個性的な役柄を唯一無二のキャラクターで演じ、人気を集める俳優・本郷奏多。そんな本郷が妖怪“天の邪鬼(じゃく)”を演じ、キャリアの中でも異彩を放つ作品がNHK総合で放送される。

2020年にNHK BSプレミアムで放送された「大江戸もののけ物語」。人情時代劇であり、妖怪ファンタジーであり、バディドラマでもある同作が、全7話に再編集されて9月11日(土)から放送となる(毎週土曜夜6:05-6:43、NHK総合※9月18日は休止)。

本郷が演じるのは、廃屋に放置された火焔(かえん)型土器から現れた妖怪・天の邪鬼。機知に富み、千里眼の力を持つ一方、事実と反対のことしか言えないひねくれ者、というなかなかクセの強いキャラクターだ。記憶を土器に封じ込められ、当初は人間に対し不信感を持っていた天の邪鬼が、心優しい旗本次男坊・新海一馬(岡田健史)と出会い、一馬との交流を通じて自身の運命に立ち向かっていく。

妖(あやかし)と人間のファンタジックな交流を通じて2人の成長を印象的に描く同作。知の巨匠・荒俣宏氏の妖怪監修のもと、さまざまな妖怪も登場するユニークな時代劇だ。

本郷はこれまで、かなりクセの強いキャラクターを演じてきた。映画「GANTZ」(2011年)の西丈一郎や「進撃の巨人」(2015年)のアルミン、「鋼の錬金術師」(2017年)のエンヴィー、「キングダム」(2019年)の成キョウ、ドラマ「アカギ」(2015年)の主人公・赤木しげるなど、コミック原作作品の映像化作品も多い。

そして、映画ファンだけでなく原作ファンからも「原作から飛び出してきたかのよう」「目つきも雰囲気も完璧!」「あまりの再現度に吹いた」と絶賛されている。根底にあるのは原作への深いリスペクトと、どんなにクセの強いキャラクターにも徹底的に寄り添い、徹底的に魅力を追求する観察力と研究熱心さだ。

■大河ドラマ「麒麟がくる」では若く美しき関白を好演

その一方で、オリジナル作品でも演技力を遺憾なく発揮している。大河ドラマ初出演となった「麒麟がくる」(2020年)では、時代に板挟みにされる若き関白・近衛前久の苦悩を繊細に表現。美しい直衣姿も話題を呼んだ。また、現在Huluで配信中の「君と世界が終わる日に Season2」では、極限状態にある世界で組織を支えようと最善を尽くすリーダー・秋吉蓮を好演している。

不思議な力を持っていたり、性格が強烈だったり、あり得ない状況に身を置いていたり…そんな非現実的なキャラクターを細部にいたるまで全身で体現し、あたかも実在するかのようなリアリティーを持って演じることができるのが、本郷奏多という俳優の魅力だ。

「大江戸もののけ物語」放送時のインタビューでは、本郷自身も同作について「実在しないものを作り上げていく面白さがあります。純粋に現実で体験できないことを、全力で体感できるのが楽しいですね」とコメントしている。本郷が全力で演じる“天の邪鬼”のリアリティーに注目だ。