音楽のパワーで世代や国籍を超えて夢を追う世界のアスリートたちへエールを送る、音楽とスポーツマンシップの共振をテーマにしたフェス形式のライブイベント「EJ MUSIC DAYS 2021 in 日比谷野音〜夢を追う者たちへ〜」が7月10日、11日に日比谷野外大音楽堂にて開催された。2日間の出演アーティストは、世の中を覆う閉塞感をぶっ飛ばすようなエネルギッシュなパフォーマンスを武器にした“EJ=エンターテインメント・ジャパン”を体現する6組。

DAY1は、デビュー10周年イヤーのBOYS AND MEN、男女混成ダンスボーカルグループのlol-エルオーエル-、そしてDJダイノジという親交の深い3組が揃い、DAY2はライブやメディア等で斬新な活動をし続ける“WACK”のBiSH、BiS、EMPiREの出演と、両日で異なる趣向の“EJ”が繰り広げられた。

今回は当日オンライン配信も行われ、3組のスペシャルコラボレーションステージも披露されたDAY1のレポートをお届けする。

■「EJ MUSIC DAYS 2021」ライブレポート

開演時刻になると、トレードマークである学ラン風の衣装に身を包んだBOYS AND MENがステージに登場。すぐさま7月28日(水)にリリースするシングルの表題曲である、TVアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオンZ』主題歌「ニューチャレンジャー」をアグレッシブなダンスとともに披露し、イベントのプロローグを盛り上げる。

リーダーの水野勝が「雨心配だったけど、みんなの思いが伝わったんだろうね。晴れたよー!」と叫ぶと、メンバー全員で喜びをあらわにする。雨が懸念されたが当日は見事なまでの快晴で、東京は今年いちばんの真夏日だ。「最後まで笑顔で、無事に、楽しいライブにしていきたいと思います」と続けた彼は、「それでは僕たちの仲間と言っても過言ではない、このアーティストに来ていただきましょう!」と晴れやかな声でバトンをlolへつないだ。

■lol、夕暮れをハッピーな空気感で染め上げる

凄みのあるSEで登場したlolの5人は、そのまま「lightning」をオープナーとして観客に届ける。ディープなムード漂うサウンドを次々と物にしていくクールかつセンシュアルなダンスとボーカルは、たちまち会場中の耳目を引いた。女性メンバーがメインを張るポップナンバー「bye bye」では主にラップを担当するhonokaもボーカルを取り、佐藤友祐がラップを担当するシーンもあるなどの遊び心も満載。

メンバー全員が高い歌唱力を持ち合わせてることで、楽曲ごとにボーカルのバリエーションをつけられるのも5人の魅力のひとつだ。「今日ここに来ている人たちはライブが大好きだと思うんです。だから僕らも今日はぶっ倒れる寸前まで、ボイメンに負けないくらい全力で頑張ります!」という佐藤の宣言から「ice cream」。彼がクラップの仕草をすると、客席からたちまちクラップが巻き起こる。

清涼感とエモーショナルの交錯で会場を巻き込んだあと、サンセットタイムにぴったりのミドルチューン「like that!!」で観客の心をくすぐり、続いての「trigger」ではサビでBOYS AND MENの面々がバックダンサーとして登場。異なる個性を持つ2組が交わることで、たくましくもユーモラスなパフォーマンスが実現した。

ライブで初披露となった6月2日にリリースしたばかりのピュアなサマーチューン「sun kissed love」から「perfect summer」とつなげ夏のムードを高めていくと、「簡単な振り付けがあるので、ぜひ一緒に踊ってください!」と呼びかけて「nanana」でフィニッシュ。客席に向けて手を振ったり、コミュニケーションを取りながら同曲を届け、夕暮れをハッピーな空気感で染め上げた。

■DJダイノジとボイメンがコラボ

lol-エルオーエル-からバトンを受け取ったのはDJダイノジ。DJブースについた大谷ノブ彦は「DJと言うよりは宴会芸みたいなものなので、一緒に踊ってくれたり騒いでくれたらうれしいです」とアピールし、相方の大地洋輔&パフォーマー3人とともに会場を盛り上げていく。すると大谷が突然プレイ中に舞台袖に捌け、数秒して連れてきたのはBOYS AND MENの辻本達規。BRADIOの「Spicy Madonna」で辻本が大地とともにエアギターを披露するとより客席の熱は高まっていく。

さらにポルノグラフィティの「ミュージックアワー」のイントロが鳴るや否や、ボイメンメンバー全員が登場。大谷の機材トラブルを咄嗟にフォローしたり、大地とロールダンスをするなど、数曲にわたり2組は抜群のコンビネーションを見せる。だが本来、ボイメンは1曲のみの参加だったそう。大地も「このあと出番控えてるから心配になっちゃうのよ!(笑) がむしゃらだな〜。最高だな!」と彼らの心意気に拍手を送った。SMAPの「Joy!! (red-T remix)」でプレイを締めくくるとあたりはすっかり夜の景色。客席のペンライトがより煌びやかに輝いていた。

大地がDJ風の口調でBOYS AND MENを呼び込むと、黒い学ラン風の衣装に身を包んだ8人が登場。のっけから「帆を上げろ!」「D.T.G.」とテンションが振り切れるほどエネルギッシュな楽曲を畳みかける。喜劇風のパフォーマンスを織り交ぜるダンスは、さすが生粋のエンターテイナーとしか言いようがない。

■木梨憲武がまさかの登場

「がむしゃらロケンロー」では観客にタオルを回すよう促し、荒々しくもユニークな煽りを盛り込みながら客席との親睦を深めてゆく。

と思いきや、曲の終盤で突然ステージに木梨憲武が登場。どうやらこの日の朝、木梨のレギュラーラジオ「土曜朝6時 #木梨の会。」に水野と辻本がゲスト出演した際、このイベントの話をしたことで急遽木梨が遊びに来たとのことだ。「次にBLUE HEARTSさんの『TRAIN-TRAIN』を歌うんで、一緒に参加してもらってもいいですか?」という水野の提案で、木梨を加えた9人で同曲をパフォーマンス。サビで全員が次々とジャンプをし、木梨は途中「(昼に食べた)メシが(口から)出る!」と悲痛な叫びを上げながらもラストまで走り切った。

メンバー全員で木梨を見送ったあとは、「どんだけ暑くても汗かいて、明日から頑張ろう!という元気をみんなに届けていきますので、みんなも前のめりで参加してね! マスクをしていてもみんなの表情わかるよ!」という水野の呼びかけから、メンバーも次々に観客へ語り掛けて「まえのめりMinority」へ。

観客も彼らの熱演と言葉に応えるように、時間が共有できる喜びをジャンプや身振り手振りで示す。それらを受け取ったメンバーたちは続いての「炎・天下奪取」ではさらに熱量を高めていく。声を出せない観客が抱えるもどかしさまですべて引き受けるような真剣な眼差しと一挙手一投足は、鬼気迫るものがあった。

「服が汗吸いすぎてすっごい重たい!」「でもそれが野音だよな!」と真夏の野外ステージでのライブの醍醐味を噛みしめるメンバーたち。休憩を兼ねて数十秒談笑すると、lol-エルオーエル-の面々をステージへと呼びこみ、総勢13人で「ニューチャレンジャー」を1コーラス披露。佐藤が「普段あまり踊らないタイプのダンスだから不安」と笑わせたが、その言葉を覆すかのごとくlolのメンバー全員がボイメンに負けず劣らずの全力っぷりを見せつけた。

「完璧じゃん!」とボイメンからダンスを褒められたmocaは「すっごい疲れる!」と息を切らし、hibikiも「実際踊ってみるとけっこうしんどくて、(ボイメンに)ちょっと尊敬の気持ちが芽生えました」と会場を笑わせた。

「lolとダイノジさんとは、6、7年前から名古屋でご一緒することが多くて。でも今日こうして名古屋で培ってきた関係性を野音に持ってこれたので、すごく楽しかった」と水野が感慨深い表情で話すと、全員が同じ面持ちで頷く。そのあたたかい空気感に、客席からは祝福の拍手が起こった。

lolがステージから去るとボイメンのアクトも終盤戦。「進化理論」「ZOKKON!」「粋やがれ」と様々な趣向のポップスを届けたあと、水野は「EJ MUSIC DAYS」のテーマが「夢」であることに触れた。「僕らは11年夢を描いて、名古屋ドーム(での単独ライブ)、レコード大賞(2016年の新人賞受賞)、いろんなことを叶えてきました。夢というものは周りの人に感謝しながら、周りの人と叶えていくものなんじゃないかなと思います。あと、一生懸命汗かいて全力でぶつかれば伝わるものがあると思います。エンターテインメント業界、苦しい状況が続いています。どんなに苦しくても、諦めずに頑張っていきましょう」と彼が真摯に訴えると、彼らがラストに披露したのは「Oh Yeah」。10年続いたグループの芯の強さを感じさせる、燃え上がるような歌声が野音中に響き渡った。

最後に再びlolとDJダイノジがステージに現れ、全員でボイメン風「YOUNG MAN」の「ヤングマン〜B.M.C.A.〜」をパフォーマンス。華やかなムードでこの日のフィナーレを迎えた。

すべてのプログラムを終え、lolの小見山直人は「みなさん本当にあたたかくて、最高の思い出になりました」、ダイノジの大谷は「久し振りのステージ、エネルギー頂きました!」と喜びを語り、ボイメンの「明日からも元気に頑張っていきましょう!」という言葉とともにDAY1の幕を閉じた。

このライブの模様は18日(日)夜11:59までアーカイブ配信中。

文=沖さやこ