即席ユニットでの参加が解禁され、数々のユニットが名乗りを上げている「キングオブコント2021」。このたび、WEBザテレビジョンでは、7月16日(金)に予選1回戦を控える片桐仁と青木さやかによるユニット「母と母」にインタビュー。数々の経歴を持ちながらも、“賞レース”初参戦となる2人が「キングオブコント」を目指したきっかけや、6月19日に開催された「YATSUI FESTIVAL! 2021」で行われた“0回戦”の舞台裏、大会への意気込みなどを語ってもらった。

ユニット「母と母」は、片桐がエレキコミックと共にパーソナリティーを務めるTBSラジオ「エレ片のケツビ!」(毎週土曜夜1:00-2:00)内で行われた企画「KOC決勝への道」から誕生。

同番組内で片桐が相方を募集し、青木をはじめ、流れ星☆・ちゅうえい、BOOMER、かもめんたる・槙尾ユウスケ、元ハリガネロックのユウキロックらが「片桐仁とコントがしてみたい」と名乗りを上げ、「YATSUI FESTIVAL! 2021」内の“0回戦”でネタを披露。その後、圧倒的な得票数を獲得した青木が相方の座を手に入れた。(※投票はネタを観覧したお客さんによって行われた)

■片桐仁「毎回戦々恐々としていました」

――今回、「キングオブコント」に参戦しようと思ったきっかけを教えてください。

片桐仁(以下、片桐):ラジオの雑談の中でのむちゃぶり企画ですよね。相方を募集して、「キングオブコント」の優勝を目指すという企画なんですけれど、最初は「この歳になってお笑いコンテストか…」って、思いました(笑)。

青木さやか(以下、青木):私は最近、「母」(中央公論新社)という本を出版したんですけれども、その本を友達のゲッターズ飯田くんが気に入ってくれたんですね。その後、飯田くんがやつい(いちろう)さんに連絡をしてくれて、ラジオで「本の告知ができますよ」ってなって。

片桐:そっか、本の告知でラジオに出演するのが先だったんだね(笑)。

青木:そうなんです。ラジオに出ることが決まって、そうしたら、仁さんが「キングオブコント」に挑戦するっていう話を聞いて、仁さんとコンビが組める、コントが出来るって、そんなことなかなかないので、もちろん挑戦させていただきたいです! ということで、私は始まった感じですね。

片桐:青木が来た時は本当にびっくりしましたね。やついとスタッフがブッキングしていたので、僕は「今日は誰来るんだろう?」って、毎回戦々恐々としていました。そんな中でも、青木はまったく想像の外側でしたね。

■青木さやかと娘の知られざる約束

――お二方とも今回、“賞レース”への参戦は初めてになるかと思うのですが、これまで参戦してこなかった理由は何かあったのでしょうか?

片桐:今ではいろいろな賞レースがありますけれど、昔は無かったんですよね。「M-1」が始まった2001年頃に「キングオブコント」があったらラーメンズも出ていたと思うんですけど、「キングオブコント」が始まった時には、僕らは単独ライブで暮らすようになっていたので、テレビとだいぶ距離があいていたんです。だから、2分とか3分とかのネタがまったく無かったので、種目が違う感じでしたね。

青木:私の時もそんなに無かったんですよね。

片桐:お笑いライブはいっぱいあって、たまにタイアップで賞金が出たりするものはあったから、そういうのは出ていたよね?

青木:出ていましたね。ただ、私はネタを量産出来なかったので、ネタを結構早めにやらなくなっちゃって…初期の頃の「エンタの神様」の出演が最後だったと思います。

――お二方ともネタを披露されるのはとても久しぶりだったと思うのですが、周りの方々の反響はいかがでしたか?

片桐:いやぁ、めちゃくちゃありましたよ! それこそ第七世代という若手のお笑いの塊みたいな人たちが出てきましたけれど、僕たちは今年48歳なので、その上の世代のもう1つ上の世代ですからね。なので、最初はどうなんだろう? って、思っていたんです。

でも今回、我々が学生時代にテレビで見ていた世代のBOOMERさんとコントをやらせてもらって、生身の人間がお客さんの前でウケるために頑張るっていいことだなって思ったんです。なんかシンプルだな、潔いことだな、面白いことだなって。

今回の企画は、僕が(「バチェラー」でいう)バラを渡すみたいな立場ですから、すごく迷って、10組の中から誰かを選ぶなんて出来ない! って、思っていたんですけれど、青木とコントをやった時に「これ、もう1回やりたいよね」って、青木と話をしたんですよね。そうしたら、投票結果も青木が1位だったんです。

青木:私はもう本当に久しぶりのことでしたし、仁さんと出来るなんて光栄なことなので、全力でやらなきゃというか、失礼がないようにやらなきゃというか…。

片桐:いやいや、それはこっちのやつですよ…!

青木:いやいやいや!

片桐:だって、こっちも皆さんを滑らしちゃいけないって…。

青木:そうですよね(笑)。私は今回、「キングオブコント」はもちろんなんですけれど、「やついフェス」は、エレ片さんのショーだと思っていて、まず、そのショーで自分なりにできることを全力でやってみたんです。そうしたら、すごい楽しかったんですよ! 頑張らなきゃっていう気持ちよりも、お客さんの前でコントをするっていうことが楽しい! って、いう気持ちになっちゃったんです。それで実は、このコントに使用した衣装を娘が欲しいって言ってて…私も多分貰えるだろうからって、「やついフェス」が終わった次の日には渡せると思うって言っていたんです。けれど、実際終わってみて、まだ順位も出ていない時に「しばらく渡したくない」っていう、気持ちになっていたんです。

片桐:勝ち残りたいって?

青木:はい。「勝ち残りたいから渡せないかもしれない」って、娘に伝えましたね。

■2人が明かす“そこでしか感じられない興奮”

――先ほどお話にもありましたように、10組の相方候補の中から青木さんに決まりましたが、片桐さんも青木さんに投票されていました。ずばり決め手はなんだったのでしょうか?

片桐:僕は今回の投票結果の1位〜3位のこの誰かが相方かな? って、思っていたんです。けれど、(ぽんぽこの)ひとみ〇ちゃんは相方がいるし、元ハリガネロックのユウキロックさんには、とにかくおんぶに抱っこで、本当に緻密な計算のもとネタをやってもらって、それは気持ちよかったので相当悩みましたね。僕はお芝居をするようになってから、「コントとお芝居の違いって何ですか?」って、よく聞かれるんですけれど、コントって、僕たちは一生懸命やっているんだけれど、客席から見たらすごくばかみたいっていうのが面白いなって思っているんです。そんな中、青木はやっぱり熱量が違うし、こんな人とお芝居したことないなって感じて、気持ちよかったんですよね。

――青木さんは実際に決まってみていかがでしたか?

青木:すごくうれしかったです。決まったら、普段連絡が来ない人たちからも連絡が来て、お笑いを好きな人って、たくさんいるんだなって思いましたね。お笑いが好きだっていうことを知らなかったママ友からも連絡が来たり、ラーメンズさんが好きな人から「ラーメンズのこのコントを見てください」って、ネタを送ってくれる人たちもいたりして、やっぱりお笑いっていうのはそこでしか感じられない興奮みたいなものがあるんだなって思いましたね。

片桐:あるねー! ライブのお客さんにウケる興奮はありますね!

青木:ありますよね。演劇とそんなに変わらないのかな? って、思っていたんですけれど、違うんだなぁ…って感じましたね。

片桐:今回、いろいろな人とやってみて感じたんですけれど…みんな、お客さんの前に出た瞬間にグっ! って(テンションが)上がるんですよね。これって、芸人さん特有だなって思いましたね。そうそうそうこの感じ! って。多分ウケたいって欲求がすごいんだと思う(笑)。とにかくウケたいんだなって。

青木:そうですね。私、この先の人生、ウケるなんてどうでもいいって思っていたんですけど、こんなに楽しいことなんだって思いましたね。

片桐:演劇でウケるのとはまた違うんですよね。

青木:違いますね!

――今回のネタはラジオのリスナーさんが作ってくれたものなんですよね?

片桐:リスナーさんが送ってきてくれたネタを、僕らとやついで調整していきました。そのネタを今ブラッシュアップしていて、迷い始めているところです。「やついフェス」の時は3分くらいネタをやっていたんですけれど、予選は2分15秒でブザーが鳴るので、無駄な部分をギュっ! としようと。でも、芝居の中でするアイコンタクトとか、せりふの「…」みたいな無駄な部分が面白いから、そこを削っちゃうとなぁ…って、でも、時間は短くしなくちゃいけないから、いやだなぁって(笑)。

――(笑)。今回のネタの見どころやアピールポイントはありますか?

青木:さっき仁さんとのコントの動画を見たんですけれど、面白かったですね。

片桐:この歳になって、“らしさ”が出て、より面白いと思うんですよね。年をとっちゃったから面白くないんじゃないか、若くなきゃいけないんじゃないかってちょっと思っていたんですけれど、そんなことは無いですね。

青木:無いですね。

■知られざるエピソードがどんどん飛び出す!

――相方が青木さんに決まった際に、ラジオで青木さんが「ネタを作った」というお話をされていたかと思うのですが…。

片桐:作っていなかったですね。構想でした(笑)。

青木:ごめんなさい…構想でした(笑)。

片桐:思いもしない構想でしたね。2分のコントの設定で頭の中が盛り上がっちゃったみたいで、この後の展開がどうなるかっていう、すごく立体的な話でしたよね。それはそれで面白かったんですけれど、いやいや、このコントはこのコントで終わりだからって…(笑)。

青木:(笑)。近所のママ友と「それがいい!」って盛り上がったんですよ。

片桐:いや、話自体は面白いんですよ! でも、ネタをがっつりは書いていないですね。

青木:がっつりは書いてないですね。がっつり書いたことは今まで一回もないです(笑)。

片桐:そんなわけないだろ!(笑) ピン芸人なんだから!

青木:いやいやいや! もう本当に時間がかかるんですよ。

――(笑)。今回、他にも多くのユニットが参戦表明をされていますが、ライバル視している芸人さんはいらっしゃいますか?

青木:実は、私はお笑いの番組を本当に見ていなくて、私の生活の中にお笑いっていうものが十何年、入ってなかったんですよね。なので、仁さんとコントをやらせていただく前にライブとかも見に行ったんです。

片桐:そうなんだ!? どうだった?

青木:みなさん、すごく面白かったです! あと、今、これを見ておきなさいっていう人たちのネタもインターネットで結構見ましたね。だけど、しばらく見てから、もう見ない方がいいなってなったんです。これ以上見て、何を研究するのか、ちょっと分からなくなってしまったので、面白かった! で終わりましたね。

片桐:吉本興業さんの芸人さんみたいに、お客さんの前で100回やってから大会に出る! みたいなことは我々は出来ないんでね。もう、じじいとばばあという見た目しかないので(笑)、そこをポジティブに捉えて、あとは、新鮮さね。

青木:私のママ友がこう言ったんですよ…「絶対『母と母』優勝してね」って。

片桐:「絶対『母と母』優勝してね」って言ったの?

青木:はい。それで私は、「うーん、私はもちろんそうしたい…でも、お笑いに懸ける熱量
、蓄積っていうのは、私は他の人よりも薄いなぁ…」って言ったんですよ。そうしたら、「
でも、しっかりと生きてきたじゃん!面白いに決まっている!」って。

片桐:なるほど、いいこと言う。

青木:「そんなことで戦う必要はない」って、言ったんです。でも、ママ友が言うように戦うんだったら私にはそれしかないなって…一生懸命生きてきた! でも、お笑いは1個も見てない!

片桐:(爆笑)。でも、プレイヤーとして舞台はいろいろやっていますから!

青木:舞台はもちろんやっています(笑)。

片桐:引退していたわけではないですから、本も書いているし。

青木:そうなんです。だから、そこは「お笑い離れていたし…」って、思う必要はないなっていう風に切り替えましたね。

片桐:だから、ライバルって聞かれても当てはまらないというか、自分たちがどうやって楽しめるかが大事なのかなって、思いますよね。ただ、チョコンヌ(チョコレートプラネットとシソンヌのユニット)が参戦するって聞いた時には、こんなの勝ち目ないやって、一瞬で思いましたね。だって、吉本(興業)さんだし、長いことコントやっているし、全員面白いし、なんでも出来ちゃうから。僕たちは、だいたいのことが出来ないんですよ。不器用なんです。

青木:いやいや、仁さんは器用ですよ! 実は、私がなぜ一人だったかっていうと、動かなくても済むからなんですよね。私、動くのがすごく苦手なんですよ。

片桐:何言ってるの! 今、舞台でやってるでしょ?(笑)

青木:いやいやいや、演出家の人に「どこに動けばいいですか?」って聞いて、「はい、3歩進んで、これ言って」って(笑)。本当にそんな感じなんですよ。

片桐:嘘だぁ…。

青木:舞台だと稽古が一カ月くらいあるから、「動けないなぁ…」って言いながら、先輩とか演出家の方に指導してもらって、それでどんどん慣れていくんですけれど、やっぱり動くことってすごく難しくて…。2人でやるとどうしても動かなくちゃいけないので、そこは課題ですね。でも、稽古でなんとでもなるので!

■片桐仁「僕はやっぱり人生を変えたいんですよ!」

――今回、優勝すると賞金1000万円が手に入りますが、何に使いますか?

青木:それをね、この間娘に…って、私、娘とママ友しか喋る人いないみたい(笑)。

片桐:(笑)。

青木:だって、芸人さんから離れてるし!(笑)

片桐:この間、バービーと話してたじゃん!

青木:話していましたけど、「キングオブコント」の話はしないですよ! でも、ザブングルの加藤くんから「ネタ〇〇だね」とか、あと、ゴリけんから「頑張ってね!」とかはありましたけれど、賞金のことは娘が言ってきて、ディズニーランドに行って、ディズニーランドのホテルに泊まりたいって。でも、これってTBSラジオさんの企画だから、賞金1000万円っていっても、手元にいくら入ってくるかは分からないですよね。

片桐:それ言います?(笑) 賞金1000万円なんですから、(「エレ片」ラジオプロデューサーに向かって)それはちゃんと入りますよね?

ラジオプロデューサー:ちょっと分からない…。

片桐:なんでだよ! (それぞれのマネジャーに向かって)事務所の取り分とかあるんですか? 賞金はないですよね?

2人のマネジャー:ちょっと分からない…。

片桐:なんでだよ! きな臭いなぁ!

青木:きな臭いですね。

片桐:でも、100万円でもいいよね!(笑)

青木:100万円でもいいですね!(笑) あと娘は、次の日に「アッコにおまかせ!」(TBS系)に出演するから、その日にある学校のお祭りに来れないねって…言っていましたね。でも娘も、「アッコにおまかせ!」だったらいいかな! って。

片桐:僕は本当に考えてなかったですね。この間、「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」(日本テレビ系)に出演したんですけれど、最後のクイズが惜しくて、めちゃくちゃ悔しい思いをしたんです。その時くらい貰えるっていう気がしたら、具体的に使い道を考えるんですけれど、今回はまだ、予選1回戦もやっていないので(笑)。

青木:たしかに!(笑)

片桐:(笑)。その時は300万円手に入ったら、「アトリエを借りる」って言っていたんですけれど、それを家族が許してくれるかどうかもまだ分からないですからね。

ラジオプロデューサー:「エレ片」のラジオのスポンサーになってくださいよ。

片桐:スポンサー? 今の感じだと、賞金はもう僕のお金じゃないですね(笑)。

――もしかしたらこの企画自体が…。

片桐:まさにそうですね。そうしたら、そうしましょう! アトリエを借りるなんて面白くないですからね!

青木:そうしたら、私も半分出します。そして、たまにラジオに出ます。

片桐:スポンサーになったらいくらでも出演できますからね。青木のコーナーも作ります!

――最後に意気込みをお願いします!

青木:想像がつかないことって人生に起きるんだなって思っていて…なので、もう優勝したいです。やるしかない!

片桐:でも、僕らまだ1本しかコントがないので…。

青木:(笑)。

片桐:でも、勝ち続ければいろいろなコントができますからね。それこそユウキロックさんが「すべてがプロモーションだと思えば、緊張したり、嫌なことだったり、自分が普段やらないことすらもまた別の可能性に繋がっていく」って、仰ってたんですよ。優勝したら、人生変わると思いますから、僕はやっぱり人生を変えたいんですよ!(笑)

青木:人生変わりますよね。「アッコにおまかせ!」に出演できるかもしれないですからね。

片桐:一生出れることがないと思っていた番組だよね! でも、「キングオブコント」に出ればすぐそこに「アッコにおまかせ!」があるんだからね。