屋良朝幸が、7月2日に神奈川・KAAT神奈川芸術劇場で開催されたハートフル音楽劇「イキヌクキセキ〜十年目の願い〜」横浜公演開幕直前取材会&公開ゲネプロに、共演の浜中文一、松本明子、松下優也、ヒデ(ペナルティ)、隅田美保、安寿ミラ、松平健と共に登壇。東日本大震災で被災した人々を描いた同作への思いを明かした。

数々の作品の脚本・演出を手掛けるモトイキシゲキが、東日本大震災後に現地での取材を通じて実際にあった出来事を基に、今回の上演のために新たに音楽劇として台本を書き下ろした同作。

東日本大震災から10年となる2021年。故郷を離れた人、地元に残った人、それぞれの10年間をイキヌクことだけに懸命になり見えていなかった糸が、運命という力で一つ一つつながっていく様を、日本で一番美しい言葉「ありがとう」と共に心温まる音楽とダンスでつづるハートフル音楽劇だ。

震災で両親を失い、東京でダンサーになる夢をかなえようと故郷を離れるも、同郷で「元気食堂」を営む木島晃(松平)と出会い故郷に帰ることを決心する鈴木大樹を演じる屋良。

話を聞いた時の心境を「どうして自分が主役なのかという思いがありました。東北出身でもないし、(震災に)全く関わりがなくて。自分がやるに当たって何ができるかなと思いましたが、答えは正直見つからなくて」と回顧した。

ただ浜中と被災地を訪れたことで心境に変化があったそうで、「地元の人たちの話を聞いて、逆にこっちが元気をもらいました。つらい思いを抱えているけど、前に進んでいくし、何より(震災を)経験した強さを感じました」と打ち明ける。

続けて「地元の方に『こういうことがあった』ということを、若い人たちに伝えてほしい』と言われ、勇気をもらいました。エンターテインメントに関わっている人間として、その思いをしっかりステージの上から伝えていくのが仕事。大変な思いをした人たちの気持ちをくみ取った上で、みんなに伝えていけることはしっかり伝えていきたい」と誓った。

津波で母親を亡くした大樹の同級生を演じる浜中は「毎回、出演する舞台とのご縁の意味を考えますが、今も考えていて。すごくいい意味で、心の中でいろんなことが広がりました。いい経験をさせていただいています」と感慨深い様子で明かし、「僕自身、この舞台で何ができるわけではないですが、少しでも何かを伝えられたら。一生懸命やるしか僕にはできないので、頑張りたい」と力強い表情で答えていた。

最後には、屋良が「素晴らしいキャストがそろっています。物語に加え、お笑い、音楽、ダンス、さまざまなエンターテインメントが楽しんでもらえる作品になっていると思います」と胸を張り、締めくくった。


◆取材・文・撮影=TAKAMI