佐藤健が主演を務める映画「護られなかった者たちへ」(10月1日[金]公開予定)の主題歌が桑田佳祐の「月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)」に決定した。

同作は「このミステリーがすごい」受賞作家・中山七里の小説「護られなかった者たちへ」を映画化したヒューマンミステリー。東日本大震災から10年目の仙台で起きた不可解な連続殺人事件を軸に殺人事件の容疑者として追われる主人公・利根を佐藤、彼を追う刑事・笘篠を阿部寛が演じるほか、清原果耶、倍賞美津子、吉岡秀隆、林遣都らが出演する。演出は「64-ロクヨン-前編/後編」(2016年)を手掛けた瀬々敬久監督、脚本は瀬々監督と「永遠の0」(2013年)を手掛けた林民夫が担当する。

「月光の聖者達」は2011年に発売された桑田佳祐の4枚目のオリジナルアルバム『MUSICMAN』に収録されている楽曲で、2011年9月、東日本大震災の被災地にエールを送るために敢行された「桑田佳祐『宮城ライブ〜明日へのマーチ!!〜』」のアンコールでも歌われた。当時、そのライブを体験していた制作陣は「震災から10年目の宮城を舞台にした本作で、ぜひ桑田さんに主題歌で参加いただきたい」と、同作の開発スタート時から熱望しており、その思いが実現した。

■「月光の聖者達」を使用した最新予告映像が公開

容疑者である利根が泥水に顔を押し付けられながら「ふざけるな!」と叫ぶカットから始まり、利根を刑事・笘篠が雨の中、全力で追いかけるシーンなど鬼気迫るシーンが続く。一方、後半では「本当は心の優しい…私の知っている利根泰久はそういう人間です」「死んでいい人なんていないんだ」といった意味深なセリフや、利根の幸せそうな表情も垣間見え、彼の秘められた過去が見え隠れする中、主題歌のメロディーが登場人物たちの心情にそっと寄り添うように流れる、という予告映像になっている。

■瀬々監督のコメント

震災のあった3月11日の夜、被災地のあちこちで星空がものすごくきれいだったという証言が多くあった。「月光の聖者達」を聴いて、まず頭に浮かんだのがそんな光景です。

桑田さんのこの曲は追悼の歌のようでありながら、生きることの大切さをさりげなく差し出している。震災の直前に出された楽曲でありながら、震災以降の自分たちの心情にピタリと当てはまる気がする。「時代(とき)は移ろうこの日本(くに)も変わったよ」だけど、「現在(いま)がどんなにやるせなくても明日(あす)は今日より素晴らしい」。

震災からコロナ禍、まさに今を生きる多くの人々を支えてくれるこの楽曲が、映画に大きな思いを授けてくれたと思っています。

■筒井竜平プロデューサーのコメント

このたび、桑田佳祐さんの「月光の聖者達」を主題歌とさせていただくことができました。東日本大震災から半年後の2011年9月10日、11日に宮城県はセキスイハイムスーパーアリーナ(グランディ・21)で開催された、「桑田佳祐『宮城ライブ〜明日へのマーチ!!〜』」。

遺体安置所となっていた場所の再開であり、また桑田さん自身の病気からの復活の場でもあったあのライブのアンコールで、「故郷」(ハーモニカ演奏)からの「月光の聖者達」という象徴的なブロックは、深く深く心に染みわたるもので、その後も忘れえぬ体験となりました。あれから10年という時が経ようとしている中で、宮城を舞台にしたこの映画の開発をスタートした時から、映画化が成就した暁には、桑田さんに主題歌での参加をぜひお願いしたいと考えていました。

2011年2月にリリースされたアルバム『MUSICMAN』に収録されているこの楽曲は、この10年という月日の中でたくさんの人に聴き継がれ、たくさんの思いが寄せられ、この先もずっと愛されていく楽曲であると思います。映画の物語にはもちろんのこと、観ていただく観客の皆さまにも、そっと寄り添ってくれる存在です。

ままならないことが多い世の中で、それでも前を向いて歩いて行こうとする私たちにとって、最高のエールとなるこの楽曲を映画の中でも堪能いただければ幸いです。