今年も「キングオブコント2021」がスタートし、「M-1グランプリ2021」のエントリーが開始。芸人たちの人生が変わるかもしれない、“賞レース”の季節が近づいてきた。2020年に、「R-1ぐらんぷり2020」(今年から『R-1グランプリ』に名称変更)で野田クリスタルが優勝、「M-1グランプリ2020」にコンビで優勝し、二冠保持者となったマヂカルラブリー。その後の活躍はめざましい限りだ。そんな2人が狙うと公言している「キングオブコント2021」での三冠達成。漫才現王者の彼らが考える、賞レースやコントの作り方について聞いた。

■漫才かそうじゃないか論争、その先へ…

――実は、写真撮影で持っていただいた、傘がついた水鉄砲は、攻めと守りのどちらもできるアイテムなんです。トリッキーな雰囲気が、お2人のイメージと重なる気がしたのですが…。

野田クリスタル:「攻めと守り…それは、BLですか?」

村上:「それはBL的な意味で、ということですか?」

――違います!(笑)

野田:「えっ、『BLジョン』じゃないんですか? てれびーえるじょん?」

――違います。ザテレビジョンです。お2人といえば、攻めているイメージが強いですが、“守り”については意識していますか?

村上:「テレビに出るときは、だいたい守っていると思います。炎上しないように、何とかやってる気がしますけどね」

野田:「そうですね、炎上しそうなものが大嫌いですから。むしろ、炎上しそうな人をつかまえて“てめぇ、何言ってるんだ”と炎上をたきつける側です。そういう意味では、攻めかもしれません。薪をくべて、どんどん燃やしていく方なので」

――「M-1」後、期せずして「漫才とは」論争の主役になっていましたよね。

野田:「『M-1』は“優勝しないことには”という思いがあったので、そこは攻めていこうという気持ちが確かにありました。本番当日に決めたことも多かったですし、あの日はかかっていた(競馬用語で暴走気味な状態を意味する)かもしれないですね」

――登場時、土下座でせり上がってきたことも、当日に決めたのでしょうか?

野田:「そうですね、あそこはみんな震えたと思います(笑)」

――村上さんは、あの論争をどう感じていたんですか?

村上:「燃えないように、燃えないように、何とか嫌われないようにと、ずっと防御姿勢でいました(笑)。『笑いも分かんねえゴミどもが、ネタのことを言ってくんじゃねえよ!』と言っちゃってヒールになれば良かったのか、『皆さんのお好きなように取っていただければ』というスタンスで正解なのか…。僕としては、ポーズ的には防御姿勢に見えるので、後者でいこうと。実際は、後者のほうがひどいことを言っているんですけどね(笑)」

野田:「“お好きなように捉えてください”というスタンスは、基本的には相手にしていないということですから」

村上:「あの件に関して、感情があまり動いてない証ですよね」

――おいでやす小田さんは、野田さんから「漫才論争に関して、“お前らも叩かれろ”と言われた」と言っていました。

野田:「そうですね、小田さんはもうちょっと叩かれてもいいと思います」

村上:「うるさいですもんねー。テレビで見ていても、イヤだなーって思います(笑)」

野田:「耳に良くないですし、子供がマネしたらいけませんし、こがけんさんに冷たいし、BL感もないし(笑)」

村上:「僕ら、こがけんさんが好きなので(笑)」

■コントはコントで、楽しく作っています

――そんなこともありつつ…いよいよ「キングオブコント」が迫ってきました。コントの作り方は、ここ最近で変化はありましたか?

野田:「ありません。コントはコントで、楽しく作っています」

――漫才の作り方は、野田さんが体を動かし、それを見ている村上さんが笑ったら採用される、と聞きました。

野田:「 “こういう動きでやってくよ”と見せていって、村上に伝える…というか同じ終着点が見えていたら、作っていく形です」

――コントも同じ作り方なんでしょうか?

野田:「そうですね。でも最近は、終着点が見えているものしか持ち出さない気がします。村上から“どういうこと?”と聞かれることは、もうあまりないかな」

村上:村上「うん、途中で詰まって“やっぱりこれ、やめようか”となる事態は、ほぼなくなったよね。昔はたまにあったけど」

野田:「根本的に、ネタ合わせのコツをつかんだんだと思う。ネタ合わせは、長引かないほうがいいなと。長引くと疲れるから、一瞬で終わってほしい(笑)」

――そうやって作ったコントを武器に、「キングオブコント」へ殴り込むわけですね。

野田:「『キングオブコント』は賞レースですけど、僕らとしては楽しいんですよ。ナメているように聞こえるかもしれませんが、純粋に楽しみ」

村上:「そうですね、もう食えない時期は脱したので」

野田:「『キングオブコント』に、生活がかかっていないから」

村上:「現状では、趣味です。“趣味:『キングオブコント』”です(笑)」

野田:「リタイア後に漫画家になって、毎年自分が面白いと思う漫画を描く、みたいな感覚です。でも“賞レースが楽しみ”というスタンスで臨めるのは、今までで初めてのことじゃないかな」

村上:「“絶対に獲らなきゃ”という強い焦りは、ないですね」

――…そんな二人に聞いていいのかわかりませんが、「キングオブコント」への意気込みをお願いします。

野田:「死んでも優勝します! 背中すら見せません! 見とけよ、コント師ども!」

村上:「僕はニコニコ穏やかに、やらせてもらえたらと思います」

野田:「いやいや、俺たちがコントを終わらせます!(笑)」