作・演出を三浦大輔、主演を藤ヶ谷太輔が務めた2018年の舞台「そして僕は途方に暮れる」が、舞台版と同じく監督・三浦大輔×主演・藤ヶ谷太輔のタッグで映画化されることが発表された。同作は、藤ヶ谷演じる主人公のフリーター・菅原裕一がほんの小さなことの積み重ねから自ら人間関係を断っていく逃亡劇。以前から三浦監督と藤ヶ谷のコンビでさまざまな企画が持ち上がっていたものの、コロナ禍の今、「人間関係」をテーマに描いた同作の映画化が決まった。一度演じた役に再挑戦するのは初めてという藤ヶ谷は、「舞台で演じさせていただいた3年前と現在では全く状況が変わってしまいました。だからこそ、人と人との繋がりとは何なのか、改めて考えさせられるのではないでしょうか」とコメントしている。

■舞台「そして僕は途方に暮れる」とは
原作となる舞台は、劇作家・三浦大輔によるシアターコクーンへの初の書き下ろし作品として2018年に上演。「忘れがたい感覚を植え付けていく作品」「藤ヶ谷太輔の憂いある表情、声、全てが良かった」など観客から熱い支持を集めた。映画「愛の渦」(2014年)「何者」(2016年)などの作品でも知られる三浦監督が映画版でもメガホンを取る。

本作の主人公は、自堕落な生活を送っているフリーターの菅原裕一。長年同棲している恋人・里美がいるが、とあることをきっかけに里美を裏切ってしまった裕一は、話し合うこともせず家を飛び出してしまう。それから、親友やバイト先の先輩、学生時代の後輩、姉、母の元を渡り歩き、ばつが悪くなるとその場を離れ、あらゆる人間関係から逃げ続けていく。しかし、偶然にも家族から逃げていった父に出会い、裕一の中で、何かが少しずつ変わり始めていくのだが…というストーリーだ。

■コロナ禍の中、「人と人との繋がり」を考えさせる作品に
映画化について小西啓介プロデューサーは、「SNSツールの普及とコロナ禍の影響で、人と人が直接会って対話する機会が極端に少なくなり、コミュニケーションの考え方自体が変わってきた。このままだと人間関係を構築することが、面倒なことになってしまう。だからこそ今この作品を映画化する意義があると監督に改めて提案した」と語っている。

そして主演の藤ヶ谷もまた、コロナ禍の現在に触れ、「舞台で演じさせていただいた3年前と現在では全く状況が変わってしまいました。だからこそ、人と人との繋がりとは何なのか、改めて考えさせられるのではないでしょうか」と語っている。映画は2021年3月にクランクインを予定。「楽しみでワクワクしている反面、あのシーンはどうなるんだろう、このセリフの間合いはどうなんだろうという気になる部分も多く、早く準備をして撮影に挑みたいなという気持ちです」と意気込んだ。

■藤ヶ谷太輔のコメント全文
僕自身、一度演じた作品をまたやらせていただくという機会が初めての経験なので、オファーを頂いて素直にすごく嬉しかったです。

とても信頼している三浦さんと、また作品つくりが出来ることをとても嬉しく思います。楽しみでワクワクしている反面、あのシーンはどうなるんだろう、このセリフの間合いはどうなんだろうという気になる部分も多く、早く準備をして撮影に挑みたいなという気持ちです。舞台とは異なり順撮りではないので、壁にぶち当たるのではないかと感じていますが、監督はじめチームを信じて、「菅原裕一」という人物に集中して挑みたいと思っています。

舞台で演じさせていただいた3年前と現在では全く状況が変わってしまいました。だからこそ、人と人との繋がりとは何なのか、改めて考えさせられるのではないでしょうか。

何事からも逃げてばかりの裕一のことを、クズだな、よく言い訳をする男だな、と感じると思うのですが、誰にでも時には「逃げたい」という願望はあると思います。なので、自分もこんなこと思ったことあるなと共感したり、応援したい気持ちになったり、その先がどうなるのかと知りたい欲にも駆られたり…様々な感情が沸く作品だと思います。是非、公開を楽しみにお待ちいただけると嬉しいです。

■三浦大輔監督のコメント全文
舞台の公演が終わってからずっと、いつか、この作品を映像化したいという想いは持ち続けていました。こうして念願叶い、とても嬉しく思っています。そして、舞台と同じく、主人公の菅原裕一は、藤ヶ谷太輔くんが演じてくれます。藤ヶ谷くんと一緒に、また新たな「そして僕は途方に暮れる」をつくれることに、喜びしかありません。自分のオリジナルである本作が、舞台を経て、映画化されることによって、さらに多くの人に届けられることに、感謝の気持ちでいっぱいです。皆様、期待してお待ちください。