小説を音楽にするユニットYOASOBIの第4弾楽曲『たぶん』の原作小説が初の映画化。“別れ”をテーマに描かれた映画「たぶん」は、原案にはない2つの新たなストーリーが加わった。夏の大会が中止となってしまった高校生のサッカー部員とマネージャーの物語【川野と江口】に出演し、江口を演じた吉田美月喜に話を聞いた。

■「きれいな夕陽がいい影響を与えてくれました」

――サッカー部マネージャーの江口役はオーディションで掴んだ役だと聞きました。

「主題歌『たぶん』は、たくさんの人から愛されている楽曲。今作はその原案の映像化。なので、原案や主題歌のもつ雰囲気をどう表現したらいいのかを一番に考えました。台本を読んだ時に、江口と自分はちょっと似てる部分があるなと思ったんです。私も素直に伝えられない性格なので、共感できました」

――確かに、セリフよりも表情で見せるシーンが多かったですね。

「今回、ビデオ通話をするシーンがあったのですが、私自身はあまり普段からビデオ通話はしないんです。なので、どこまで感情を出せば相手に伝わるのか、視線はどこが正解なんだろうって、表情のことを考えました。セリフが少なくて、さらに画面越しでのお芝居は難しかったです」

――川野と江口の関係性は、なんだか特別でしたよね。

「そうなんです。お互いが特別に思っていて、だから素直に伝えることができなくて。それって、もはや“好き”ですよね? 好きだからこそ、言えないことってあると思うんです。映画を見ていただくとわかるのですが、川野はそこを飛び越えてくるんですよね。あれはもう理想のシチュエーションです!」

――ラストの夕陽の海辺のふたりのシーン、すごく綺麗でした。

「景色にはすごく助けられました。夕陽を見ていたら、なんだか寂しくなったんです。綺麗な夕陽が、あのシーンの感情に良い影響を与えてくれました。撮影でもなんだか緊張感が漂っていたんです。それが、川野と江口のぎこちない感じにも繋がっていると思います」

■2020年は「自分を見つめる時間が増えた」

――別れの瞬間が描かれた本作。心に残っている別れは?

「母方の祖母が亡くなった時です。まだ小学生だったんですけど、ふと思い出すと寂しくなります。当時は幼かったけど、あぁしておけばよかったなとか思うことはたくさんあって。祖母の死は、私にとっては後悔でもあるんですよ。伝えたいことは伝えた方がいいと思っています。でもこの作品で、別れをマイナスに捉えない方がいいなというのを学ばせてもらったんです。別れを経ても、ほんのちょっとでも前に進めたらいいなと思います」


――2020年は世の中も大きく変わりました。どんな年でしたか?

「自分を見つめる時間が増えたなと思います。今まではオーディションに受かりたい一心で行動していたんです。でも、なんで落ちちゃうんだろうと考えるようになりました。お芝居の経験がそんなに多くないので、オーディションでリズムを作っていたんですが、自粛期間でリズムが崩れてしまって。その時にふと、今までの何がよかったのか、このままじゃダメなことは何なのかを見つめ直すことができました」

――これから、どんな役者になっていきたいですか?

「将来は『吉田美月喜で』と言ってもらえるような役者になりたいです。今は高校2年ですが、そろそろ高校生という肩書に甘えていられないなと思っています。いろんな経験をして、いろんな役を演じてみて、少しでも一歩前に出られるように吸収していきたいです!」