12月30日(水)より、「M-1グランプリ2020」(以下M-1)王者のマヂカルラブリー(野田クリスタル、村上)による番組「新王者マヂカルラブリーが全集中ぶっちゃけトーク!M-1アフター座談会」(前編)が、動画配信サービス・GYAO!にて配信。中編は2021年1月8日(金)昼3時、後編は1月15日(金)昼3時から配信され、ゲストには、マヂカルラブリーの師匠的存在のモダンタイムスと、結成当時からお互いを知るアルコ&ピースが出演する。

今回は、その番組収録前に行われた取材会の様子を紹介。マヂカルラブリーの二人が、ダウンタウンとの共演についてや、今回の番組のゲストの二組について、埼玉・大宮ラクーンよしもと劇場や“漫才じゃない漫才”などについて語った。

■松本人志に「生まれ変わりだと思ってます」と言った野田

――M-1優勝後、忙しく過ごされていると思いますが、お二人はこの日々をどう受け止めていますか?

村上:本当に、遅刻がマジで怖いです。起きる時間になったら空気で膨らんで自然と起き上がるみたいなベッドがあるじゃないですか、ああいうのが欲しいくらい怖いですね。

野田:僕はやってますからね。

村上:もう1回遅刻してますから。

野田:僕、遅刻したことなかったんですよ。郵便局で働いていた時も、7年間で1回も遅刻しなかったんですけど、生まれて初めて遅刻して。遅刻しなかったのは、すごく早い段階、疲れてないときにアラームをセットして、チェックも何度もしていたからで。(遅刻した時も)完璧な状態だったんですけど、それでも起きなかったんですよ。アラーム4回、大音量で鳴ってたらしいんですけど。2時間くらい寝ていて、その前の日も(睡眠時間が)2時間くらいだったので、しかもそれが普通の仕事の疲れじゃないんですよね。知らない環境、知らない人たちだったので。

村上:精神が疲れてるんだろうね。

野田:体が“起きたらいけない!”って感じになってましたね。

――その反面、大型特番に呼ばれたり、今まで会えなかった先輩にも会えていると思うんですけど、そういった充実感は感じていますか?

村上:ありますね。「ドリーム東西ネタ合戦」(1月1日[金・祝]夜9:00-11:50、TBS系)でひな壇に座っているときに、何か「え?」ってなりましたね。「こんなことになっちゃってんの?」みたいな、ちょっと引きましたね(笑)。目の前に浜田(雅功)さん座ってました。つむじ丸見えでしたもん(笑)。たまに振り返って「なあ?」みたいなこと言ってくれたりして、うれしかったですね。

――野田さんはいかがですか?

野田:僕はもう人生の目的を果たしました。松本(人志)さんと飲みに行きまして。少人数でぷらっとご飯に、コロナ対策をしつつ。もう全部自分が見てきたもの、自分が松本さんの生まれ変わりであることを長く話して…。

村上:意味分かんないよ。何でその二人が同時にいるんだよ。

野田:バグ。

村上:バグが起きて、二人の松本さんが同じ部屋に?

野田:誕生してしまうって現象が起きたことを申し訳なく思ってます、ということを。

――それに松本さんはどう返すんですか?(笑)

村上:本当は言ってないんだろ?

野田:言ってる。

村上:「松本さんの生まれ変わりだと思ってます」って言ったの?

野田:言ってる。

村上:え、やばいやつじゃないですか?(笑)

野田:「俺まだ死んでへんけどな〜」って言ってたわ。

村上:そりゃそうだよ。

野田:「確かに、バグです」って(自分が返答して)。

村上:ニコッてしてくれた?

野田:うん。笑ってくれてた。

■「やっぱり感想を聞きたい」(野田)

――今回の番組はモダンタイムスとアルコ&ピースの二組がゲストですが、M-1の決勝前後で何かメッセージをもらったりはしたんですか?

村上:僕はないですね。野田がずっと一緒にやってる二組で、僕はその時まだ大学生だったので、単純にファンというか、お客さんと芸人さんという関係で、そこまで深くは関われてないので。野田さんには来てたんじゃないですか?

野田:面白いもんで、Twitterにもつぶやいてなかったですね。

村上:(笑)。怖いですよ、本当に会うの(笑)。

野田:悔しいんでしょうね。

村上:いるんですよね〜。僕も何の連絡もない人いましたもん。

野田:やっぱり身近な人でずっと一緒に、同じところからやってきた人間の、しかも下っ端だったやつがね。

村上:まあ後輩ですからね。

野田:ずっとついて来ていた野田少年が先にこうやって結果を残したことは、非常に悔しかったんじゃないですかね。

村上:うれしくもあり、悔しくもあり。複雑な心境なのかもしれないですよね。

野田:僕は「ざまあみろ」と言いながら出迎えてあげようかなと(笑)。

村上:そんな関係性じゃねーだろ(笑)。

――じゃあこの番組が本当にM-1決勝後のファーストコンタクトなんですね。これを話したいって決めていることってありますか?

野田:そうですね…「売れる気ある?」って。「僕は結果出したけど、売れる気ある?」って(笑)。

村上:言うなよあんまり。絶縁になるぞ。

野田:あとはやっぱり(M-1決勝戦の)感想を聞きたいですね。

村上:確かにね。

――改めて、マヂカルラブリー、モダンタイムス、アルコ&ピースの3組で番組をやることについて、率直にどう思いますか?

村上:そうですね、モダンタイムスさんをどうにか押し出していきたいみたいな、そういう“感”がちょっとありますけどね。

野田:モダンタイムスがちゃんともうちょいしっかり、何かしらで結果を残せるようになったら、何かやりたいですね。ザ・ギースさんとかゴー☆ジャスさんとかも交えて、深夜番組やりたいですね。

村上:だから、(今回の番組は)モダンタイムスさんを呼んで「頑張れよ」っていう会ですね(笑)。

野田:あの時はずっと説教されてたので、逆説教ですよ。とし(としみつ)さんにずっと説教されてきてたんですけど、今日はいったん土下座させて…。

村上:何でだよ! 何にも悪いことしてないだろ。

野田:「おまえらやる気あんのか?」って。

村上:あるよ、多分。むちゃくちゃYouTube更新してるぞ。

野田:「向上心があるのか?」と。

村上:しゃれにならないくらい動画上がってるぞ。

野田:「青森帰るか?」と。それは聞いていこうかなと思います。

村上:やめろよ本当。

――アルピーさんについてはどうですか?

野田:そうですね、俺もやっぱ若干悔しさはあったんですよね。アルコさんが先に売れていって。どんどん普通にテレビ出ていって。太田プロに入ってからの急な“芸能人感”。

村上:有吉(弘行)さんと旅行とか行ってたね。

野田:急に“芸能人”になって、「有吉さんとこんな仲良くなってんだ」とか。急にTwitterで絡んでたりして、「うわっ、芸能人じゃん」って思って。何か悔しかったんすよね。あんまり一緒になることもないし。「距離離れたな」って思ってたんですけど、その距離を詰められたんじゃないかなって思いますね。

■「大宮らしくてすごいよかったですね」(村上)

――お二人は、この番組の収録前に大宮の劇場に出てこられたということですが、お客さんの反応はいかがでしたか?

村上:満席なんてまれな劇場なんですけど、4ステージ全部満席になってくれていて、ステージに出て行ったときの拍手が長かったりとか、本当にうれしかったですね。

野田:小恥ずかしくもありましたね。「マヂカルラブリー優勝おめでとう」ってのぼりが、(劇場が入っている)大宮ラクーンに10本以上あって。

村上:劇場と関係ない、あのビルの人がやってくれてるからね(笑)。

野田:劇場にあるなら分かるんですけど、ラクーンの1階にもあるんですよ。知ったこっちゃないですよ、普通の人は。ブックオフ行こうとしてる人には関係ないですからね(笑)。

村上:「このビル育ちなの?」とか思っちゃうよね。「大宮出身なのかな?」って勘違いしちゃうと思います。

野田:でも、はしゃいでくれるというか、うれしいっすね。「帰ってきた!」って感じはしましたね。

――“大宮セブン”が徐々に上がってきている中で、お二人がM-1で優勝となりましたが、「引っ張っていくぞ!」とか「もっと大きな集団にしていくぞ!」という気持ちはありますか?

村上:おのおのでみんな頑張ると思うので、特に“大宮セブン”という団体でいこうって感じもみんなないと思うんですけどね。おのおのがネタをちゃんと作って、(劇場は)鍛える場所なので。でも、“大宮セブン”という枠組みでテレビとかに出られたら本当に楽しいとは思うんですけど、おのおの頑張っているなって感じですよね。

野田:でも、「大宮の劇場が潰れるんじゃないか」ってうわさが流れたこともあったくらいなので。これで延命したらしいっすよ。

村上:本当? よかった。いや、本当にね、とある心ない社員に「大宮潰しますよ?」って言われてた劇場ですからね。

野田:「何でだよ!」って。

村上:「仲間じゃねーのかよ」って。

野田:「潰してやりますよ」って劇場に言う言葉じゃないから。他の芸人のライバル関係とかだったらまだ分かるけど。社員が劇場に言う言葉じゃない。

村上:何でだよって思いましたけど、その言った方もちょっとは見直してくれたんじゃないかな。

野田:あと劇場の設備を良くしていきたいですね。

――賞金を使って。

野田:“優勝募金”とかしてもいいかもしれないですね。みんなが賞レースとかで結果を残しだしたら、ちょっとお金を集めて便利なものを置いてもよさそうですよね。

――壁が薄いっていうのは聞きますね。

村上:壁も薄いし、あと今日のステージ、僕らが最後の出番で普通だったら「どうもありがとうございました」って言ったら音が流れて幕が閉まるんですけど、音が流れてなかったですからね。音響卓買い替えなきゃいけないかもしれないですよ。音響さんからバツ印出てましたもん(笑)。

野田:「鳴りません!」って(笑)。

村上:「もう無理です!」みたいな。いや、どういうこと!?(笑) でも、大宮らしくてすごいよかったですね。

■「本当に漫才じゃない漫才見たことあるんで」(野田)

――先ほど“深夜番組を”というお話もありましたが、野田さんが「R-1ぐらんぷり」を優勝した時には地上波で優勝者特番がありました。もしお二人で地上波の特番ができるとなったらやりたいことはありますか?

野田:“地下”ですね、やっぱり。地下芸人の這い上がり。タイトルそれでいいかもしれない(笑)。2021年も「マヂカルラブリーno寄席」を(東京・渋谷の)ヨシモト∞ホールでやるんですけど、それも“地下メンバー”や元々“地下”だったりした人が集まってるんで。

村上:永野さんとかね。

野田:やっぱ改めて地下芸人の“地下臭”を味わいたいですね。昔の深夜番組って“地下臭”を感じさせてくれたじゃないですか。それがしたいですね。

村上:深みを見てほしいですよね。僕らなんか多分、“0階”ですよね。そこを理解してくれた人は、地下にとんでもない空間が広がっているっていうのを、ちょっと見に行ってほしいんですよね。そういう意味では、僕らがそういうところの入り口になれたらいいですよね。

野田:言わせてもらうと、“俺らごとき漫才”なんですよ。俺らごときは所詮漫才っすね。漫才じゃないものを見せてやろうっていう。

村上:漫才じゃないのめっちゃ見たから(笑)。

野田:俺らごときが、本当に恐れ多くて言えないです、「漫才じゃない」なんて。本当に漫才じゃない漫才見たことあるんで。

村上:当然のように曲がかかるとかもあるしね。物をめっちゃ持ち込むとか、脱ぐとか、いくらでもありますんでね(笑)。

――以前は「ウケなくてもいい」って精神でやってるとおっしゃっていたこともありますが、今回のM-1は審査員にもウケたということで、その精神が「ウケたい」に変わったきっかけは何かあったんですか?

野田:変わったのは結構前で、2016年くらいに「頑張ろう!」って思ったんですよね。このままぬるく生きてたら死んでしまうぞと思って、勝ちたいと思ってすべりにくいネタを作っていって。ニュアンスでネタをやらないというか。その時できたのが「天然おバカさんキャラ」のネタで、あれは結構安定してましたね。

村上:「フレンチ」の前身みたいなね。

野田:そう。だから、M-1決勝の1本目でやっていいようなネタが出来上がっていって、その年はダメだったんですけど、次の2017年は決勝まで行けて、結局決勝ではハマらず。今度は審査員の方を意識しなきゃいけなくなったんですよね。で、2018年、2019年と落ち続けて、2020年は審査員の方をだいぶ意識しましたよね。2017年だったら絶対に「つり革」を1本目にやってましたね。

村上:2回目の決勝だからこそ、その辺の感じが分かりましたね。

野田:2017年だったら「天然おバカさんキャラ」やって「ミュージカル」が正解ルートだったんですよね、多分。今年はそれを思って「フレンチ」やって「つり革」。

村上:途中でむちゃくちゃぶれてましたけどね。

野田:何度もぐるぐる回ってましたけど。

村上:「つり革」を1本目にしようかなって。まあ“たられば”ですけどね。

野田:結局はね。

――M-1で優勝して売れたら、今度はお二人に“芸能人感”が出ちゃうと思うんですが、それは嫌だったりしますか?

野田:まあでも“芸能人”出ちゃいますよね。

村上:出るのかなあ(笑)。

野田:でもそれは結構言われますね。「え、でもあれでしょ? あんまりテレビとか出たくないっしょ?」とか、テレビの人とかに(笑)。

村上:そういう訳ではない。そんな孤高の芸術家とかじゃないですから。

野田:そのイメージがあるんですけど、別にそういう現場好きですし。ウケたすべったがあって。反省してるのが毎回楽しいし。やっぱライブも出過ぎるとなあなあになってきちゃって、すべっても反省しなくなるんで。大宮のライブのコーナーですべっても何の反省もしないんで、僕。

村上:「すべったとこ面白かったよね」みたいな話してますからね(笑)。

野田:何の成長もしない話し合いをしてるんで(笑)。

村上:「またすべろう」みたいなね(笑)。

野田:そう、「また明日もすべろうぜ」って(笑)。そんな話を毎日繰り返していて。

村上:本当に良くない(笑)。

野田:テレビはちゃんと(すべったら)汗出るんでいいっすよね。汗水流して「働いてるな!」って感じがします。

■「マジで、芸歴で一番キツい仕事でした」(村上)

――あと、今回のM-1の優勝賞品に、記念の像を作るというのがあったと思うんですが、こちらは何か動きがあったりしたのでしょうか?

野田:あのー…事件が起きまして(笑)。

村上:型、取りましたよ。マジで、芸歴で一番キツい仕事でしたね。

野田:像を作るためにはですね、犬がけがしたときに着けるやつ(※エリザベスカラー)みたいなのを着けて、石膏を顔に流して型を取るんですけど。

村上:上を向いてね。

野田:当然息ができないので鼻にストローを差して、鼻で呼吸ができるようにするんですね。で、鼻呼吸だけなので、苦しくなってくるし、怖くなってくるんですよね。怖かったんですけど、35分ずっとそのままの状態で。何度もパニックになる瞬間もあったんですけど、僕が終わって村上になって、15分くらいたった時に村上が手でバッテンを作りだして。

村上:(笑)。

野田:「え? 何何何?」ってなって、そのまま自力ではがし始めて。それを使わざるを得なかったんです。15分くらいしか固まってないのを。

村上:もう1回やれと言われても無理だったんですけど。

野田:史上初の全然本人に似てない像ができる可能性もあるっていう(笑)。

村上:そこは何とかやってくれると思うよ。一応、一番内側のシリコンみたいなのは顔になってたので。すごい縦長とかになるかもしれないですけど(笑)。

野田:すごいつらそうな顔になってるとか。

村上:本当に一番キツかったです。今までの仕事で。

野田:あれはキツかったっすねえ。初じゃないですか、あんな目に遭ったの。

村上:シリコンみたいなのがあって、その後に石膏をどんどん乗せていくんですよ。多分、最後の一投で「まだ乗るの?」ってなって、パニックになっちゃいました。

野田:それで15分ではがして、「あ、でも大丈夫です。できそうです」って言ってて、俺の35分何だったんだって。

村上:(笑)。本当はそれくらいやった方がいいのよ。

野田:必要なかったんじゃないかって。もっとうまい方法あった気がしますけどね。

村上:本当に申し訳なかったです。何かみんな引いた顔してたもんな。

野田:引いてた。

村上:うん、引いてたね。皆さんからしたら「すみません」もあるし、「耐えられないかね?」っていうのもあるし(笑)。

――では、最後に改めてこの後の番組収録について一言ずつ意気込みをお願いします。

村上:やっぱすごく懐かしいメンバーなので、むかしやってたライブの話とか、そういう話もいろいろできたらいいなと思いますし、何にせよ仲の良さみたいなものが出たらいいかなと思います。

野田:多分、ちょっとコアな話になっていく可能性もあるなと思っていて、ついていけなくなることもあるかもしれないですけど、結果楽しい感じになってると思うんで、最後までとりあえず見てください!

村上:確かに、全然知らない芸人の名前出てくるかも(笑)。

野田:えずれひろゆきとか、2世代ターボの話とかしだしたら、ねえ?(笑) だから、その辺りの話になってきたときに、(観るの)やめようってならないように頑張りますんで。そこはバランス感覚で。

村上:大丈夫かなあ?(笑)