清原果耶がヒロインを務める連続テレビ小説「おかえりモネ」(毎週月〜土曜朝8:00-8:15ほか、NHK総合ほか※土曜は月〜金曜の振り返り)。7月19日(月)放送の第46回から、百音(清原)は気象にまつわる仕事に就くため上京する。新章スタートを前に、百音(清原)の背中を押した愛すべき地元の仲間たちを振り返る。
■りょーちん(永瀬廉)の涙に反響…

ここまでの「おかえりモネ」で最も注目を集めたのは、百音の幼なじみ・亮(永瀬廉)とその父・新次(浅野忠信)をめぐるエピソード。“りょーちん”こと亮は第6回(5月24日放送)で初登場。茶髪のイケメン漁師ぶりでさっそく視聴者を沸かせた。

だがその後は、亮が少しずつ過去の心の傷を見せていく展開に。第36回(7月5日放送)では船室で母・美波(坂井真紀)の写真を見ながら涙を流し、第38・39回(7月7日・8日放送)では、震災で負った心の傷から立ち直れずにいる父への複雑な思いを吐露。見る者の涙を誘った。

新次の心は、家と、船と、最愛の妻・美波を失ったあの日のまま。そんな新次に亮は「メカジキ50本挙げて(獲って)、祝杯上げてぇけど!俺、誕生日まだだから酒も飲めねえし」と絶叫。「一杯飲みながら、一緒に親バカだなぁって言い合える美波がいない」と子供のように泣きじゃくる新次に、もどかしさを募らせた。

だが、亮は立ち止まったままではいなかった。未知(蒔田彩珠)や明日美(恒松祐里)、三生(前田航基)らの前で亮が涙を浮かべ、「俺は、親父とは違うから。俺らは俺らの好き勝手やって生きていく」と前を向く姿には、感動の声が上がった。

震災で「何もできなかった」という思いを抱え、空虚な表情で島を出た百音にとっても、亮の言葉は力となっただろう。百音が「気象はね、未来がわかるんだよ」「この仕事で誰かを守ることができるなら、私は全力でやってみたい」と東京行きを決心したその背景には、おそらく亮がいる。百音の成長と並行して、亮をはじめ幼なじみたちの人生にも注目したい。


■菅波、サヤカ…百音の成長を後押しした人々

震災当日に地元・気仙沼にいなかったことがカセになり、一歩も前に進めなくなった百音を変えたのが、高校卒業したての百音を受け入れた登米の人々だった。

登米の名士で“山主”、百音を下宿させる新田サヤカ(夏木マリ)は、実に懐の深い人物。山や木が、地元の人々にとってどんな存在かを教えたのもサヤカだ。

第33回では、樹齢300年のヒバについて「あの木は、人々の暮らしを守る最後の砦」と語り、「私は自分も、この土地を守るのが自分の役目だって思って生きてきたのよ」と打ち明けた。第43回(7月14日放送)で見せた、ヒバの伐採作業を見届ける寂しげな背中は、それだけで胸を打つ。

そんなサヤカは、百音の気象への興味が「気象予報士として働きたい」という夢に変わっていったこともお見通し。東京へ行きたいと思い始めた百音のうしろめたさを見破り、第44回(7月15日放送)で「行きなさい、自分の思う方へ」と百音の背中を押す場面は、ヒロインの旅立ちを彩る名シーンだ。

いつも明るく百音を盛り立て、山の知識を教えてくれたのが、翔洋(浜野謙太)や川久保(でんでん)ら森林組合の仲間たち。林業の体験学習を通じて「気象は命を守る仕事」と知った第2週や、百音が森林組合の一員として学童机開発に打ち込んだ第5週も印象深い。

そして、百音にとっての大きな出会いの一つが、登米の診療所の医師・菅波(坂口健太郎)。第1週ではドライで不愛想に描かれていた菅波だが、徐々に態度が軟化。第23回(6月16日放送)では、気象予報士の勉強を始めた百音に雨の原理を説明し、おそらく初めて百音に笑いかける場面もあった。

百音はともかく、菅波の方は少しずつ百音を意識し始めているフシも。今後、東京での生活を始める百音と、登米と東京を1週間おきに行き来する菅波とが新たな関係を築いていくかどうかも期待したいところだ。


■百音と対照的な未知の人生にも注目

そんな百音の帰る場所はいつも、気仙沼に住む家族。心配性なほどに百音を心配する父・耕治(内野聖陽)と、百音を信じてどんな選択も応援してくれる母・亜哉子(鈴木京香)。気仙沼のカッコいい現役漁師として活躍中の祖父・龍己(藤竜也)。

そして、百音とは対照的に早い段階でゆるぎない夢を持ち、その夢のためさっさと高卒で就職を決めた妹・未知。第18回では、未知が種ガキづくりの研究に打ち込むあまり家族と衝突するシーンも話題を呼んだ。

本気で気仙沼のカキ養殖業のため研究に取り組む未知と、夢だけでは語れない被災地の復興状況。龍己に「たかが高校生の自由研究」と言われ「バカにしないでよ!」と嚙みついた未知に耕治が「申し訳ないけど、今、未知の夢にまでは手が回らない」と諭す展開は圧倒的な現実味を帯びていて、「おかえりモネ」というドラマが奥行きを増した瞬間だった。今後も折に触れて描かれていくであろう未知の人生にも注目が集まる。

さまざまな人々の愛情と助けを得て、自分で育てた夢を抱えて東京へとやってきた百音。第10週「気象予報は誰のため?」(第46〜50回/7月19日[月]〜23[金])では、今までとは全く違う世界が彼女を出迎える。

上京した百音は、下宿先の大家・井上菜津(マイコ)に温かく迎えられる。初めての東京に圧倒されていた百音だったが、菜津の優しく朗らかな人柄にほっとする。

入社面接の前に下見をしようと、朝岡(西島秀俊)がいる気象情報会社を訪れ、登米で出会った野坂(森田望智)と内田(清水尋也)に再会する。喜ぶ百音だったが、なぜか鬼気迫るようすの野坂たちに、突然テレビ局へ連れていかれてしまう。