即席ユニットでの参加が解禁され、数々のユニットが名乗りを上げている「キングオブコント2021」。このたび、WEBザテレビジョンでは、7月16日に行われた予選1回戦直前のインタビューに引き続き、8月13日に行われた準々決勝へ参戦した片桐仁と青木さやかによるユニット「母と母」にインタビュー。前編では数々の映像作品・舞台への出演経歴、芸人としての芸歴を持ちながらも緊張の中、予選を突破した現在の気持ちや稽古中の知られざるエピソードを、後編では2人をサポートするエレキコミックへの思い、準々決勝への意気込みなどを語ってもらった。さらに、「母と母」のネタの演出を務めるやついいちろうにも直撃。

ユニット「母と母」は、片桐がエレキコミックと共にパーソナリティーを務めるTBSラジオ「エレ片のケツビ!」(毎週土曜夜1:00-2:00)内で行われた企画「KOC決勝への道」から誕生。

■片桐「青木の面白いところをより出す」

――準々決勝進出おめでとうございます!2回予選を突破した今のお気持ちをお願いします。

片桐仁(以下、片桐):準々決勝が間近に迫っているので、予選を突破したあの時の喜びは今は無いですね(笑)。でも、やるしかないな! と思っています。青木も出来上がってきて…“コントの化け物”にだんだんなってきていますからね。今回は完全にキャラクターコントです。ボケ(青木)、ツッコミ(片桐)で、何の衒(てら)いもないオーソドックスな、年齢ののったボケをかましていきたいと思っています。

青木さやか(以下、青木):必死にやるしかない! というところですね。今回のコントでも一回、エレキコミックさんのイベントに出演せていただいて、仁さんとお客さんの前に立ったんですけれど、その時の動画を自分で見ても、とても面白いです。

片桐:エレキコミックのイベントが土曜日(8月7日)でね。そこから、今日(8月10日)の稽古で半分くらいネタが変わって…ウケなかったところを変えたり、青木の面白いところをより出すという感じでやっていますね。

■準々決勝では“青木ショー”が開幕

――準々決勝からはネタ時間が5分となり、予選のおよそ倍となりますがいかがですか?

片桐:台本が2枚なので、倍になったという感じはないよね(笑)。

青木:言葉の分量としてはそんなに無いですよね。

片桐:今回のネタは、“たっぷり間を使うことができるか”というトライですね。ちょっとのニュアンスで面白いか、面白くないかが分かれるので、やつい(いちろう)からも「急ぐと面白くない」という熱血指導が入りました。ただ、“青木さやかの異常性”というか…ボケとしての純度が上がってきて、なかなか無いネタだと思いますね。今回のネタの設定は青木が考えたんですよ。

――もしかしてラジオで仰っていた「登山」の…?

片桐:そうです! 「登山」という設定がギリギリ残っています。

青木:「登山」という設定を思いついたのも、登山の装備があったのと、登山って気持ちよさそうに見えるので、良いかな? と思ったからなのですが、全くその装備は使わずに…。

片桐:青木が登山の服装だと変だな? って、なったんですよね。(コントは)僕が山に登ってきて、青木に出会うという内容なんですけれど、そこからは“青木ショー”です! 僕は青木のボケに対して的確なツッコミというか、返しをしていくので、がっつり台本というよりは、その時々の青木の面白さを端的に答えなきゃいけないなと思っています。

青木:ネタを披露している動画を見直して感じたのですが、私がやっていることは本当に突飛なので、仁さんのツッコミでお客さんから笑いが起きている感じですよね。

片桐:本人は普通だと思ってるんだよね。でも、一般的に見たらおかしい人に見えちゃうっていう…僕の立場は“お客さんの代弁者”みたいなところもありますからね。

青木:仁さんは元々は?

片桐:僕は元々ツッコミですからね。ラーメンズの初期に漫才をやっていた20年くらい前はそうだったんですよ。でも、本当に今回のネタは難しいなと思っていて…「この瞬間」の「この人」をどう言ったら端的かな、無駄が少ないかなって。もちろん芝居もするんですけれど、1回お客さんの前でやってみたら、ちゃんと言葉にしないと笑いの量がこないのかなって思ったんです。

青木:それって、瞬時に出てくる感覚ですか?

片桐:両方だと思いますね。台本の面白さとして言わなきゃいけない部分もあるけれど、その場で浮かび上がった面白さを、お客さんが気づいたことを代弁して言わなきゃいけないのかなって。でも、僕はそんなに万能じゃないから、どうしようかな…って悩んでいるんですけれどね。

青木:お客さんは仁さんの目線でコントを見るっていう感じですよね。

■青木「寝ても覚めてもある」

――参戦表明をした際も周囲の反響がありましたが、準々決勝へ進出となり、周囲の反応はいかがですか?

青木:この前の取材を色んな方に見てもらって、別の仕事で現場に行くと「『キングオブコント』頑張ってください!」って、言ってもらえますね。

――うれしいです! 前回インタビューをさせていただいた際、青木さんとママ友さんのお話が印象的でしたが、何かお話はされましたか?

青木:夏休みに入ってしまったこともあって、あれから仕事関係の人以外、誰とも会っていないんですよね。それくらい余裕がないのかも知れないです。常に頭の中に「キングオブコント」のことがあるんですよ。寝ても覚めてもあるという感じです。

片桐:青木すごいな!

青木:そうですか!?(笑)。ネタを思い出せなくなる夢とかを見るんですよね。

片桐:懐かしい! 単独ライブの前とか、舞台の本番前とかはよくあったよね。稽古中に起きたら、本番がもう始まっている夢とかね。きっと青木のがプレッシャーが掛かっているのかも知れないですね。でも、青木は面白いですから! 青木はやっぱり感情表現が面白いですよね。あとは、年齢からくる説得力ですよね。

青木:コント中は仁さんの横にいるから感じないんですけれど、改めて映像で見ると、仁さんは立っているだけで存在感があるというか、ものすごい説得力があるんですよね。

片桐:いやいやいや! それはあなたですよ! あんな格好をして山を登ってくる人はいないですから!(笑)

青木:いや、私は図らずも変な格好をして出てきているので存在感が出ていますけれど、変な格好をしている私と並んでも、仁さんは負けていないんですよ! 私として見ているわけではなく、客観的に見ても思うんです。「えっ…!この人すごい存在感がある!」って。だって、仁さんは普通の格好をしてるんですよ?(笑)私が演じる人は1人でいたら訳が分からない人なのに、その横で変なことをやっても、仁さんは大丈夫な相手なんですよね。

片桐:青木さやかの1人コントではあの人は演じられない?

青木:やれませんでしょう!(笑)

片桐:(笑)。でも、確かにツッコミがいるっていいよね。

青木:そうですね。でも、コントでは「おかしな人」と「おかしな人」に見えるんですよね。「おかしな人」と「ツッコミ」に見えないから、そこが仁さんの魅力だと思います。

片桐:でも、改めて思うけれど、2人でコントをやるっていうのは本当に特殊なことだよね。やついが演出で入ってくれているから、より演劇っぽいんだけれど、稽古中にやついに言われて衝撃的だったのが、「その場で思いついた感じの面白さでどう?」っていう言葉で…台本にはせりふがあるけれど、「その場で思いついて言っている感じで」って、すごく難しいよね。台本っぽくなったら、全然面白くないって(笑)。