9月20日に都内にて、映画「護られなかった者たちへ」(10月1日[金]公開)の公開直前トークイベントが行われ、主演の佐藤健、阿部寛、林遣都、瀬々敬久監督が登壇した。

同作は、中山七里の同名小説を映画化したヒューマン・ミステリー。震災から10年目の仙台で発生した、連続“餓死”殺人事件の容疑者として捜査線上に上がった利根(佐藤)は、刑事の笘篠(阿部)に次第に追い詰められ、やがて事件の裏に隠された、切なくも衝撃の真実が明らかになっていくという物語。

登場した佐藤は「撮影はほぼ全編にわたって宮城県にて行いました。協力してくださった、受け入れてくださった宮城の方々にとても感謝しています。今の世の中に投げかける意義のある作品になっていると思うので、皆さんに見ていただけるとうれしいです」とあいさつ。

阿部は「最初に台本をもらった時、ミステリーとして非常に濃厚で、ハラハラドキドキしながら読みました。それを監督が描くときっと面白くなるんだろう、と思いながら参加させていただきました。全員が全身全霊をかけて挑んだ作品です。ぜひ期待してください」と話し、笘篠の部下としてともに利根を追う刑事・蓮田を演じた林は「今届けるべき作品であり、届いてほしいと心から思う作品に参加できて幸せでした」とコメントした。

瀬々監督も「キャスト・スタッフ一丸となって緊急事態宣言という危機を乗り越えながら作った作品です。応援よろしくお願いします」と話した。

■「初めて見る佐藤健だった」

撮影中の「この人のここがすごかった」と感じた部分について尋ねられると、阿部は「佐藤くんの集中力は圧巻でした」と回答。「利根という容疑者がそこにいるようで。しかもそれをずっと通していらっしゃって。僕そういうの好きなんですよね。その集中力を見て、僕としてもとてもやりやすかったですね」と話した。

林も「僕も健さんですね。最初にお会いして、登場人物が生身の姿で存在している印象を受けました。そして利根ではあるのですが、初めて見る“佐藤健”だ、とも思いまして。他の人には感じたことないオーラというか、強い印象を受けたことを今も覚えています」

べた褒めされた佐藤は「大変光栄です。ありがとうございます」と言い、笑顔を見せた。

他にも撮影時のエピソードが明かされた。佐藤は撮影現場である宮城で感じるものは大きかったと言い、「実際の被災地という場所で撮影できるということは、演じる僕たちからすると非常に助けられたことが大きかったです」と語った。

■佐藤健「撮影される時の″かっこいい”は困る」

イベントでは、キャスト・監督同士でお互いに聞きたかったことを質問する時間も設けられた。

佐藤は「何でもいいんですよね?」と前置きしつつ、阿部に対して「阿部さんってLINEとかされるんですか?」と質問。阿部が「僕ね、LINEするんですよ」と答えると、キャストと会場からは笑顔がこぼれた。さらに佐藤は「スタンプとか使われたりするんですか?」と追加で質問。阿部が「スタンプというか、ニコニコみたいになっているやつを使います」と答え、佐藤が「ありがとうございます。ずっと聞きたかったです」と深々とお辞儀をする一幕もあった。

反対に阿部は、佐藤に「特に単独取材をされる時に、カメラマンから『かっこいいですね! いいですよ!』と声をかけられると、非常に困ってテンションが下がるのですが、佐藤さんはいかがですか?」と質問。佐藤も「あれ、困りますよね。心の底から言ってくれているんだなと感じるならまだしも、呼吸をするように言う人は嫌ですよね(笑)」と同意しつつ、「でも確かに、カメラマンさんからすると、阿部さんを撮っていたら『かっこいい』と漏れてしまうのも仕方のないことかも…と思います」と話した。

林は瀬々監督に対して「『年間何本撮っているのか』というくらいずっと撮り続けていらっしゃいますが、休んでいる時間はあるんですか? あと普段はどう過ごされているんですか?」と質問すると、阿部も「確かに聞いてみたいですね」と同意。

監督は「趣味が仕事なので、楽しい毎日を過ごしています。休みの時も映画を見ていますね」と答えつつ、「僕についてはあまり盛り上がらないだろうから次行こう!」と話した。

■佐藤健は雨男?豪雨がもたらした予想外の演出

また、視聴者からの「雨男で名高い健さんですが、撮影中雨に悩まされたことはありましたか?」という質問にも回答。

佐藤は「名高くないと思うんですけど…」と否定しつつ、「全力疾走するシーンは元々雨の予定ではなかったので、雨が降ってしまってみんな困っていたのですが、時間がないからそのまま撮影したら『雨の方がよかったじゃん!』となったので、結果オーライでした。あれは僕のおかげなんですよ(笑)」と代表的なシーンの裏側を明かした。

最後に、瀬々監督が「少しハードルの高い、むずかしい映画かと思われてしまうかもしれませんが、人と人がつながって一緒に生きようというヒューマンな面が大きく浮き彫りにされるような映画になっているので、ぜひ怖がらずに楽しんでいただけたらと思います」とコメント。

佐藤が「震災から10年が経ちましたが、まだ世界にはさまざまな問題があり、さまざまな困難に苦しまれている方々がたくさんいます。この映画には、自分たちの大切な人の“守りたい人たち”を守りたい、守ることができる社会であってほしいという願いが込められています。受け取ってもらえたら幸いです」と話し、イベントを締めくくった。