声優・麻倉ももが、ニューシングル「ピンキーフック」を8月18日(水)にリリースする。表題曲は放送中のTVアニメ『カノジョも彼女』のエンディングテーマで、アニメとリンクするような恋に翻弄される気持ちをキュートに歌ったナンバーだ。これまでポップチューンからバラードナンバーまで、さまざまな曲調に乗せて恋愛を歌ってきた麻倉だが、今作はグルーヴィなサウンドに早口な歌詞が乗るという、また新たな曲調に挑んだ。

「最初聴いたときは、今までの私の曲にはないジャンルで、“おしゃれな曲だ!”と思いました。候補曲として2曲いただいたので、その2曲をループして聴いているうちにクセになっていって。気がついたら、こっちの曲のほうが再生回数が多くなっていました。ただ……今までにない曲調だったこともあって、レコーディングに臨む前は結構不安だったんです。いつもは自分の中で歌い方をある程度固めてレコーディングに臨むんですけど、今回は自分の中で正解が見つからなくて、レコーディングのときに『まだ見えてないんですよね』と言ったのを覚えています。“早口だし、台詞っぽい歌詞なので、囁くように歌ったほうがいいのかな”とか、“元気よく声を張ったほうがいいのかな”とか、いろいろ試していくうちに、今のテンションに辿り着きました。録り終えた後にはプロデューサーに『こういう曲、合ってるよ』と言われて、自信にもなりましたね。作詞・作曲をしてくださったのが、「Agapanthus」でもご一緒した渡辺翔さんで、たぶん(渡辺さんが)私の声質とかも考慮して作ってくださったんだと思うんです。だから歌っていて気持ちよかったし、自分の出したい部分が全部出せた感覚があって、すごく満足しています」

言葉選びもユニークな「ピンキーフック」。中でも特に好きな歌詞は?

「2番の<相性も合いそう/でも気にして言うの>です。内容というよりも、歌っていて気持ちのいい箇所で。この曲のテンポだと、特に“さ行”が気持ちいいんですよ。1番の<想い?重い?主に愛情>の、韻を踏んでいるところも好き。この曲は、聴いていても楽しいけど、何よりも歌っていて気持ちいい曲です。ミュージックビデオでは衣装やメイクの違う“4人の麻倉もも”を演じました。妹系だったり、クール系だったり。むしろスタンダードな私はいないかも(笑)。衣装に合わせて表情も変えているので、ミュージックビデオも楽しんでもらえたらうれしいです」

■ソロ名義でのアーティスト活動5周年
一方、カップリング「ふたりシグナル」は社会人になりすれ違いが増えた恋人を、ノスタルジックに歌い上げた1曲。ポップで明るい歌声を聴かせる表題曲、切ない歌声をしっとりと聴かせるカップリング曲と、シングルの中でさまざまな表情を自在に見せる。今年でソロ名義でのアーティスト活動5周年を迎える麻倉は、この5年で、表現したいものを自在に作り上げられるようになったと言う。

「私は普段あまり音楽を聴かないということもあって、好きな音楽がどういうものか自分であんまりわからないままソロ活動をスタートさせたんです。その後に声変わりで歌えなくなってしまった時期もあって……。そんな時期を経て、今は“こういうふうに歌えばこう聞こえるんだ”っていう知識も付いたし、いろいろな曲を歌わせていただく中で、自分の中でやりたいものがわかるようになってきました。5年間の中で今が一番安定期って感じです」

■これまでにリリースイベントを多く開催していた理由
5年間、麻倉を支えてきたのはファンの存在。大きな会場でのライブももちろんだが、リリースイベントのような小規模なイベントも好きな麻倉にとって、コロナ禍で思うようにイベントを行うことのできない現状は寂しいようだ。

「コロナ禍を経て、より繋がりを感じたいと思うようになりました。大きな会場でイベントをするのももちろん素敵でありがたいことだけど、一人ひとりの顔や表情から感じるものもすごく大切で。オンラインでもいいので、今年はもう少し小規模なイベントや、一人ひとりとコミュニケーションを取る機会を増やしていけたらいいなと思っています。私はアットホームな空間が好きなので、リリースイベントも多く開催していたんですよ。いろんなところに応援してくれる人がいるということや、どんな人に応援してもらっているのか、私のパフォーマンスをどんな表情や仕草で観ているのかを、肌で知ることができるから。この温かい空間を作ってくれる人たちがどんな人かを知ることで、もっと喜ばせてあげたいという気持ちになるんですよ。それができない今、すごく寂しいです」

ファンとの距離を大切にする麻倉。そんな彼女が感じる、“ファンが求める麻倉もも”像は5年間で変化しているのだろうか?

「昔はかわいい中にあるクールさとか、ギャップを求められているのかなと思っていたのですが、最近はやりたいことをやっている私の姿を喜んでくれている印象です。私自身も年齢や経験を重ねていく中で、自分の芯のようなものが出来上がっていって、その芯さえブレなければある程度好きなことができるんだってことに最近気づき始めて。自由度が上がって楽しいなと思っているんです。だから私は私で好きなことをして、そんな私の姿をファンの方が楽しんでくれて……ってお互いがお互いを幸せにしていけたらいいなと思っています」

■変化を恐れずに新たなことへの挑戦
最後に、「今が安定期」だという5周年を迎える今年、そして今後の目標を聞くと。

「曲で言うと、最近は大人っぽい曲が多いので、このあたりで初期に歌っていたようなめちゃめちゃポップなかわいらしい曲も歌いたいなと思っています。安定していることはいいことだけど、安定だけじゃいけない。今後は殻を破って新たなことにも挑戦して、いろんな自分を見せていきたいです。特に今年はソロ活動5周年イヤーなので、今までやってないこともやってみたいな。絶賛考え中なのですが、皆さんを驚かせられたらいいなと思っています」

(取材・文/小林千絵)