杉咲花がヒロインを務める連続テレビ小説「おちょやん」(毎週月〜土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は一週間の振り返り)。3月3日放送の第63回では、一平(成田凌)の母・夕役で板谷由夏が出演。母親としての複雑な思いを込めた演技で視聴者の涙を誘った。(以下、ネタバレがあります)


■「あんた、なーんもわかってへん」

一平の“二代目天海天海”襲名をめぐるエピソードが展開する第13週「一人やあれへん」(第61〜65回/3月1〜6日)。「お母ちゃんを追い出した」と父・初代天海(茂山宗彦)を恨んできた一平は、二代目天海襲名を頑なに拒み続けていた。

説得のため、千代(杉咲)は一平を母親探しに連れ出した。母親ならきっと一平を抱きしめ、「お父ちゃんを許してあげて」と言ってくれるだろう…そんな期待を抱いていた千代だったが、一平と再会した母・夕の言葉はまったく期待に反するものだった。

「お母ちゃんを守ってあげられへんかった」と詫びる一平を「あんた、なーんもわかってへん」と遮った夕。「私、あの人に追い出されたんとちゃうで。私が男つくって、勝手に家出たんや」「あんたら捨てたんは私のほうや」と言い放ち、「手切れ金や」と封筒を投げつけた。

あまりの仕打ちに、千代は涙ながら「なんで…ほんまのお母ちゃんのくせに!」と夕を平手打ち。夕も「何すんねん!」と叩き返し、2人はもみ合いに。張り詰めた空気の中、一平は目の前で涙を必死にこらえる夕をしっかりと見据え、ただ一言おだやかな声で「どうか、お幸せに」と言い残して背を向けた。その場には、ひどい言葉とは裏腹に切ない涙を流す夕だけが残された――。

放送後、「おちょやん」公式Twitterでは夕役・板谷由夏のインタビュー動画を公開。その中で板谷は「なんて、ひどい母親なんだろうって思ったんですけど。でも、夕さんの心を読み解くと、とてもとても切ない人で、とてもとても、なんていうんでしょう…一平のことを愛してたんだな、っていうのがわかったので。切なく苦しいけど、愛が伝わる週になるといいなと思って(台本を)読みました」と打ち明けた。

■板谷由夏「ご縁があるんだなと」

初代天海と夕の間に本当はどんな日々があったのか、夕がどんな思いで幼い一平の元を去り、今また一平を突き放したのか…細かい背景は描かれることなく、ただ、一平が去った後の夕の涙だけが強く印象に残る回となった。

行間を想像させる、板谷の演技。「おちょやん」公式Twitterも「夕さんはかつての夫と同じように、悪役を買ってでているのではないのかな… 泣き崩れる姿を見ていたら…、ひどい言いようも、不器用な愛情の裏返しなのかなって思ったり…。みなさんの目には、どう映りました…?」とツイート。

視聴者からも「お母さん、なにかワケがある感じ」「夕さんの気持ちの本当のところはわからないけど、とにかく、朝から泣けた」「本心を隠して一平にきつく当たる、圧巻の演技だった」といった声が上がった。Yahoo!検索ランキングで「板谷由夏」が急上昇ワードに挙がるなど、夕の存在は視聴者にも深い印象を残したようだ。

千代と夕のビンタ応酬も強烈だった。杉咲、成田それぞれと今回が2回目の共演だったという板谷。前回、成田とは親子役、杉咲とは「ぶたれたシーンがあった」と言い、「ご縁があるんだなと思って。『2度あることは3度ある』で、もう一回花ちゃんとはぶってぶたれるシーンがあると思うし、もう1回、成田くんともお母ちゃんと息子とのご縁があるんじゃないかなと思います」と再々共演を期待していた。

第64回は3月4日(水)に放送する。当時の父・天海のそぶりからは、到底想像できない事実を突き付けられた一平と千代。時を同じく、千之助(星田英利)も天海から口止めされていた事実を鶴亀家庭劇の座員たちに話し始める。