山内マリコの同名小説が原作の映画「あのこは貴族」(2月26日[金]公開)の特別映像が解禁。第33回東京国際映画祭で「階層を越えて手を取り合う女性たちの姿は、これまでになかったジャンル」と話題になった同作は、東京の上流階級に生まれ育った“箱入り娘”の榛原華子と、猛勉強して入った名門大学を家庭の事情で中退した“上京組”の時岡美紀の話を描いた作品。そんな同作の主人公・華子を演じた門脇麦と、地方から上京してきた美紀を演じた水原希子が、互いの演技や自身が演じた役柄についての想いを明かした。

本作では、同じ東京という空の下、相容れることの無い異なる境遇を生きてきた2人が、人生を交差させ、恋愛や結婚だけではないそれぞれの人生を切り拓いていく。そんな姿を小気味好く、鮮やかに描いた作品だ。

物語では、出身地、学校、会社など、選別され続けることによる生きづらさをしっかり捉えつつも、その中で自分自身を見出していく微かな希望があることを語りかけ、20代後半から30代にかけて息苦しさを抱える女性たちが軽やかに変化していく姿を紡いでいく。

そんな同作の監督には、初のオリジナル長編作品「グッド・ストライプス」で新藤兼人賞金賞を受賞した岨手由貴子。キャストは門脇と水原の他に、奇しくも2人を繋ぐことになる、弁護士・幸一郎役を高良健吾、華子の学生時代からの友人でバイオリニストの逸子役を石橋静河、美紀の地元の友人で同じ名門大学に入学する・平田役を山下リオが務め、若手実力派俳優が集結した。

■門脇「希子ちゃんの退き際ってめちゃめちゃ凄くて」

「女の子2人の映画って世界中でも今までもたくさん作られてきているけど、お互いバラバラに1歩1歩歩む、そういう映画は見たことが無かった」と、語るのは門脇。「今までになかったガールズムービーになる」と自信を覗かせるその姿とは裏腹に、劇中では、少ないセリフと控えめな表現で箱入り娘の華子を見事に体現した。

さらに門脇は、“結婚=幸せ”であることを信じ、家族や家柄といった狭い世界の価値観から抜け出せずにいる華子について、「自分が“これをしたい”と決断することで、家族が傷ついたり、裏切ってしまった、ということもあるからレールを踏み外せない」と分析をしながら、「台本を更新していく喜びがすごくあった」と、当時の撮影を振り返っている。

一方で水原は、自身が演じた美紀という役柄を「挫折を繰り返しながらも、自分の居場所を一生懸命見つけて強く生きていく女性」と語る。

門脇同様、現場で進化していく台本や物語を肌で感じたようで「実際やってみて(台本より)もっと膨らむ感じはあったよね」と振り返っており、その言葉を裏付けるように、映像内では、岨手監督と念入りに話し込む門脇、水原の姿も映し出されている。

現場での共演シーンでは「(美紀の演技で見せた)希子ちゃんの退き際ってめちゃめちゃ凄くて」「鳥肌がたった」と、水原を褒め称える門脇。そんな門脇に対し、「かっこよかった」と賛辞をおくる水原。同時代を代表しながらも、真逆とも言える持ち味を持つ女優2人の個性が静かに交わる共演シーンは、同作の大きな見どころだ。

■「あのこは貴族」あらすじ

東京に生まれ、箱入り娘として何不自由なく成長し、「結婚=幸せ」と信じて疑わない華子(門脇麦)。20代後半になり、結婚を考えていた恋人に振られ、初めて人生の岐路に立たされる。あらゆる手立てを使い、お相手探しに奔走した結果、良家の生まれである弁護士・幸一郎と出会う。幸一郎との結婚が決まり、順風満帆な華子。

一方、東京で働く美紀(水原希子)は富山生まれ。猛勉強の末に名門大学に入学し上京したが、学費が続かず、夜の世界で働くも中退。仕事にやりがいを感じているわけでもなく、都会にしがみつく意味を見いだせずにいた。幸一郎との大学の同期生であったことから、同じ東京で暮らしながら、別世界に生きる華子と出会うことになる。

2人の人生が交錯した時、それぞれに思いもよらない世界が拓けていく。