広瀬すずがテレビ朝日のドラマで初主演を務めるスペシャルドラマ「エアガール」が、3月20日(土)夜9:00から放送。

同ドラマは“空”への憧れを胸に、激動の昭和を駆け抜けた戦争後初のCA・佐野小鞠(広瀬)の奮闘を描く。また、日本人が日本の空を飛ぶことが許されていなかった戦後、日本人の手で航空事業を立ち上げるという壮大なミッションに挑んだ、三島優輝(坂口健太郎)ら男たちの熱き戦いも描き出す。

今回、WEBザテレビジョンでは広瀬すずと坂口健太郎にインタビューを実施。作品への思いや共演者とのエピソードなどを聞いた。

■「CAさんの心遣いやプロ意識に驚きました」(広瀬)

――最初に脚本を読んだとき、どんなことを思われましたか?

広瀬:航空事業についてほとんど触れたことがなかったし、すごく昔のことかと思っていたけれど、初代「エアガール」には90代でご存命の方もいるくらい近い時代のことなんですよね。知らないことだらけだし、日本と海外の関係性も衝撃的でした。

坂口:よく飛行機を使っているのに、航空会社の生い立ちは知らなかったです。僕は日本初の航空会社の設立に尽力する三島を演じましたが、すごくカッコいい人だと思いました。物語の中で闘う人にも、対立する人にも、その人なりの誠意があって、それをお互いに求めている。すずちゃん演じる小鞠の、その生きざまがカッコよく見えるし、そういう人たちの中に自分が入れることは、うれしかったです。

――広瀬さんは戦後初のCA・佐野小鞠役。CAという職業を体験されて、どんなことを感じましたか?

広瀬:JALの方に所作指導していただいたのですが、「お客様の筋肉を使わせない」というポリシーで仕事をされているのに驚きました。確かに、自分が飛行機に乗った時を思うと、筋肉を使ってない。これって、CAさんの心遣いなんだなって。

それにCAさんってコップを持つ位置、お盆の位置ひとつとっても、見られていることを意識していてサービスされている。プロ意識がスゴイなと思いつつ、「どこかで絶対ボロが出る!」と思ってドキドキしながら臨んでいました(笑)。

■広瀬すずと坂口健太郎がひかれ合う二人を演じる

――坂口さん演じる三島は、パイロットを経て日本初の航空会社設立に尽力する役です。

坂口:どのように演じようかと考えたとき、“その時代のエネルギー”をすごく感じました。物資は不足しているけれど、夢があった戦後という時代のエネルギーを三島に落とし込めたらいいなと思いました。

監督に、「三島は兵隊だったので、姿勢や顔つきに自分を律するような“内面が出る”」と言われたので、そういうところは少し気をつけながらお芝居しました。

――小鞠と三島、2人の関係性も本作の見どころの一つだと思いますが。

広瀬:監督がふたりの恋心が動くような瞬間を、「ここはラブシーンのようなシーンだから」と表現していたんです。最初は「ようなってどういうことだろう?」と思っていたのですけれど、お互い全く口に出さないし、一見何もないように見える…、もしかしたら人としての憧れなのか、恋心なのかも気付いていない…、そんな狭間のニュアンスが絶妙だなと思って。だからこのシーンは全く意識しない、このシーンは意識しているって、気持ちを分けて演じました。

坂口:ある種ラブな瞬間でもあるんですけれど、彼女はエアガールとして、僕は航空会社を設立するという同士みたいなところもあって。それを“時代感”といっていいのか分からないけれど、素直に思いを告げられない瞬間もある。演じていて、すごく美しい関係性だなと思いました。

■豪華キャスト陣との共演も
――広瀬さんには松雪泰子さん、坂口さんには吉岡秀隆さんというメンターともいえる人物がいますが、先輩との共演はいかがでしたか?

広瀬:松雪さんは、小鞠の叔母で、料亭の女将、佐野千代役。家族を失った小鞠を引き取り、厳しいけれど深い愛情で育ててくれる役どころです。とにかく、お美しくて(笑)。しかもずっとお着物で、所作もすごくきれいで、ずっと見てしまいます。

坂口:吉岡さんは、“戦後日本航空事業の父”とよばれる松木静男役。僕の上司です。柔らかいけれどしなやかな力強さ、熱さもある人物なのですが、吉岡さん自身とうり二つと思える感覚がありました。


――広瀬さんには、同じく戦後初のエアガールとなる山崎紘菜さん、藤野涼子さん、中田クルミさん、伊原六花さんという同世代の共演者も。にぎやかそうですね(笑)。

広瀬:すごく楽しいです。私、こう見えて笑いを取りにいくタイプなのですが、全員同じタイプで(笑)。「お風呂場の洗剤、これがいいよ」とか洗剤の情報交換をしたり、みんなでずっとしゃべってます。

――飛行機にまつわる思い出はありますか?

広瀬:以前LAに行った帰りの飛行機の中で、エアガール役の山崎紘菜ちゃんとバッタリ会ったことがあります(笑)。本当に偶然で、席も近くて。

坂口:僕は飛行機の中から空を見るのが好きです。夜になって窓から空を見たり。

広瀬:異空間にいるみたいで、現実を忘れられますよね。

坂口:同じ光景なんだけど、雲の上だと飽きないんですよね。それは飛行機に乗ってないと味わえない感覚。だから、窓側が好きです。


――最後に視聴者の皆さんに、メッセージをお願いします。

広瀬:その時代ならではの、さまざまな人々のさまざまな感情が混ざっている作品です。「こんなこともあったんだな」っていうのを知ってもらえる機会になるといいなと思います。

坂口:僕も台本を初めて読んだときに、「こんなことがあったんだ」と改めて知りました。それぞれの生きざまに、それぞれの正義があって、そのすべてが間違いじゃないというか。日本の空を作るために奮闘していた人たちの思い、そのカケラの部分を少しでも感じてもらえたらうれしいです。

取材・文=坂本ゆかり