V6・坂本昌行主演の舞台「Oslo」が東京・新国立劇場中劇場を皮切りに、2021年2月6日(土)〜23日(火)の日程で上演することが明らかになった。舞台やミュージカルで圧倒的な存在感と確かな演技力を披露する坂本に加え、元宝塚トップスター・安蘭けい、俳優・福士誠治、A.B.C-Z・河合郁人らが共演する。

「Oslo」は、2017年にトニー賞演劇作品賞をはじめ、オビー賞、ドラマ・デスク賞など数々の演劇賞を総なめにし、アメリカ演劇界を席巻した話題作。史実を基に描かれた重厚な人間ドラマが高い評価を得ており、米・ニューヨークや英・ロンドンで上演された同作が、満を持して日本初演を迎える。

なお、演出は第22回読売演劇大賞最優秀演出家賞、第56回毎日芸術賞・千田是也賞を受賞するなど、その演出手腕が高く評価されている気鋭の演出家・上村聡史が手掛ける。

以下にて演出の上村、主演の坂本らのコメントを紹介する。

■上村聡史コメント

今から約30年前の中東といえば、緑の閃光うごめく湾岸戦争の空爆映像が強烈だったことを記憶しています。その強烈なイメージに隠れてしまったのか、現代史的にも奇跡的な出来事であった1993年の「オスロ合意」の記憶は、おぼろげです。この歴史を題材にした本作は、人間性の豊かさや対話の奥行といった硬軟併せ持つ色彩でつづられています。

決して大国とは言えないノルウェーの中立の立場で、信念を貫く社会学者テリエ・ラーシェンを演じる坂本昌行さんの力強いまなざしとおおらかなリーダーシップ、その妻で国際社会に切り込んでいくモナ・ユールを演じる安蘭けいさんの勇姿ある佇まい、合意という困難な壁に挑む登場人物たちを、14名の頼もしいキャストの魅力を生かして、今に再生したいと思います。

この座組みなら、こんな時代だからこそ、絶望に差し込む光を身近なものとして、忘却されてはならない真実として、お見せすることができるでしょう。

■坂本昌行コメント

ちょうど僕がニューヨークに行っていた時に上演されていたのがこの「Oslo」で、とても話題になっていたのを覚えています。題材になっているオスロ合意に関してはニュースでしか知らなかったので、色々と調べていくうちに、様々な背景がある作品にお声がけいただいたんだなと改めて認識しました。

当時の新聞記事に「忍耐と信頼」とありました。僕らも良く使う言葉だけれど、実際に経験された方から出る、重みを感じます。人が動くことで国をも動かす大きな話ですが、その人物の根底にある、軸にあるものを表現できたらと思います。

河合くんとは、作品で共演するのは今回が初めてです。同じステージに立ったら、当たり前のことですが、先輩後輩は関係なく、一役者として向き合いたいので、自由にやってほしいですね。

舞台上で生きる、生でストーリーが展開していくというのは、唯一無二の機会だと思います。その喜びを感じながら、この作品のストーリーをお客さんにお届けできたらと思います。

■安蘭けいコメント

このような作品に呼んでいただき大変うれしく思っています。この作品の世界観を表現できるよう、よりわかりやすく伝えられるよう、世界の情勢も学びながら、稽古場で話し合いを重ねて作っていきたいです。

遠く離れた国に起こった実話で、なかなかなじみのない話かもしれませんが、坂本昌行さん演じるテリエと私の演じるモナという夫婦の、二人で世界を変えようと一歩踏み出した“信念”の物語でもあります。

国や世界という大きな話ではなくとも、自分ではなく人のために、という想いはきっと皆さん持っていらっしゃると思います。ぜひ劇場で、同じ時間を共有しながら、彼らの熱い想いを一緒に感じてください。

■福士誠治コメント

歴史的にこういうことがあったと演劇を通して知っていただけることや、立場の違う人たちがいろいろな感情をむき出しにしながら良き答えを導き出そうと繰り広げる討論、会話劇はとても魅力的で、刺激的な舞台になると思います。
難しく考えずに、劇場に足を運んでいただけるとうれしいです。キャストの皆さんとの関係性、人間性の化学反応も楽しんでいきたいです。

舞台が出来なかった期間を経て、演劇をライブでお客様に届けるという行為が、とても贅沢(ぜいたく)な時間だとあらためて知りました。
来ていただくからには、非現実の世界を味わって楽しんでいただきたいと思います。僕もあまりプレッシャーに感じず、キャスト・スタッフと共に楽しんで、挑んでいきたいです。

■河合郁人コメント

台本を読み進めていく中で、セリフの量はもちろん、長セリフが数多ある事に驚きました。しかも二役。
二役とも交渉を行っていくという責任感のある役ですが、実際の生活では経験したことが少なく、使う事の少ない言葉も出てきますが、僕の役どころ、キャラクターを考えると、明るく出来るのかな、と想像しています。
あまり硬くなり過ぎずに、決めるところは決める、というのを出せたらいいなと思います。

また、坂本さんという舞台界において一流の先輩とご一緒できるのも心強いです。これまでミュージカルや舞台でたくさん経験されたお話を聞かせていただき、近くで勉強したいと思います。

今年に関してですが、生で演じる舞台でお客様がいらっしゃるとうれしい、楽しいというよりも、観劇しに来てくださると"安心する"と今年の舞台では感じられました。
見に来られる方にも、安心して楽しんでいただけるように努められればと思います。

■「Oslo」ストーリー

ノルウェーの社会学者テリエ・ラーシェン(坂本昌行)は、仕事上イスラエルやPLO(パレスチナ解放機構)に知り合いが多く、風土や人々を魅力的に感じていた。

外交官の妻モナ・ユール(安蘭けい)のカイロ赴任に伴って中東各地を旅して回っていたある日、夫妻は二人の少年がにらみ合って武器を手にしている光景を見かける。
憎しみにあふれた瞳。しかし、その奥に抱えているのは二人とも同じ恐怖なのだと気付いたそのとき、彼は決意する。「中東に和平を。少年同士がこんなことをしないで済むところへ」

当時、イスラエルとパレスチナは長らく緊迫した状態にあり、公人同士が会えば法に触れる。PLOに至っては死罪と決まっていた。
誰もが無茶な話だと一笑に付すなか、モナの上司であるノルウェー外務副大臣のヤン・エゲラン(河合郁人)に思いを説いて協力を得られることに。
しかし、極秘裏に準備を進めていた両代表の面会がいよいよ翌日に迫ったある日、大惨事が起きてしまう。

そして、降りかかるさまざまな難局をどうにかこうにかくぐり抜けようと模索するテリエに、ついに待ち焦がれていた連絡が入る。

これまで非公式に進めるために民間人が派遣されていたイスラエル側の代表が、外務省事務局長のウリ・サヴィール(福士誠治)に代わる。