5月28日(金)に公開される、椰月美智子原作(角川文庫刊)、瀬々敬久監督、映画「明日の食卓」の三者三様の“母親”像が描かれた場面写真が解禁された。

10年ぶりの映画主演となる菅野美穂が、フリーライターでふたりの息子を育てる石橋留美子役として、やんちゃ盛りの息子たちを育てながら、仕事復帰を目指す母親を、タフな存在感と未来への希望をうかがわせるほがらかさをにじませながら演じている。

また高畑充希が、シングルマザーで大阪に暮らす石橋加奈役として、若くして母になり、パートの仕事をかけ持ちして働きづめの毎日ながら、ひとり息子の成長だけを生きがいに、愛情深く肝のすわった母親像をリアルに体現している。

そして尾野真千子が、年下の夫と優等生の息子にかこまれ、一見、何不自由なく幸せを手に入れているように見える石橋あすみ役をていねいに演じている。

子を持つ親なら誰もが直面する問題をリアルに描いた本作は、女優陣が各々のドラマを濃密に演じ、緊迫のクライマックスへと向かわせ、見る者に共感と問題意識を喚起しながら、ラストには希望の光を与えてくれる。

解禁された場面写真では、神奈川県在住の仕事復帰を目指す、43歳のフリーライターの留美子(菅野)、大阪府在住の30歳のシングルマザーで、息子を愛情深く育てながらけん命に生きる加奈(高畑)、静岡県でやさしい夫と自慢の優等生の息子にかこまれ、幸せそうに暮らす36歳の専業主婦のあすみ(尾野)、同じ“ユウ”という名前の小学5年生の10歳の息子を育てる“3人の母親”たちが、母親、そして女性として三者三様に生きる姿が切り取られている。

ふたりの息子を持つ留美子は、あわただしい朝に息子たちを学校へと送り出し、母親らしい姿を見せる一方、息子である悠宇(ゆう)は暗い部屋で耳を閉ざし、何かにおびえているようで、この一家に降りかかる問題を予感させる。

また生活費を切り詰めけん命に暮らすシングルマザーである加奈が、息子に真剣な表情で向きあい、そして小さな体で息子の勇(ゆう)をしっかりと抱きしめる姿からは、ふたりの温かくも厳しいリアルな日常が伝わってくる。

さらに一見、優雅な暮らしを送っているように見えるあすみだが、息子の優(ゆう)を不安げな表情で見つめ、さらにはひとりぼう然と立ち尽くす姿も写し出されており、果たして彼女に何が起こるのか、降りかかる事件を予感させる。

自分なりに注いできたつもりの愛情も、子供たちには思うように届かない。ワンオペ育児や困窮するシングルマザー、世の母親たちを取り巻く環境はかようにも過酷で、「こんなはずじゃなかった」と理想と現実のはざまで揺れ、息子への愛と憎しみをいったりきたりする。そんな母親たちの感情を、複雑な気持ちで受けとめる息子たちと、思いはすれ違っていく。それぞれの母親が子育てに奮闘している姿は、どこか“見たことがある”ようで決して他人事ではない、リアルな現実を感じさせるはずだ。
■映画「明日の食卓」あらすじ
同じ“石橋ユウ”という名前の小学5年生の息子を育てる3人の母親たち。

神奈川在住のフリーライターの石橋留美子(菅野美穂)43歳、夫の豊はフリーカメラマン、息子の悠宇10歳。

大阪在住のシングルマザーの石橋加奈(高畑充希)30歳、離婚して、アルバイトをかけ持ちする毎日、息子の勇10歳。

静岡在住の専業主婦の石橋あすみ(尾野真千子)36歳、夫の太一は東京に通い勤務するサラリーマン、息子の優10歳。

それぞれが息子の“ユウ”を育てながら、忙しく幸せな日々を送っていた。しかし、ささいなことがきっかけで、徐々にその生活が崩れていく。苦労はあっても、息子への愛にいつわりはなかったはずなのに、どこで歯車が狂ってしまったのか。“ユウ”の命を奪った犯人は誰なのか、そして三つの石橋家がたどり着く運命とは……。