指導をしてくださいました。そして、家族やファンの皆さんの応援があったからこそ目標に向かって頑張ることができたのかなと。
それと同時に、“たぶん”私は誰かに頼ったり甘えたりすることが上手なんだろうなと実感しています。

――では、最後にメッセージをお願いします。

木原:曲や小説から知った人はもちろん、映画で初めて「たぶん」の世界に触れた人も楽しめる作品です。いろいろな意味の“たぶん”を感じてください。

小野:劇中に登場する3組のカップルは、みんな一生懸命に恋愛をしています。それぞれのキャラクターやシチュエーションなど、自分の経験と重ねながら見ていただけたらうれしいです。


◆取材・文=月山武桜