SNS全盛の時代を背景に、女性同士の友情を鮮烈に描いた柚木麻子の小説「ナイルパーチの女子会」が、主演・水川あさみ、共演・山田真歩でドラマ化。BSテレ東の「土曜ドラマ9」枠(毎週土曜夜9:00-9:55)で、2021年1月クールにオンエアされることが分かった。

同作の主人公は、大手総合商社に勤め、男性と肩を並べて活躍しているキャリアウーマン・志村栄利子(水川)。美人で高学歴、実家は世田谷の一軒家という順風満帆な人生を送っているように見える栄利子の、唯一にして最大のコンプレックスは“女友達がいない”ことだった。

そんな栄利子のひそかな楽しみは、同い年の主婦インフルエンサーがつづる人気のSNS日記「おひょうのダメ奥さん日記」を読むこと。
あるとき、栄利子は偶然にも近所に住んでいた日記の作者・丸尾翔子(山田)と出会う。翔子もまた“女友達がいない”タイプの人間だった。

同性の友達がいないという共通点を持ち、急速に親しくなっていく2人。だが、あることがきっかけで2人の関係は思わぬ方向へ進んでいくことになる。

■水川あさみ(志村栄利子役)コメント

――オファーを受けた時の感想、原作を読んだ感想をお聞かせください。

元々、原作は読んでいたので、これがもし映像化するのであればぜひ参加したいと思う作品でした。何とも言えない女のドロドロとした心の闇と、気持ちの悪い生々しさが描かれていると思いました。

――共演の山田真歩さんについて。

山田さんが出演されている作品を拝見するたび、唯一無二の存在感を発揮されていて、とても気になる役者さんでした。今回、ご一緒できるのを、とてもうれしく楽しみにしています。

――栄利子を演じるに当たっての思い、意気込みをお聞かせください。

今まで演じたことのない、独特な人物像です。他者に求めても拒絶され、なぜ?を自問し続け狂気に取り憑かれていく様は、吐き気がするほど気持ち悪いものですが、思い切り栄利子への距離を近づけて、最大限の想像力でこの作品中はいきたいなと。

――視聴者の方へメッセージをお願いいたします。

女性の方は決して他人事と笑えない、きっと全身が反応してヘトヘトに疲れるかもしれません。ですが、他人目線ではない自分目線の幸せとは何かを、探してみるきっかけになれば幸いです。

■山田真歩(丸尾翔子役)コメント

――オファーを受けた時の感想、原作を読んだ感想をお聞かせください。

柚木麻子さんの原作「ナイルパーチの女子会」は、1ページ目から引き込まれ、そのままノンストップで1日で読んでしまいました。
SNSのこと、埋まらない心の空洞や不安、他者とつき合っていくということ、本当の意味で自立するということ…。

何だか、私が20代くらいのころからずっと感じ続けてきたことが赤裸々に書かれていて、「こういうテーマを描いてくれる人がいるんだ!」と興奮しました。

――共演の水川あさみさんについて。

原作でも、全く違う環境で育った2人がひょんなことから出会って、そこから葛藤や成長の物語が始まります。水川あさみさんは、私にないものをたくさん持っている、私の知らない世界をたくさん見てきた方なんだ…!と思いました。

その「違い」を保ちながら、どんな世界が私たち2人の間に生まれてくるのか、今からとてもワクワクしています。

――翔子を演じるに当たっての思い、意気込みをお聞かせください。

他者への甘え、無意識についてしまう小さなうそ、世の中に出ていくことを心の底で怖がっていること…。自分のダメなところや直したいと思ってきたところを、鏡で見せられているようで本当に恥ずかしくなりますが、ちゃんと向き合って、翔子と一緒に成長していけたらと思っています。

――視聴者の方へメッセージをお願いいたします。

「女子」だけでなく、全ての“大人”になりそこねた人、自分の輪郭を探し続けている人、不安や孤独を抱えながら生きている人、いろんな人の心に届く作品になると信じています。
複雑で豊かな「ナイルパーチの女子会」の世界を存分に楽しんでいただけたらうれしいです。

■原作者:柚木麻子コメント

「ナイルパーチの女子会」は、熱に浮かされて書き上げたような作品です。今もそうですが、女性同士を競わせ、面白がるような風潮に腹を立てていました。栄利子と翔子はまさに、そうした風潮の犠牲者で、本来あったはずの友情を見失ってしまった人たちです。

水川あさみさんは同性の友情に恵まれているイメージが強いですが、生真面目で律儀な栄利子にも重なる部分があり、あらためて彼女の表現の奥行きに唸らされました。

山田真歩さんは私が好きな和製シスターフッド映画(「SRサイタマノラッパー2―」[2010年]、「アズミ・ハルコは行方不明」[2016年])で活躍されていて、かねてからファンだったので、配役を伺ったときはとてもうれしかったです。TVドラマが大好きなので、一視聴者として放送を楽しみにしています。

■テレビ東京制作局ドラマ室・戸石紀子プロデューサーコメント

水川さんとの女子会の夜、私は水川さんにぜひ栄利子を演じてほしいと、熱烈なオファーをしました。水川さんは華やかさを持ちつつ、それを一気に地に落とすような、お芝居に振り幅のある人です。

栄利子は独特なキャラクターですが、栄利子が友達欲しさに暴走するときに動く感情や、女性なら誰もが持っている、見られたくない心の闇を水川さんなら丁寧に、そして生々しく体現できると、強く思ったからです。

また、山田真歩さん演じる翔子も難しい役ですが、自分を越えられる自在を持っている山田真歩さんなら「唯一無二の翔子」を爆発的に演じていただけると確信し、オファーさせていただきました。

ナイルパーチとはアフリカに生息する肉食の魚で、生態系を壊すほどに食べ続けます。毒々しいネット環境で、増幅していく栄利子の奇行のおぞましさと「あるある感」は、男女問わず目が離せない展開になっていると思います。

今後、栄利子と翔子がどうお互いを食い尽くすか、ぜひ注目してください。偶然が導いた運命的な出会いが、2人の未来を大きく揺さぶっていきますが、これでもか!と言うほどのヒリヒリとした誤解、すれ違いの連続です。

また、大人の友人関係は、子どものころのように楽しいだけの関係ではなく、どれだけ相手より優位に立てるかという感情が少なからずあると思います。それでも1人でいるより、誰かとつながっていたいからこそ、その闇を隠しながら関係を構築している場合もあるのではないでしょうか。

「ナイルパーチの女子会」は、その裏側を疑似体験できる、また登場人物の女性たちの人生を一緒に体感できる作品でもあります。放送前にこんなことを堂々と言うのもどうかと思いますが(笑)、水川さんと山田さんの“栄利子と翔子”を1時間見ると、何度も叫びたくなり、かなり疲れるかと思います。

でも、それを一瞬忘れさせる楽しさ、清々しさ、そして中毒性を秘めた作品になると今から確信しております。水槽の中で身動きができなくなるような感覚を、キャストとスタッフ一同で熱を込めて作り上げていきますので、ぜひご期待ください。

■土曜ドラマ9「ナイルパーチの女子会」あらすじ

主人公・志村栄利子(水川あさみ)は、美人で高学歴、実家は世田谷の一軒家。大手総合商社で、男性と肩を並べ世界で活躍し、両親から手厚い愛情を受けて育った。

しかし、高校時代に唯一の親友との間にトラブルを起こした栄利子にとって、女友達は遠い存在であり、「魂の同士」レベルの高潔で美しい関係を夢見ている。

ある日、栄利子は、絶妙な脱力感と独特のセンスで生活をつづる「おひょうのダメ奥さん日記」というSNS日記を見つけ、感心し心酔すらしていく。

「おひょう」が同じ街に住んでいることに気が付き、いつか会えるのではと期待をふくらませる栄利子。
そして、ついに「おひょう」こと丸尾翔子(山田真歩)に偶然出会う。数度言葉を交わしただけで、心が通じ合う最高の感覚。栄利子は運命的な出会いに高揚する。これでやっと女友達ができる、と。

しかし、2人はお互いを分かっているつもりでも、本当の姿を知らないままでもあった。数日翔子からの返信がないだけでも不安になる栄利子。彼女の行動は次第に常軌を逸し始め、歯車の狂った2人は思わぬ方向へ進んでいく。