8組24名の人気俳優、吉本タレント&クリエイターによるオムニバス映画「半径1メートルの君〜上を向いて歩こう〜」が、2月26日(金)に公開される。その中の1篇「まわりくどい二人のまわりくどい気持ちの伝え方は大胆でむしろまわりくどい」(監督:山内大典)は、お笑いコンビ・ジャルジャルの福徳秀介が脚本を担当。女優・白石聖とジャルジャル・後藤淳平の共演で、カフェをシチュエーションに、互いに恋心を抱きながらも素直に告白できない男女を描く。そんなラブストーリーに挑んだジャルジャルの福徳&後藤にインタビューした。

――まず、企画の始まりから聞かせてください。

福徳:スタッフさんから話がきて、「脚本をお願いします」と。それで、出演を後藤にしようと思っていたら、「後藤さんでもいいですか?」と言われたんで、いいですよ!って。吉本側は他の候補もあったみたいですけど。

(脚本を)いついつまでに出してくださいと言われて、ダメなとこがあったら、訂正してほしいとか、ラリーがあると思っていたんで、結構早めに出したんですけど、音沙汰なくて。締め切り過ぎてから、「すいません、ここ直してもらっていいですか?」と言われたから、えーー?っていう感じでした。せっかく早めに出したのになって(笑)。

――福徳さんは、後藤さんで当て書きされたということですね?

福徳:そうですね。後藤が私生活で言わんであろう、照れくさい感じのこと、奥様に対して言ってほしい感じのことをイメージして書かせてもらいました。

――ラブストーリーにしようと思われた理由はありますか?

福徳:確か、「恋愛でお願いします」と言われたと思うんですけど、最初からそのつもりでした。基本的にはハッピーエンドが個人的には好きなので。

――後藤さんは企画の初めから関わられていましたか?

後藤:テーマとか聞かされていなくて、福徳の脚本が出来上がって、さあ撮りますよというところでお話をもらった感じですね。「この映画に出て」という感じで。企画の話を聞いて、それはぜひお願いします、と。

――もらった脚本の感想はいかがでした?

後藤:短い話で、2人しか出ないんですけど、会話のラリーなんで、覚えられるかなあと思うくらいのセリフ量でしたね。ずっと二人でしゃべっているような役は初めてだったんで、セリフを覚えるのも、長々と会話のラリーをするのも大変だろうなと思いました。

内容としては、恋愛の話で、自分とは全く違う人格の設定だったので、逆にやりやすいなと思いました。読んでの感想は、福徳っぽいなあと。全くお笑いと違う雰囲気でいくのも、福徳テイストだなあと思いました。

――会見では、福徳さんの書いたことをアレンジせずそのまま演じるとおっしゃってました。

後藤:実際は、アレンジする余裕もないというか、覚えることでいっぱいいっぱいでした。

――脚本の中に、お二人の実体験は盛り込まれていますか?

福徳:それは全くないですけど。ミルクレープは1枚1枚食べちゃうタイプで、そう考えると本みたいに思えて、なにか間に入ってたら本のしおりっぽい、それやったら、登場人物の名前はホンダとシオリにしようと思って。そこは個人的には気持ちよかったですね。個人的な遊びですけど。

――ああいう性格の二人に設定したことに理由はありますか?

福徳:後藤は高校からの同級生で、何人かの恋愛相手も見てきた中で、女性に対する立ち振る舞いも見てきたわけです。根本的にまわりくどいなっていうのはありましたから、そういう理由ですかね。

――後藤さんに思い当たるところありますか?

後藤:そうですね。直接的に何かを言うのは苦手です。実体験が取り入れられているわけじゃないですけど、性格的にはね。

福徳:高校の時、遊園地で、彼女と手をつなぐときに、「手ぇつなぐ?」って聞いたらしいんですよ。それ、まわりくどいなって話を高校の時にしてて。なんやねん、「つなぐ?」って聞くって。「繋ごう」でええやんと。

■脚本担当・福徳の狙い、タイトルの意図

――作品内に、ジャルジャルさんらしさを盛り込もうとしたところはありましたか?

福徳:しつこいと一般的に言われるので、どっかでジャルジャルの色を出したいと思って、タイトル(「まわりくどい二人のまわりくどい気持ちの伝え方は大胆でむしろまわりくどい」)とかはジャルジャルっぽさ、二人の感じを入れてみました。

――犬についてのやり取りのところも・・・。

福徳:あそこは完全にそうですね。ジャルジャルのやり取りを、他の人とやったらどうなんやろ、と見てみたい気持ちもあって。って、まだ映像を見てないんですけどね(笑)。

――山内大典監督とはどんな会話をなさいましたか?

福徳:リモートだけで話したんですけど、監督の電波状況が悪過ぎて(笑)。ずっと静止で、声も飛び飛びで、間に入った人が一人いたんですけど、結局その人とばかり話してました。だから、監督のイメージは途切れる声だけ(笑)。

――何か要望は出されたのですか?

福徳:衣装のところで、後藤が演じる男は、古着屋の店員っぽく見えるように、後藤はニット帽かぶったほうがいいです、最悪キャップでもいいです、ということを言ったんですけど、キャップの方が採用されちゃってました(笑)。

――後藤さんの、監督とのやり取りは?

後藤:現場で監督さんからこういう言い方しましょうか、というのはあって、その意向に沿って演じたくらいです。

監督はすごかったです。他の作品も監督していて、借りてる場所が何時まで、と決まっている中で、時間内できっちりしたものを撮り切るという。こんなテキパキした人おんねや、と。めちゃくちゃテキパキしてましたよ。たいがいの現場は時間が押すと思うんですけど、全く押さずに、ほんまにオンタイム。判断も早いし、切り替えも早くて、すごいなと思いました。

――作品のタイトルがとてもクセがありますが、これは?

福徳:元々は「まわりくどい二人」みたいなものにしていて、それを最後に出すということは決めていたんですけど、タイトルもまわりくどくていいか、と思って、あのタイトルにしました。

――本作はオムニバス映画ですが、並ぶ他の作品をどう見ていますか?

福徳:出演者とか監督さんとかの並びを見たときに、真面目で行こうと思いました。笑いを取りに来るタイプ、品川(ヒロシ)さんのようにもうプロの人、いろいろいますから、素直にふつうの恋愛ものを書こうと思いました。

きっと誰も恋愛ものは書かんやろなと思ったので、単独なら負けることもないなと。たぶん誰も書いてこないと思ったんで、あんまり競争心とかはなかったですね。

――後藤さんはいかがですか?

後藤:内容は知らないですけど、脚本を書く芸人さんがいたり、監督する芸人さんがいたり、吉本は人材が豊富やなと思いました。こういうオムニバスで1本を作れるくらいですから。

――最後に、作品をどんな人に見てほしいかを聞かせてください。

福徳:まだ告白できていない、好きな人と一緒に見てほしいですね。一緒に見て、「私これやでー」って言ってほしい。告白に使える映画です。

後藤:お笑いファン以外にも広がっていってくれたら。映画からお笑いにも来てほしいですけどね。


■「半径1メートルの君〜上を向いて歩こう〜」作品紹介

「半径1メートルの君〜上を向いて歩こう〜」は、新型コロナウイルスの影響で、多くのエンターテインメントコンテンツも中止に追い込まれる中、「エンタメの力で人々の心を元気にしたい」「上を向いて歩ける前向きな気持ちを届けたい」という思いから制作された。

出演者は基本的に2人で、ワンシチュエーション、バッドエンドではない前向きな作品であることという制約が作品には課された。

企画に終結したのは、岡村隆史(ナインティナイン)×豆原一成(JO1)、海宝直人×亜生(ミキ)、倉科カナ×徳井義実(チュートリアル)、小池徹平×じろう(シソンヌ)、白石聖×後藤淳平(ジャルジャル)、般若×秋山竜次(ロバート)、松井玲奈×山崎静代(南海キャンディーズ)、水川あさみ×近藤春菜(ハリセンボン)という豪華キャスト。

脚本は、劇団ヨーロッパ企画の上田誠、ドラマ「半沢直樹」(TBS系)などを手掛ける丑尾健太郎、品川ヒロシ、粗品(霜降り明星)、高須光聖、福田麻貴(3時のヒロイン)、福徳秀介(ジャルジャル)、又吉直樹(ピース)と、よしもと芸人をはじめ多彩な顔触れが担当。品川と粗品は自ら監督も手掛け、他にドラマ演出を多数手掛ける山内大典、紙谷楓が監督で参加した。

エンディングで流れる主題歌は「上を向いて歩こう」。斉藤和義が本作のために歌っている。

■「本日は、お日柄もよく」 出演:岡村隆史(ナインティナイン)×豆原一成(JO1) 脚本:丑尾健太郎 監督:山内大典
■「やさしい人」出演:倉科カナ×徳井義実(チュートリアル) 脚本:高須光聖 監督:山内大典
■「とある家のこと」 出演:松井玲奈×山崎静代(南海キャンディーズ) 脚本:福田麻貴(3時のヒロイン) 監督:紙谷楓
■「真夜中」出演:小池徹平×じろう(シソンヌ) 脚本:又吉直樹(ピース) 監督:紙谷楓
■「まわりくどい二人のまわりくどい気持ちの伝え方は大胆でむしろまわりくどい」 出演:白石聖×後藤淳平(ジャルジャル) 脚本:福徳秀介(ジャルジャル) 監督:山内大典
■「戦湯〜SENTO〜」 出演:般若×秋山竜次(ロバート) 脚本・監督:品川ヒロシ
■「バックヤードにて」 出演:水川あさみ×近藤春菜(ハリセンボン) 脚本:上田誠(ヨーロッパ企画) 監督:紙谷楓
■「同度のカノン」出演:海宝直人×亜生(ミキ)  脚本・監督:粗品(霜降り明星)