日本のみならず、今や世界中で愛されている大人気コミック「鬼滅の刃」。同作を原作とした舞台「鬼滅の刃」の第2弾が、8月に東京・大阪で上演される。

初演が上演されたのは、2020年1月〜2月のこと。約1年半ぶり、待望の続編となる今回は、“柱”の面々も勢ぞろいし物語はさらに濃厚に! 竈門炭治郎を演じる小林亮太と冨岡義勇を演じる本田礼生、初演に引き続き出演する2人に意気込みを聞いた。

――まずは初演を振り返って、どんな手ごたえや反響がありましたか?

本田 稽古が始まったときには、「すごい話題作に出演している」がみんなの共通認識になっていました(笑)。稽古の時点でみんなが強い責任感を持っていたことを覚えています。

小林 上演中も大きな反響がありましたが、終わってからも至るところで「炭治郎を演じていたんだよね」と声を掛けていただくことが多かったです。ありがたい反面、今回は皆さんの期待もより大きくなっていると思いますし…ドキドキです(笑)。

■小林は「姿勢から何から炭治郎」
――お2人が初演で印象に残っているシーンというのは?

小林 炭治郎は出ずっぱりだったので、どこも印象深いのですが…楽曲も含めてなら、鼓屋敷で響凱と戦うシーン。最後に気力をもう一段階上げなければならないところなのですが、「頑張れ炭治郎」の名ぜりふを舞台では歌にしていて、僕自身あの歌に支えられました。響凱を演じてくださった高木トモユキさん(本役は鱗滝左近次)にも助けていただきましたね。舞台「鬼滅の刃」は、本役があるキャストも黒子としてセットを動かしたりしていたんですよ。“全員野球”で取り組んだ初演だったので、そこも含めて印象深いです。

本田 僕は1幕のラストですね。無惨の歌からの流れは、「これが舞台『鬼滅の刃』だ!」感がありました。(脚本・演出の)末満(健一)さんの意志も感じましたし、演者の“圧”もありましたし。幕が閉まったあとのザワザワ感もすごく覚えています。

小林 そうそう! 初演は特に「歌うんだ!」という驚きもあったと思いますし、「ああ、エンタメだな!」というザワザワ感がありましたよね。

――お互いを「炭治郎っぽいな」「義勇さんっぽいな」と感じるところはありますか?

本田 亮太は姿勢から何から炭治郎ですよ! 一番それを感じたのは、本番中、舞台袖にハケてきた亮太に「頑張ろうね」と声を掛けたら、疲れ切って瀕死の状態なのに微笑みを返してくれたとき(笑)。「ああ、炭治郎だな!」と思って、すごく覚えています。

小林 あはは(笑)。袖ではキャストもスタッフさんも本当に優しくて。苦しいところだったので、背中をポンと叩いてくれたり、声を掛けていただいたりする一つ一つが本当にうれしかったんです。だから微笑みで反応したんだと思います(笑)。

――ちなみに…小林さんはおにぎり作りはお得意ですか?

小林 たまに作ります(笑)。料理は好きです! 得意料理はスープカレー。

本田 オシャレだね!

小林 煮物とかも作ります。出汁を取るのが好きなんですよ。スープカレーも出汁を取るのが楽しくて…手羽元を買ってきて、玉ねぎなどと煮込んでからカレー粉で整えるっていう。みそ汁も好きです。…あれ、何の話でしたっけ?(笑)

本田 でも、炭治郎も出汁を取りそうなイメージはあるかも(笑)。

小林 (笑)

■本田の内面にたぎる“義勇らしさ”
――小林さんから見て、本田さんが「義勇さんっぽいな」と感じるところはありますか?

小林 静かに、内面に情熱をたぎらせているところです!

本田 俺、静かじゃなくない?(笑)

小林 仲良くなるとしゃべってくれるんですけど、初対面だと物静かな印象を受けるかなって。

本田 確かに! めちゃめちゃ人見知りで、できるだけ人に会いたくない(笑)。

小林 礼生くんと最初にちゃんと話したのは、初演の稽古が始まる前の取材でしたよね。お互い人見知りだから、ドキドキした記憶があります(笑)。でも、お芝居のとき、内面に渦巻いているものは義勇さんに近いと思います。物語が進む中で義勇さんは印象が変わるキャラクターだと思うのですが、礼生くんが似ている部分は、そんな義勇さんの印象の中でも一貫して変わらないところじゃないかな、と。

――仲良くなったきっかけは何かあるのですか?

本田 稽古を経て仲良くなったよね。一緒のシーンも多かったですし。

小林 礼生くん、兵庫公演にゲームを持ってきていましたよね?

本田 ゲームは常に持ち歩いてる(笑)。

小林 楽屋でみんなでゲームをしていて。僕はゲームがあまり得意じゃないので見守っていたのですが、「かわいいなぁ、ほほえましいなぁ」って思ってました。先輩ですけど(笑)。

本田 大人な後輩だなぁ(笑)。

■2.5次元舞台でも“答え合わせ”にならないように
――お2人は2.5次元舞台の人気作にも多く出演されていますが、マンガのキャラクターを舞台上で表現するために、心掛けていることなどはありますか?

本田 “答え合わせ”にならないように、というのは常々意識しています。「こういうキャラクターで合ってますよね?」と確認するようなお芝居にならないように、常に意識しています。

「こういうことを言う人だから、こういう風に見えないといけない」と意識だけしておいて、あとはそのセリフが自然に出るまで突き詰めます。芝居として立ったときに、考えたらダメだと思っていて。それは2.5次元舞台に限った話ではありませんが、役として自然に出てくるかどうかですよね。2.5次元舞台は特に、細切れの情報が多いんです。たとえば義勇なら「クールな性格で、こういう立ち方をする」といったように…。それを頭で考えるのではなく、自然と“そうなれる”ようにするのがコツかなと。

――表面をなぞるのではなく、役を自分の中に落とし込むということですね。

小林 僕もそうですね。“その人物として生きる”ことが一番難しいですが、一番やりたいことでもあって、それはどんな作品でも変わりません。初演は小林亮太として炭治郎を演じるならどうするか、と真っすぐに向かっていきましたが、今回の続編では皆さんの中にある“竈門炭治郎”のイメージに寄り添うことも心掛けたいなと思っています。

――多くの人から愛されている「鬼滅の刃」ですが、舞台版ならではの面白さはどこにあると思いますか?

小林 生身の人間が、つらい中でも懸命に生きているリアルな姿をお見せできるところです。僕は「鬼滅の刃」は人間の心の物語だと思っているのですが、舞台では“つらくても頑張る姿勢”が演技にも出ますから。

それから、ミュージカルではないものの、歌も舞台ならではの魅力ではないでしょうか。僕はあまり歌が得意ではないので、クオリティーを上げていきたいですね。もっと努力をしていかないと。歌を舞台ならではの強みにして、「歌があって良かった」と思っていただけるような作品にしたいです。

本田 確かに楽曲の強みはあるよね。その上で、僕はシンプルに“演劇であること”が舞台の強みだと思ってます。目の前でキャラクターが生きているすごさというか…。例えば想定外のハプニングが起きてしまったとしても、物語は進んでいく。僕らサイドからするとハプニングはあってはならないものですが、そういうリアリティーのある生々しさは、やはり舞台の魅力の一つじゃないかなと思います。

■初演からバトンをつなぎ、待望の続編上演へ!
――それでは最後に、続編に向けた意気込みを教えてください!

小林 初演にも増して「鬼滅の刃」という作品の魅力が濃いところへ進むと思うので、丁寧に演じていきたいですね。

本田 今回は“柱”が全員そろうということもあって、末満さんの演出がいい意味で派手になる予感がします! 見せどころが多過ぎて、公演時間が読めません(笑)。それから、義勇としては“バトンをつなぐ”ことを意識したいです。義勇のポジションの本質はそこにあると、僕は思っています。

小林 こうして2作目ができるのも、初演があってこそですもんね。初演のキャストやスタッフさんの思いもつないでいきたいなと思います。こんな時期ではありますが、舞台「鬼滅の刃」という作品があることをもっと多くの方に知っていただきたいですし、納得していただけるものを作り上げていきたいと思います。