独創性あふれるアートで注目を浴びる21歳・大西拓磨さんが、2月21日放送の「林先生の初耳学」(毎週日曜夜10:00-10:54、TBS系)に出演し、MC・林修と対談した。「東京藝術大学に首席で合格」「日本で3番目にIQが高い」など非凡な経歴を持つ大西さん。その目に映る独特な世界に触れた林先生は、「一言でいえば、敗北感」「本当に自分の力不足」と最大級の賛辞を送った。

■林先生絶賛「とんでもない天才がいる」

林先生に招き入れられ、「大西拓磨と言います。一般人です」と自己紹介した大西さん。「1カ月に一回くらいしか人と会話しなかった」という引きこもりの過去を持ち、現在は定職についていないニートで、渋谷のネットカフェに住んでいるという。

林先生が大西さんに注目したきっかけは、2020年12月24日、とあるサイトに投稿された記事。大西さん自身が、みずからの半生と制作物を振り返りつづったものだ。

そこには、「中高一貫の進学校を中退」「別な高校に入り直すも孤立」「その後、東京藝術大学に首席で合格」「半年後には懲戒退学」「ニート生活中にIQテストを解いていたら世界記録を4つ更新した」といった経歴とともに、大西さんがこれまでに創作したアート作品の画像も掲載されていた。

作品は、写真と見まがう完成度の人物画をはじめ、1.4m四方の紙を使った折り紙の女子高校生、上野動物園裏の塀の汚れを落とすことで描いたパンダの絵など、個性的な発想から生み出されたものばかり。そうした作品群に心を動かされた林先生。

「僕は祖父が画家だから、小さい頃から絵も見ている。僕はこれ(大西さんの作品)を見た瞬間に『とんでもない天才がいるな』と」と大西さんの作品と出会った時の衝撃を振り返り、自由な発想を「なんでこういうことができちゃうのか。絶対僕が見えてないものがいっぱい見えてる」と絶賛。「どういう形で応援、支援するのがいいのか僕は分からないんで、まずこれだけのすごい才能の持ち主がいるっていうことを知ってもらおうと」と、インタビューの意図を説明した。

■「面白い人間になれない人は、面白いものを作るしかない」

「創作に対するモチベーションは二つあって。一つはデザイン的思考、もう一つは自意識。自分を認めてほしい、社会とコミュニケーションしたいっていう欲求なんです」という大西さん。

“デザイン的思考”の一例が、上野動物園の塀の汚れを利用して描いたパンダの壁画。大西さんは“デザイン的思考”について「『上野動物園の裏が黒く汚れている』『上野動物園はパンダが有名』『パンダは白黒で描ける動物』っていうこの3つが美しいアイデアなんですよ」と説明した。

ほかにも大西さんの作品には、ある場所にモノを置いたり立てかけただけのシンプルな構造でメッセージを投げかけるものが多い。大西さんは「器物損壊にはなっていない。最小限の手数で最大限の効果を生み出すというのが基本的な思考なんです」と打ち明けた。

さらに、「面白い人間になれない人は、面白いものを作るしかない」と創作の原点となっている思いを吐露。自身の創作を「全部イタズラですよ」とし、もう一つのモチベーション“自意識”について「おしゃべりとか歌とかパフォーマンスで人々とうまくコミュニケーションができない人は、モノとかイタズラ、そういう“現象”を通じて社会とコミュニケーションするしか方法がない。芸術は、その最後の砦」と、創作にかける思いを明かした。

■「3年前の僕みたいな人に目が向けばいいな」

インターネットにアップした半生記をきっかけに今、大西さんのアートは評価され始めている。大西さんは「助けたいという人がいるのはすごくありがたいことなんですけど、僕よりも3年前の僕みたいな人がいっぱいいるから、そういう人に目が向けばいいなぁと思ってるんですよ」「僕をほめたたえるのではなく、身の回りのそういう人たちに声を掛けてほしい。友達になってあげてほしいですね。3年前の僕に」と呼び掛けた。

インタビューを終え、林先生は大西さんの思考の深さに感服しきり。「感想を一言でいえば、敗北感でしかない。やっぱりあの天才を動かすだけのものが自分にはなかったなっていうのが本当に自分の力不足ですね」と舌を巻き、「最後、聞きました? “僕じゃなくて3年前の僕”、そっちに手を差し伸べてくれっていうのが、彼ですよ」と感じ入った。

天才二人の深淵なやりとりは、スタジオゲスト陣を圧倒。それだけに、小杉竜一(ブラックマヨネーズ)が「ちょっとやり取りが速すぎて見えないんですけど」とツッコミを入れると、スタジオは爆笑に包まれた。

次回の「林先生の初耳学」は2月28日(日)に放送する。