香取慎吾が主演する連続ドラマ「アノニマス〜警視庁“指殺人”対策室〜」(毎週月曜夜10:00-10:54、テレビ東京系)の第6話が3月1日に放送された。毎話ネットの怖さが描かれているが、あらためて善意と悪意について視聴者から「考えさせられた」という声が上がった。(以下、ネタバレがあります)

■命と真摯に向き合う万丞

本作は、インターネットの誹謗中傷問題に焦点を当てたクライムサスペンス。タイトルの「アノニマス」とは、日本語で匿名を意味する言葉で、ネット上の匿名比率が他国と比べて顕著に高い日本の社会問題に切り込む。

“キーボードによる殺人=指殺人”に対応するため警視庁に新設された“指殺人対策室”を舞台に、毎話、異なる題材のSNSなどの誹謗中傷に苦しむ人々の事件を解決に導く様子が描かれている。

第6話の相談者は、匿名の中傷メールに悩む専門学生・末松香(川島鈴遥)。メールの中身は恋人で、大学野球部の次期エース候補とされる椚総一郎(田中偉登)への中傷ばかりだという。その相談の最中、拉致された総一郎が監禁されている様子が生配信され始めた。そして犯人は4時間のうちに監禁場所を特定できなければ「こいつは終わりだ」と告げた。

香の証言で、高校の同級生だった荒井慶太(岩上隼也) の弟・翔太(楽駆)による逆恨みの線が浮上。総一郎と同じ野球部だった慶太は総一郎への嫉妬から暴力事件を起こし、その直後、交通事故で亡くなっていた。

しかし、翔太を捜査一課が逮捕したとき、香が生配信で真相を語り始めた。高校時代の暴力事件は、香が総一郎に性的暴行されたことがきっかけだった。慶太は香のために真実を黙っていたが、心ない生徒により誤った情報が拡散され、ネットで名前も知らない人々から糾弾を受けたショックで事故にあってしまったのだ。

この視点の変化は実に怖いものだった。これまでも描かれてきた誤ったこと、自分の目で見ていないことがいとも簡単に拡散されてしまう恐ろしさやネット上の“正義”について、あらためて突き付けられた。ネットの善意と悪意がこれほどに表裏一体となっていることに考えさせられた。

それでもさらに怖かったのは、“指殺人”について訴える香にさらに悪意が向けられていたことだ。自分がうそをついていないことを証明するため自らの命を断とうとするが、寸前で万丞が助ける。万丞は涙を浮かべながら「いいかげんにしろ!」と一喝し、「無駄にしていい命なんてない」と説いた。


■“アノニマス”が見せる正義とは?

今回は、ネットの善意を逆手にとった復讐劇だった。指対室のデジタル担当としてITに強い四宮(清水尋也)も過信してしまい、ネットの情報だけに頼らず真実を突き止めようとする万丞と対立する場面があった。元捜査一課刑事の切れ者として、自らの”足”で捜査し、優れた洞察力で数多くの事件にあたってきた万丞が鳴らした警笛。また、元相棒・倉木(シム・ウンギョン)を1人で暴走?させてしまった経験から、命を大切にすることへの叫びも胸に響いた。

そんな万丞が追っているのが、闇サイト・裏K察に書き込みをする“アノニマス”だ。第4話でアノニマスから「あなたにとって正義とはなんですか」と問いかけのメールをもらっていた万丞。今回の香の元にアノニマスから「あなたは悪を許していいのか」とダイレクトメールが届いていたことを聞くと、「お前のやり方は間違っている」とメッセージを送った。

すると、すぐに届いた返信は「いいでしょう。私の正義を、お見せします」というものだった。次週でいよいよアノニマスの正体に迫っていく。そして、2年前に起きた万丞の元相棒・倉木の事件の真相も明らかになるようだ。

視聴者の間ではアノニマスの正体についての予想も上がっているが、「見当つかない」といった声も多い。定義は難しいだけに、示される“正義”は少なからず波紋を呼ぶかもしれない。

■3月8日(月)放送 第7話あらすじ

社員をパワハラで自殺に追い込んだブラック企業だとのうわさで大炎上したある食品会社。そのSNSに「罪を告白しないなら爆破する」という爆破予告が届く。万丞らが突き止めた予告犯・小柳祐平はアノニマスの信望者だった。

するとアノニマスから裏K察に新たな動画が投稿される。「次に告発するのはこの国最大の巨悪・警察」。同じ頃、万丞は刑事部長・城ケ崎(高橋克実)から、アノニマスの正体を突き止めるよう指示を受ける。