大人気漫画「キン肉マン」の実写映画化の謎に迫る俳優たちを追ったドキュメンタリードラマ「キン肉マン THE LOST LEGEND」(10月8日[金]スタート、毎週金曜夜11:30-0:00、WOWOWプライム)。ウォーズマン役に抜てきされた本人役で主演する眞栄田郷敦に、ドキュメンタリードラマならではの難しさや見どころを聞いた。

■クランクインしてみると、俳優たちの空気が全てでした

「台本通りにいかないリアルな世界、自分で自分を演じるドキュメンタリードラマというジャンルは初めての経験だったので、最初はどうすればいいのか想像もつかず不安でした。ドキュメンタリーといいながら軽い台本はあるんですよ。当たり前ですが流れがあって。事前にどこまで準備をしていけばいいのか、これまで体験していた作品作りとは全く違いました。ただ、クランクインしてみると台本なんてどうでもよく、俳優たちの空気が全てでした。感情はリアルで設定がドラマという感じ。それ以降は台本を読むというより、この流れのときはこう仕掛けようなど想像することを大事にしました」

劇中映画「MUSCLEMAN」のプロデューサーである綾野剛や、一緒に行動するミートくん役の玉城ティナとの素に近いやりとりが作品をよりリアルにする。

「普通のドラマは待ち時間などがあって、そこで信頼を深めていきますが、この作品は常にカメラが回っている状態。なので本当にその場で感じたことがそのまま映し出されています。綾野さんの想像を何個も超えてくる姿には、驚きながらもついていきたいと思いましたし、玉城さんの裏表のない姿に本当にこの人が相棒で良かったなって感じました。2人がいたから、より素の姿でこの世界で生きられたと思います。今度は普通のフィクションでも一緒に演じてみたいですね。また違った楽しみが待っているような気もします」

■この作品は、僕にとってすごく大きな出合い

「キン肉マン」といえば1980年代に連載・アニメ化され、現在も続いている作品。

「リアルタイムではなかったですが、もちろん知っていました。なぜか息子のキン肉マンII世の活躍を描いた映画が家にあり、小さい頃に見ていたので。今回読んでみたら、ギャグ漫画だけど、途中からアツい展開になっていくところにハマって。悪が正義になる瞬間とか最高ですよ。そして今回、作中で出会う皆さんがすごい熱量を持っていて…。僕もその熱量にやられちゃいました」

今回は機械の体を持つウォーズマン役。綾野に「リンクしているところが多い」と言われる場面も。

「僕も調べていくと似ているところがあると思って。父親が特殊な存在でその関係性も似ているし、彼も引っ込み思案なタイプ。あと母親が大好きというのも近いです。そして大きいのが、いろんな人と出会って世界がどんどん変わっていくところ。僕もアメリカから日本に帰ってきて、いろんな人と出会って今があるので。ちなみに僕にとっての超人は父親です。いつでも夢があって上を向いているという。絶対かなわないと思うところがたくさんあるんですよね」

「本作と出合ったことで今後の俳優人生が変わると思う」と眞栄田。

「これまでは、芝居をするときに常に正解を求めていたんですよ。でもこの作品をやって、正解なんてなく、自分のやりたいようにやった方がいいということを知りました。そうした方が周りの方も乗ってくれて、いい循環が生まれてくる気がします。本当に僕にとってすごく大きな出合いでしたね。今は芝居をするのがすごく楽しいです。そんな僕を変えた作品をぜひ楽しんでください」

取材・文=玉置晴子