妻夫木聡が主演を務める終戦ドラマ「しかたなかったと言うてはいかんのです」(夜10:00-11:15、NHK総合)。8月13日(金)の放送に先駆け、妻夫木と番組題字を担当している書道家・武田双雲がコメントを寄せた。同ドラマは、太平洋戦争末期に行われた「生体解剖」を題材とした、人間の狂気と正気を描き出すヒューマンサスペンス。

物語の舞台は、1945年5月。西部帝国大学医学部の助教授・鳥居太一(妻夫木)は、教授の指示で米兵捕虜の手術を手伝うが、それは治療のためではなく実験手術であった。教授に手術の中止を進言するが却下され、4回にわたる手術により8名の捕虜が死亡。戦後、この実験が明るみに出て、太一は占領軍に逮捕され、裁判を受ける。戦犯として死刑判決を受けた太一は、凶行を止められなかった自分と向き合うことになる。

一方、妻・房子(蒼井優)は、裁判の中でゆがめられた真実を明らかにし、事件の首謀者にされた夫を死刑から救おうと奔走する。房子の必死の思いと、それぞれの罪を背負った死刑囚たちとの出会いによって、太一は目を背けていた本当の罪に気づいていく。

■妻夫木聡コメント

罪とは何か。太一が犯したこと自体は罪だが、何が本当の意味でいけなかったのか。死刑に処されるべきなのか。彼の心の内を想像し、その答えを探す日々でした。正直、太一の妻や子どもたちのことを考えると、死にたくないという思いにも至り、役を演じる上では、さまざまな葛藤がありました。

戦時下の出来事を“しかたなかった”のことばで片付けては、すべてが過去になってしまいます。しかし、本人たちにとっては死ぬまで変わらない現実だったのではないかと思います。だからこそ、私たちはその思いを受け継ぎ、この先も未来永劫、伝えていく必要があります。皆さんにも「一度きりの人生、もっと出来ることがあるのではないか」「私はこんな人間になりたい」など、このドラマから少しでも何かを感じていただけたらうれしいです。

■武田双雲コメント

戦争というのは理不尽なことが平気で起こる中で究極の選択を迫られる。しかと早急に答えを出さなければならない。どちらを選択しても苦しみを伴う。正解がない状況の中で人は迷い悩む。しかしそこで考え抜いたことが生き様に反映される。美学と言ってもいいかもしれない。究極の状況で悩み抜いた経験は美を生み出す。苦渋から産まれた美をできるかぎり筆で表現しようと試みた。平和を祈りながら。