主演の松井愛莉が結婚を目前に控えているにも関わらず、婚約者とセクシーな男性の間で揺れるお嬢さまを演じる、ラブコメディー「エロい彼氏が私を魅わす」がFODで配信中(毎週土曜夜0時に最新話を配信)。

今作は令和の女子は結婚する際に“人としての色気”と“条件”のどちらを選ぶのかを問う、脚本家・野島伸司の最新作で、松井演じる境野仁美に一目惚れされる筋肉隆々で色気たっぷりの肉体労働者・甲斐まなぶを笠松将、そしてエリート証券マンでイケメンの婚約者・明石圭吾を結木滉星、まなぶの彼女でキャバ嬢の椎野麻衣を萩原みのりが演じる。

物語は結婚目前のピアノ講師・仁美が工事現場近くで偶然出会ったまなぶに心を奪われたことで、婚約者である圭吾のキスを拒んでしまったことから始まる。今まで出会ったことのないタイプのまなぶのことが頭から離れなくなった仁美は、自分の思いに正直に彼の元へ。この行動が圭吾だけでなく、まなぶと麻衣、そして仁美の家族をも巻き込み、思いもよらぬ騒動を巻き起こす。

「結婚観について言及するせりふが多かったので、自分自身も考えさせられました」という主演の松井、そして笠松、結木に、今作の見どころと裏話を聞いた。

――皆さま、野島伸司さんの作品は初めてでした。出演が決まった際のお気持ちをお聞かせいただけますか?

松井:とてもうれしかったのですが、せりふ量がすごく多かったので不安の方がちょっと大きかったです。脚本はとても面白いのですが、乗り切れるかな?と思いました。

笠松:僕は光栄でした。いい経験をさせていただけそうだなと思ったので、一生懸命頑張ろうと思いました。

結木:僕もそうです。設定も面白かったですし、お話はフィクションですが掛け合いやせりふがリアルだったので、そこが融合したときにどうなるんだろうと思いました。実際やってみてもすごく楽しかったです。

――台本を読んで、どんなところに“野島作品らしさ”を感じましたか?

松井:せりふの節々に感じました。普段言わないような言い回しや単語も多かったですし、仁美は結婚観についての説明ぜりふも多かったので、そこは野島さんっぽい所なのかなと思いました。

笠松:結構攻めたせりふがあって、そのギリギリのところが面白いなと思いました。それから、ストーリーのスピード感と、いろんな人物が物語の展開を動かしているというところ。僕が言うのはおこがましいですが、すばらしいなと思いました。

結木:僕も言葉のチョイスの一つ一つが面白いなと思いましたし、一人一人、話し方を見ているだけでキャラクターが分かるんです。ここまで分かりやすいのは初めてだったので、僕もさすがだなと思いました。

――主人公の仁美は正直すぎるお嬢さまですが、演じてみていかがでしたか?

松井:ちょっと難しかったです。感情の起伏が激しかったので、どう演じようかと思い、監督と話し合いながらやっていきました。仁美は一直線で、感情を皆さんにぶつけて、周囲があたふたしていく感じなので、そこが大変でした。

――筋肉隆々で危なっかしさが魅力のまなぶを演じた、笠松さんはいかがですか?

笠松:僕は今回の脚本は点がばら撒かれていて、その点を線にして温度や感情を加えていくのが僕らの一番大事な作業という感覚でやらせてもらいました。その点と点の感覚が広いので、そこを近づけていくのが難しくもあり、面白くもあると思いました。

――優しいエリート証券マンで、文句のつけようのない婚約者の圭吾はいかがでしょう?

結木:僕はそもそも圭吾の考え方が理解できず、自分とは真逆だったので、役に寄り添ったり、自分だったら?という感覚は全く持たずに挑みました。

――今回の共演を通して抱いた、お互いの印象は?

松井:笠松さんは出ていらっしゃる作品のイメージが強くて、怖い人なのかな?と一瞬思ったのですが、現場で一番のムードメーカーになって、周囲を気遣ってくださって。すごく優しくて、現場を盛り上げてくださいました。結木さんに関しては、しっかりされているイメージがあったんですけど、ちょっと抜けているところもあって(笑)、話しやすかったです。お二人とも現場のいい空気を作ってくださったので、お芝居もやりやすかったです。

笠松:松井さんは作品の進むべき道をしっかり作ってくださったので、すごくやりやすかったです。結木さんは…まあ、こんな感じです(笑)。

結木:あるでしょ? 何か、もっと! 僕の印象なしか…。

笠松:いやいや、あるよ(笑)。昔、まだお互いにせりふのない役で出会っていて、またこうして主人公を奪い合う役でご一緒できたので、一生懸命やってきて良かったなと思いました。

結木:僕も感慨深かったです。その7、8年前の現場で一番仲良くなった人だったので。

松井:そうだったんだ!

結木:そう。それでお互い頑張ろうと言い合って、こうして出会えたので、すごくうれしかったです。そして、松井さんについては、結木滉星としては松井さんが演じた仁美のようなお嬢さま系って苦手なところがあって。でも、松井さんはサバサバしていて、仁美と真逆なんです。

松井:ははは(笑)。

結木:だから話しやすくて、僕も現場で心地よく過ごすことができました。

笠松:あと、現場ネタでは、仁美のお母さん役の国生(さゆり)さんが「ここはこういう風にやったらどうかな?」といろいろ提案してくださったので、たくさん経験を積まれても、前のめりで作品に参加するということを学ばせていただきました。

――では、それぞれにここはぜひ見てほしいというシーンを教えてください。

結木:僕はまなぶと胸ぐらを掴み合うシーンです。ずっとライバルでしたけど、初めてお互いの感情がぶつかり合うシーンだったので、好きです。

笠松:僕はキャラクターが成長を見せるところです。まなぶって現状に文句は言うけど、一歩踏み出さないタイプなんです。それ自体は悪いことではないですが、“いつだって変わることができる”ということをまなぶから教わりました。どんな家に生まれようが、何にだってなれるということをまなぶから感じて、それこそがセクシーだなって。現状を打破できるところが彼の一番の魅力だと思うので、そこを見ていただきたいです。

松井:私はテンポが良くて、面白い家族とのシーンです。仁美は母とお姉ちゃんと本当にいろんな会話をしているんです。私が言うことに家族が振り回され、家族が言うことに私が振り回される。そのわちゃわちゃした感じを楽しんでもらいつつ、話している内容はシリアスだったりもするので、せりふにも注目していただけたらうれしいです。

――仁美は“人の色気”と“条件”の間で揺れますが、皆さんはこのドラマを通して、どんなことを感じましたか? また、ご自身でしたら何を重視しますか?

松井:私は「結婚って何だろう?」と思いました。結婚観について言及するせりふが結構多かったので、いろいろ考えさせられて。私自身は一つ挙げるとしたら、一緒に生活していく上での価値観が大切かなと思います。

笠松:僕は、条件のポイントがそもそも違うかな?と思っていて。(相手を好きになる)入り口は今作で言うところの色気という魅力だと思います、確実に。だって、その時は条件とかわからないですから。その後に条件が来ますが、その条件の中に色気も含まれるので、“どちらか”にはならないと思いました。松井さんも仰っていたように、僕もいろいろ考えさせられました。結婚とか、家族とか、お金とか、仲間とか…すごく考えさせられて、いい作品だなと思いました。

結木:僕自身は先々のことを考えたりしないタイプで、直感などの感覚を大事にするので、“この人”と思ったら、突き進みます。だから、圭吾みたいに条件とか考えたりしないです。

――今回のASTROの皆さんが歌う主題歌は、野島伸司さんが作詞をしていらして、テーマが「一番好きな人にサヨナラを言おう」という曲だと聞きました。意味を探ってしまうテーマだなと思いましたが、皆さんはどんな感想を持たれましたか?

松井:ラブコメなのでポップな曲なのかな?と思っていたらバラードで、それが逆に心地よく感じました。それからタイトル自体もそうですが、主題歌もテーマがすっごく意味深。ですので、歌詞も聞きつつ、ドラマの展開を想像していただけたらと思います。

結木:僕はメロディー重視で聞いてしまったので、今後、歌詞に注目して聞きます(笑)。

笠松:僕は、この作品はいろんな違和感を最後に回収してくれる話だと思っていて、主題歌にも違和感があると思うんです。ドタバタ劇なのに優しいバラードだったり。でも、どんどん回を重ねて、物語に没入していくとその違和感を感じなくなる。そうなったら物語を楽しめている証拠だと思うので、ぜひ主題歌も含めて楽しんでいただければと思います。

――では、最後にドラマをご覧になる皆さまにメッセージをお願いいたします。

結木:仁美がセクシーと、エリートのどちらを選ぶのか?がメインテーマになっていますが、一人一人の結婚に対する考え方が違い、そして、それも変わっていくところが見どころだと思います。それから、僕は圭吾に対して理解に苦しんだので、皆さんはどう感じるのかも気になります。

笠松:アラサーにして、初ラブコメ! 今後、こんなかっこいい役はいただけないと思いますし、ラブコメはこれが最後だと思います(笑)。僕が30年近く生きてきた中でのかっこいいを絞り出していますので、ラブコメファンの皆さま、お手柔らかにお願いいたします。

松井:仁美が最終的にまなぶと圭吾のどちらを選ぶのかも楽しんでいただきたいですし、そこに家族も加わって振り回され、仁美も振り回す。そんなドタバタ劇を楽しんでいただけたら、うれしいです!

取材・文=及川静