杉咲花がヒロインを務める連続テレビ小説「おちょやん」(毎週月〜土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は一週間の振り返り)。3月26日放送の第80回では、千代(杉咲)と一平(成田凌)、寛治(前田旺志郎)の間にかけがえのない絆が芽生える瞬間が描かれた。(以下、ネタバレがあります)


■「泣きたいときは、思いっきり泣いてええんやで」

第16週「お母ちゃんて呼んでみ」(第76〜80回/3月22〜27日)で千代と一平は、早くに父を亡くし身寄りのない少年・寛治をひと月ほど預かることに。いつもニコニコ朗らかな寛治だったが、一緒に暮らすうち少しずつ、屈折した内面が垣間見えるようになってきていた。

寛治が劇団の準備金を持ち出したことをきっかけに、あらためて寛治をあずかっていることの意味を見つめなおした千代。第80回では寛治を前に座らせ、一平と2人、それぞれの生い立ちを語って聞かせた。

幼い頃に母親を亡くし、父親に苦しめられ続けたけれど周囲の助けで今がある、という千代。やはり幼い頃に母と生き別れ、父も亡くして愛情というものを知らないけれど、今は一座が自分の家庭だと思っている、という一平。2人は寛治にあらためて「うちらと一緒にくらせへんか?」と申し出た。

千代が「だんない。うちらはあんたを絶対に裏切れへん。なんでかわかる?うちらはあんたの痛みをわかってるから」と語りかけ、「無理やろ、どうせ」と笑って受け流そうとする寛治を、一平が「笑わんかて、ええ。笑いたないのに、無理に笑うことなんかあれへん」と受け止めた。

「泣きたいときは、思いっきり泣いてええんやで」と千代に抱きしめられ、寛治の目にはみるみる涙があふれた。

■寛治のいじらしさに感動の声も

傷つきたくないがためにつらい時にも笑ってしまう、そんな寛治にとって、「泣きたいときは、思いっきり泣いていい」という言葉はこれ以上ない安心感をもたらしたことだろう。「うちらはあんたを絶対に裏切れへん」という力強いメッセージも、寛治の心を動かした。

寛治役の前田旺志郎はかつて人気を呼んだ兄弟漫才「まえだまえだ」の弟。「M-1グランプリ」準決勝進出から10年以上を経て、今は俳優としてその才能を開花させている。寛治の涙からは今までどれだけの本音を笑顔に隠してきたのかがわかり、そのいじらしさが胸を打つ。

放送後、自身のInstagramで「寛治は二人の心の底からの愛情に触れ、初めてこの人たちなら信じても良いって思える大人に出会うことが出来ました」と綴った旺志郎。胸を打つ演技に、視聴者からも「前田旺志郎くんの表情に泣かされた」「笑顔からの涙に変わっていくお芝居、すごく良かった」といった感動の声が上がった。

こうして千代と一平、そして寛治は“家族”になった。3月29日からは第17週「うちの守りたかった家庭劇」(第81〜85回/3月29日〜4月3日)を放送する。昭和19年に入り戦時色が濃くなっていく中で、変わっていく道頓堀の人々の生活が描かれる。