3月6日(土)に放送される、“野村萬斎主演×原作:アガサ・クリスティ×脚本:三谷幸喜”シリーズ第3弾となるスペシャルドラマ「死との約束」(夜9:00-11:40、フジテレビ系)。出演する松坂慶子、鈴木京香が作品への思いを語った。

「死との約束」は、ミステリー界の女王・アガサ・クリスティーが1938年に発表した長編小説。「死海殺人事件」のタイトルで映画化もされているが、日本での映像化は初めてとなる。舞台を“巡礼の道”として世界遺産にも登録されている熊野古道に、そして時代設定を昭和30年に置き換えて執筆。三谷流の「死との約束」を作り上げた。

本作の主人公は、「オリエント急行殺人事件」「黒井戸殺し」に続き、萬斎演じる名探偵・勝呂武尊。萬斎のドラマ出演は「黒井戸殺し」以来、約3年ぶりとなる。

勝呂をとりまくキャストには、勝呂とは旧知の仲で勝呂にとって“運命の女”の代議士・上杉穂波役に鈴木、積極的に勝呂の捜査に協力する医師・沙羅絹子役に比嘉愛未、本堂家の税理士・十文字幸太役に坪倉由幸、穂波に随行する編集者・飛鳥ハナ役に長野里美、勝呂に捜査を依頼する警察署長・川張大作役には阿南健治が決定している。

ほか、事件の被害者で家族を思いのままに支配しようとする本堂夫人役に松坂、本堂家の長男・本堂礼一郎役に山本耕史、礼一郎の妻・本堂凪子にシルビア・グラブ、次男・本堂主水役に市原隼人、長女・本堂鏡子役に堀田真由、次女・本堂絢奈役を原菜乃華が務める。

このたび、このシリーズへの初出演となる、松坂、鈴木からコメントが到着。

■松坂慶子コメント

――今回の出演の話が来た時の感想は?

アガサ・クリスティーの作品は大好きで、本も読んでおりましたし、映像化された作品も楽しみに見ていたのでとてもうれしかったです。そして三谷さんはあこがれの方でしたので、今回初めてご一緒できてとてもうれしいです。やったー!という感じでした。

――台本を読んでの感想は?

昭和30年という時代の中で繰り広げられるお話がとても面白かったですし、本堂夫人が、とてもマイペースで、みんなが「あーあの人がいなければ幸せなんだけれどな。早く死んでくれないかなあ」ってそういう大変な母ではあるのですが、台本を読んでいるとなんだか、スカッとするんですよね。こんな風に遠慮無く思っていることをずけずけと言ったらさぞ、気持ちがいいだろうなあと。そして三谷さんの脚本では、“ひどい人なんだけれど笑っちゃう”そこがすてきで面白いですよね。

――今回の役を実際に演じてみての感想は?

それが不思議なのですが、実際(セリフを)口に出して言ってみると、「あら、こんなこと今までに私言ったことあるわ!後で、しまった!と思うけれど、言ったことあるわ」と。きっと普通の人は年に一度くらいしか言わないことなんでしょうけれども、それを本堂夫人は1日に何十回も言っている人で、胸がすくような、それでいてクスッと笑ってしまうような面白さがあるんです。

でも普通の人は言ってしまったそばから「ああ、今のは取り消したい」って思うのでしょうが、夫人はそういうことはなくて。でも、あくの強い人に見えますが、孤独だったり、寂しい気持ちがきっとそこにはあるんだと思います。

夫が生きているときはもっと夫がとりなしてくれて、子どもたちとの仲もうまくいっていたんでしょうけれど、今は自分は、よかれと思って、子どもたちを守りたいと思って言っているんでしょうが、そこがうまく伝わらなくて、空回りしている面も実はあるのではないでしょうか。でも今回の本堂夫人の役は面白い役ですから、俳優として皆さん、一度は演じてみたい役だと思います。

山道のベンチで横たわっている(遺体の)シーンでは、3日間に渡ってみなさんがそのシーンに携わるんですけれど、まるで順番待ちのアトラクションのようになっていて。「はい、次の方」みたいな(笑)。こういう撮影も初めての経験でした。

――野村萬斎さんと共演されての感想は?

ジェントルマンな方ですね。やはり狂言の世界の方なので、体幹がしっかりされていて、姿勢が頭の先からつま先まですっとまっすぐで、素晴らしいな思いました。そして萬斎さんが現場にいらっしゃると(現場の)空気がしまりました。今回ご一緒させていただいて本当に楽しかったです。

――最後に視聴者へメッセージをお願いします。

今コロナ禍でどこにも外出できない方が多いと思うので、是非このドラマで熊野古道や豪華なクラシックホテルの中で繰り広げられるドラマをお楽しみいただければと思います。そして素晴らしいキャストの方々が結集しているので、きっと見応えのある作品だと思いますので、大いにこの世界に入って楽しんでいただけたらと思います。私も楽しみにしています。

■鈴木京香コメント

――今回の出演のオファーが来たときの率直な感想は?

「オリエント急行殺人事件」も「黒井戸殺し」も見ていましたからすごくうれしかったです。しかも、名探偵・勝呂のかつての知り合いだった女性という役。台本が待ち遠しかったです。

――台本を読んでの感想は?

映画「死海殺人事件」も見たのですが、エキゾチックな舞台を日本に置き換えても違和感なく、より一層面白い。そこが三谷さんの脚本の素晴らしいところだなと思いました。元々素晴らしい原作や映画もあって、ちょっとおじけづきそうなところもあったのですが、三谷さんの台本を読んだ時に、登場人物の関係性や、物語が動いていく時の面白さが見え、安心して穂波という役を演じることができると思いました。

――今回の役を演じるにあたって。

三谷さんの作品では、前に演じさせていただいた役と同じイメージにはしたくない、といつも頭においているので、しっかりと役を作って臨みたいと思いました。加えて今回は、“勝呂との関係性をどう見せるか”というのが一番難しいところだと思いました。

見てくださった方がミステリー、サスペンスとしてきちんと引き込まれるように勝呂と向き合いたかったので、そこがやりがいのあるところでもあり、サスペンスの醍醐味だと感じました。

――実際に演じてみての感想は?

難しかったです。意味もなく笑顔で勝呂を突き飛ばしたりするシーンとか、どうやろうかなって思いましたし。政治家は一度やってみたかった役です。昭和30年代の女性政治家は、きっと当時では珍しく、目立つ存在だったと思うので、その役を演じられるのはとても光栄でした。

――野村萬斎さんと共演されての感想は?

萬斎さんは、さすが動きがきれいで、セリフ回しにも品格がある、とてもチャーミングな方。私が突き飛ばすシーンでも、面白い落ち方をしようと工夫してくださるんです。三谷さんが、“ポワロに並ぶ日本の名探偵を作りたい”と、勝呂を萬斎さんに、とおっしゃるのがわかるような気がします。ご一緒させていただいてとても楽しかったです。

――視聴者へメッセージをお願いします。

昭和30年に時代を置き、熊野古道に舞台を置き、それが本当にドラマに魅力を与えていて、ゴージャスなサスペンスにできあがっていると思います。勝呂は西洋の文化と知性を取り入れた成熟した男性。その魅力がミステリーに加わるとこんなにも面白くなるものなのかなと思いました。ロケを行った熊野古道もとても神秘的な場所でしたし、いろいろな方に楽しんでいただけるスペシャルドラマになっていると思います

■スペシャルドラマ「死の約束」あらすじ

「分からないのか、こうなったらもう殺すしかないんだっ」。名探偵・勝呂武尊(野村萬斎)は休暇で訪れていた熊野古道のホテルで、その場に似つかわしくない物騒な言葉を耳にする。事件はこの時、すでに動き始めていた…。

翌日、朝食をとるためにホテルのラウンジに向かうと、そこで医学書を読んでいた医師の沙羅絹子(比嘉愛未)の姿を目にし、声をかける。沙羅は勝呂のことを新聞で見て知っていたため、二人はすぐに打ち解ける。そこに、本堂家の夫人(松坂慶子)、次男の主水(市原隼人)、長女の鏡子(堀田真由)、次女の絢奈(原菜乃華)がやってくる。

どこか異様な雰囲気を醸し出す夫人は、やってくるなりホテルのスタッフをどなりつけ、子ども達にはあれこれと命令し始める。さらに遅れて、長男の礼一郎(山本耕史)、と妻の凪子(シルビア・グラブ)もやってくる。夫人の言動は、まるで一家の独裁者のようで、子供たちはみな完全に彼女の支配下に置かれていた。

その風変りな家族の様子に、勝呂はあっけにとられてしまう。一家と古くからのつきあいがあるという男・十文字幸太(坪倉由幸)によると、主である本堂氏が、家族が一生遊んで暮らしていけるほどの十分なお金を残して死んだため、本堂家は家族全員で日本中を旅しているのだという。

沙羅から誘われて本宮大社を訪れ、散策をしていた勝呂は背後から声をかけられる。振り返ると、婦人代議士・上杉穂波(鈴木京香)と編集者の飛鳥ハナ(長野里美)だった。穂波は、自伝の執筆のために熊野を訪れたというが、どうやら勝呂とは旧知の仲らしい。穂波の前では今まで見せたこともないような顔を見せる勝呂。

その二日後、貸し切りバスで古道散策ツアーに向かった本堂一家と勝呂、沙羅、穂波、飛鳥。霊峰と言われる熊野には神秘的な山道が多く、景色もどこかミステリアスだ。そして、昔から天狗(てんぐ)の目撃談も後を絶たない。各人が、思い思いの場所に分かれて時を過ごす一行。

そんな中、参道沿いのベンチで休んでいたはずの本堂夫人が、遺体となって発見される。地元の警察署長・川張大作(阿南健治)に事件解決を要請された勝呂は、早速捜査をはじめる。夫人は普段から心臓が弱かったというのだが、勝呂は、その右腕に注射針の痕を発見する。

病死なのか?誰かに殺されたのか?勝呂は、ホテルに到着した晩に、偶然耳にした言葉をふと、思い出す。「分からないのか、こうなったらもう殺すしかないんだっ」。あの声は一体誰だったのか?夫人の死と関係があるのだろうか?ぎくしゃくしていた家族の誰にも動機があり、全員に殺害するチャンスがあった。名探偵・勝呂史上、最もややこしい事件の推理が、今、始まろうとしていた。