本屋大賞受賞作「流浪(るろう)の月」が広瀬すずと松坂桃李のダブル主演、李相日(リ・サンイル)監督で映画化することが決定。2022年の公開に向け、主演2人と李監督、そして原作の凪良ゆうよりコメントが到着した。

「流浪の月」(東京創元社刊)は、2020年に本屋大賞を受賞し、同年の年間ベストセラー1位(日販単行本フィクション部門、トーハン単行本文芸書部門)に輝いた小説。本作で、9歳のときに誘拐事件の“被害女児”となり、広く世間に名前を知られることになった女性・家内更紗(かない さらさ)を広瀬が、その事件の“加害者”とされた当時19歳の大学生・佐伯文(さえき ふみ)を松坂が演じる。

そして、繊細に揺れ動く2人の思いが胸にせまるこの物語を監督するのは、「悪人」(2010年)、「怒り」(2016年)の李監督。先行きの見えないこの世界の片隅に確かにあると信じられる、“魂と魂の未来永劫揺るがない結びつき”を描きたいと意気込む。

広瀬は「怒り」に続く2度目の李監督作品への参加に、「私は毎日なんだか、どこかずっと緊張しています」と胸の内を語った。また、「孤狼の血」(2018年)で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞、「新聞記者」(2019年)で同最優秀主演男優賞を2年連続受賞するなど近年の日本映画界で存在感を放つ松坂は、初の李組参加に向けて「全身全霊でいきます」と丹念に準備を重ねていることを明かした。

■広瀬すずコメント

本当にびっくりしました。でも、いつかまた、李組に参加したいという事は「怒り」以来、ずっと思い続けてきた事でもありました。「この役の気持ちを知ってると思って」と監督に言われたその日から私は毎日なんだか、どこかずっと緊張しています。

私の少しの変化を、誰よりも早く細かく気付かれてしまいます。だからこそ監督の前では絶対嘘がつけないし、ちょっとでも誤魔化そうとするもんなら…想像するだけで…今、監督の前でお芝居するのが怖いです。あ、その緊張ですかね。

松坂さんは、以前ご一緒した現場でとても真面目で大らかな印象を受けました。文を松坂さんが演じると知った時も、なんだかすぐにしっくりくる不思議な雰囲気もあり、今回の役、作品で、ご一緒出来る事はとても楽しみです。

■松坂桃李コメント

李監督とは初めてご一緒しますが、作品を拝見していて、いつかやってみたいとずっと思っていた方でした。正直今は霧の中にいる気分です。ただこの作品に文として参加できる喜びをかみ締めてもいます。全身全霊でいきます。

広瀬さんは成島組以来の再会ですが、肝が据わっていて頼もしさすら感じます。改めてご一緒出来ることほんとうに楽しみです。李組の皆さんと創り上げていきたいです。よろしくお願い致します。

■李相日監督コメント

痛ましい過去を背負った2人の物語なのに、悲壮感が漂わずにどこか浮遊しているような心地良さに包まれました。恋愛、友情、家族愛…名前のつけられない関係がここには存在します。魂と魂の未来永劫揺るがない結びつき。そんなものはこの世界に存在しないのかもしれません。けれど、まずは信じてみる。この物語を信じる。更紗と文、2人の息遣いを信じる。そこから、映画「流浪(るろう)の月」はスタートしました。

「怒り」以来ですが、広瀬すずとは必ずまた映画で再会する。疑いのない確信と、強い願望を常々持ち続けていました。松坂桃李君のこの作品への意気込みには驚嘆するばかりです。身体つきはもちろん髪や体毛の一本一本、皮膚感に到るまで役に向けて丁寧に積み上げていく執念には心が震えます。

2人の眼差しが重なり、互いを慈しむ優しさに溢れた時、自分がどれほど心を奪われるのか…待ち遠しくてなりません。

■原作:凪良ゆうコメント

夢みたいでした。初めての映画化、さらに以前から作品のファンだった李監督に撮っていただけると聞いて、人生ってこんなことがあるんだなあと呆然としたほどです。小説からさらに広がっていく映画「流浪(るろう)の月」が今から楽しみでなりません。

李監督から脚本をいただいたとき、人物への理解の深さに鳥肌が立ちました。原作にはないエピソードを追加しながらも、どこまでも更紗らしく文らしい。どれだけ原作を読み込んでくださったのだろうと、李監督にお任せして本当によかったと改めて確信しています。

広瀬さんも松坂さんも際だった存在感と透明感のあるおふたり。一見静かながら内に渇望を秘めた文と更紗に、どこか通じるものを感じています。おふたりに演じていただくことで、物語に込めた思いがより多くの方に伝わるよう願っています。