2月26日(金)公開の映画「あのこは貴族」。同作は「アズミ・ハルコは行方不明」(幻冬舎)、「ここは退屈迎えに来て」(幻冬舎)などで知られる山内マリコの同名小説を映画化したもので、異なる境遇を生きる2人の女性が一瞬人生を交差させ、恋愛や結婚だけではないそれぞれの人生を切り開いていくストーリー。出身地、学校、会社など、選別され続けることによる生きづらさを描きつつも、その中で自分自身を見出していくかすかな希望があることを語りかける作品だ。

今回、東京の上流家庭に生まれ育った“箱入り娘”華子を演じる門脇麦と、猛勉強して入った名門大学を家庭の事情で中退した“上京組”美紀を演じる水原希子にインタビューを実施。同作でも描かれる恋愛や友情、生きづらさなどについて話を聞いた。

■門脇麦&水原希子の意外な“趣味の合致”

――門脇さんと水原さんは映画「あのこは貴族」で初共演とのことですね。

門脇:はい。実は二人のシーンが少なかったので、撮影中はあまり話せなかったんです。でも多分、希子ちゃんとは趣味が合うと思う。

水原:私も合うと思う! 実は、麦ちゃんはきのこマスターなんです。

門脇:全然まだまだ初心者なんだけど、きのこを観察するのが好きで、よく観察会に行ったりします。希子ちゃんは苔が好きなんだよね。きのこってだいたい苔と一緒にあるんですけど、きのこを探しに行く時に苔を見ては希子ちゃんを思い出してます(笑)。

水原:わたしも! きのこを見るたびに麦ちゃんを思い出してます。

インスタ経由で麦ちゃんがきのこ好きだと知って、お互いきのこと苔の写真を送り合うようになったんです(笑)。撮影中はこういう話まではできなかったんですけど、それでも初対面にもかかわらず緊張しなかったんですよ。相性良かったよね。

門脇:うん!

――門脇さんから見た美紀の魅力、水原さんから見た華子の魅力を教えてください。

門脇:美紀の経歴的にどうしても重たくなってしまう部分はあると思うんです。でも希子ちゃんが演じた美紀を見ると、悩んでいる部分はありながらもどこか軽やかで、この子はこれから跳躍していくんだろうという未来が予想できて。その軽やかな部分が映画を根本から明るくしてくれたんじゃないかなって思いました。

水原:華子は最初、自分自身や家族にがんじがらめになっています。でも、その後自分や周りと戦って生きて行くのがかっこいいと思うんですよね。美紀とは違うかっこよさだと思います。

門脇:お互いに憧れの存在なんだと思います。憧れの人やかっこよく見える人にも、似たような葛藤がある。そういうことなんじゃないかな。

■門脇麦「自分で自分にレッテルは貼らない」

――同作で美紀と華子は性別や出身地などのレッテルに苦しみ、打破しようともがきます。お二人はレッテルを貼られて生きづらさを感じた経験はありますか?

水原:そんなの日常茶飯事だよーって感じです(笑)。

正直、こういう仕事をしているしあきらめている部分もあります。人が自分に対して抱くイメージはコントロールできないものなので、仕方ないかなって。

特に上の年代の方と話すとやっぱり、「今の時代それってちょっと…」と感じることが多くあります。今ってちょうどそういうギャップの中にいる時代ですよね。

本当に無理だって思うことや自分が傷つくこと、たとえばセクハラみたいなものだったら絶対真っ向から反論すると思います。でもそんなに悪気がないんだろうと思うことは受け流しているんです。

例えば、よくタクシーの運転手さんに「お姉ちゃん外人さん?」「そろそろ結婚しなきゃね」みたいなことを言われるんですけど、全て「そうですねー」と流しちゃいます。私、他人は変えられないと思っているので。

だから、レッテルを貼られてもいちいち反応しないんですけど、どこか客観的に、面白いなって思ってます。

門脇:「レッテルを貼る」って他人がする事ですよね。だから、何か言われても「そういう考え方しかできないのは残念だけど、考え方は人それぞれだから仕方ないな」って思っていれば、意外と大丈夫です。他人にレッテルを貼られても、自分で自分にレッテルは貼らない。

たくさん悔しいこともあるけれど、その分もっと楽しくてうれしくなることが私の周りにはあふれているので、バランスは保てていると思います。悔しいことがあった分だけ、心躍ることを自分にしてあげよう、と思って過ごしています。

※インタビュー後編に続く