6人組ガールズグループ・東京パフォーマンスドール(通称:TPD)が、9月26日に無期限活動休止前のラストライブとなる「東京パフォーマンスドール DANCE SUMMIT The Final」を東京・Zepp Tokyoにて昼夜2部構成で行った。新生・東京パフォーマンスドールとして2013年6月に結成されてから8年、一区切りとなるステージで、6人は真骨頂の“ノンストップライブ”でファンを魅了。結成以来磨き上げたダンス&ボーカルパフォーマンスでそれぞれの個性を輝かせた。

ついにこの日が来てしまった…。2月以来のライブなので、楽しみ!早く見たい!という気持ちはもちろんあったが、これを終えたらTPDのライブはしばらく見られないのか…と思うとライブ当日が来てほしくない!というアンビバレントな感情を抱いていたのは私だけではないだろう。

と言っても、メンバーやスタッフさん、結成当時から見守っていたファミリーの皆さんからするとまだまだひよっこの筆者。感傷に浸り過ぎるのも違うなと思い、連日のリハを経てウォーリー木下氏の手掛けるステージを全力で仕上げてきた彼女たちへの敬意をもって、現場へ。

第1部となる「〜Can't stop the TALES〜」が開場し、「1曲目とラスト曲は何だろう?」「あれしかないっしょ」などとセットリストを想像しながら開演を待っていると、懐かしのアーティスト写真から最新のものまでスクリーンに映し出され、早くも泣きそうに。そして、1曲目から予想外だった。

“決して歩みを止めない”、というTPDの思いが結集したダンスナンバー「Can't Stop」で、メンバーそれぞれの個性も感じられるダンスで圧倒し、その後「TIME」をもってきた。 

「Can't Stop」の演出で時計の針がグルグルと動き出したこともあって、もしや?とは思ったが、「ラストライブでも全然置きにいかないな…」とうれしくなった。“ブランク”という言葉はデキない人の言い訳だよ、とでも言わんばかりに7カ月ぶりのライブということを感じさせないパフォーマンスを見せる彼女たちは、続く「Counting the seconds」でも、まさに“普段通り”の顔を見せる。

しかし、この歌詞はズルい。ズルいというか、今これを歌われると余計に沁みるな…と浸っていると、早着替えを終えたメンバーとともに、「SHINY LADY」のイントロが。間奏でステージの上段と下段に分かれても息ピッタリのダンスを見せるメンバーたち。ギリギリで“ショートカット担当”を復活させた脇あかりが「今日は最高で最強の1日にしようね!」と呼び掛けたが、この時点で既にそうなる予感しかない。

そして5曲目はヒット曲「逆光×礼賛」。光の演出との相性、曲調もダンスもそれこそ最高で最強にカッコいい。いつも以上に無数のレーザー光線が会場を包み込み、激しいサウンドに負けない歌声。迫力満点のパフォーマンスだった。

恐らく自分が記憶喪失になってTPDを忘れてしまったとしても、このパフォーマンスを見たらTPDに瞬間で一目惚れしちゃうだろうな、というくらいのゾクゾク感。この時点で感傷に浸っていたことなどすっかり忘れて、TPDの世界にどっぷりと浸かっていた。

6曲目は白のペンライトが会場を包んだ「It’s Up To Me」。ペンライトを頭上で回させたら右に出る者はいないんじゃないか、というくらい軽やかに美しく回す橘二葉と、見る者を安心させる笑顔の櫻井紗季に癒やされていると、“じょにー”こと上西星来が「この曲とともに今日まで進んできました…」と徐に語り、思い出の曲「DREAMIN’」へ。

意外と早いタイミングでこの曲がきたなと驚いたが、これこそが2部構成の妙。ある意味ぜいたくなタイミングでキラーチューンを使ってきた。泣かせにきたというより、あくまで最高のダンスサミットを見せるんだ、という強い思いがそこにはあったように思う。

ここでソロ・ユニットゾーンへ。ダンスの申し子・橘による「Be ready」では、彼女のダンスの表現力が存分に生かされ、手足の長さも相まってしなやかに、大人の女性を感じるものに。

さらに、浜崎香帆の自作曲である「はじまり。」をワンマンライブ初披露。SHOWROOMでひっそり聴いた時も良い曲だなと思っていたが、今回は櫻井がダンスで華を添えたことでさらに魅力が増した。浜崎の伸びやかな歌声はやはり素晴らしかったが、櫻井のダンスも見事な表現力だった。さすがTPD屈指の女優といった感じか、グッと引き込まれた。

それからピンクのワンピースで上西が「恋」を、脇が「Shadow Dancer」をそれぞれ“最高の仲間たち”を従えて披露。それにソロ・ユニット曲中にはちゃんとそれぞれのメンバーカラーのペンライトが会場を埋め尽くすあたり、声は出せなくても思いは一つ、やっぱり偉大なるファミリーだなとつくづく思った。惜しむらくは、一度でいいからメモも取らずに客席でファミリーの方々とライブを見てみたかった。

いや、仕事しろ…ってたまに圧の強めな美容番長さんか大分の無邪気な人に怒られる。はい。優しい2人が言うわけないですね。

話を戻し、続いては「BURN ME OUT」の浜崎&橘コンビ。ステージ狭しとダイナミックなダンスを披露すると、パワフルボイスの歌姫・高嶋がクールなマイクスタンド使いで「Darlin’」を。いついかなるときも安定の歌唱力は、今後も披露する機会を作ってほしいものだ。

それから、こちらもまたいつか見たいな…いや、見られるはずだと期待している、上西&脇コンビ=赤の流星による「Move On!」。皆さんも思っているだろうが、TPDとは一味違う魅力が感じられるワンマンライブをまたやってくれたりしないだろうか。

さらに、ぐーちょきぱーの「世界はわたし中心にまわってる」を櫻井&TPD全員で。いさきが大好きだという曲だが、個人的には初めてライブで聴いたかもしれない。キャッチーだし、パフォーマンスもとてもキュートだ。

それにしても、今さらながら本当に幅広い楽曲があるグループだ。ラストライブ×2部制というと、ヒット曲を中心に半数以上同じ曲で、しっぽりやって幕引きするのが定番かと思いきや、1部と2部で被っている曲の方が少ない、というのは彼女たちの底力であり、歴史でもある。これだけの数の曲、歌詞を覚えるのだって大変だろうし、同時に振り付けも覚えているわけで、本当に頭が下がる思いだ。

16曲目はSHOWROOM配信でゲットした赤チェックの衣装に加えおなじみのメガネを装着して「東京ハッカーズ・ナイトグルーヴ」、17曲目には「TRICK U」で大人の6人の顔をのぞかせ、18曲目の「BE BORN」でますます畳み掛ける。

個人的には6年前の豊洲でのリリースイベントでこの曲を聴いて以来、TPDの虜になったきっかけの曲なので、長めのイントロダンス中にもうウルウル。かと思えば、会場が宇宙に迷い込んだような光の演出でバキバキな「Starship Flight」、今日も今日とてギターをかき鳴らし、2部あるんだよね?と心配になるくらい全力投球のパフォーマンスが続く「SURVIVAL!!」。本編ラストはエモーショナルな歌詞が心を揺さぶる「TALES」で締めた。

「TPDコール」がわりの拍手によるアンコールを受け、アンコールではまずCDデビュー曲「BRAND NEW STORY」を当時の衣装リメーク版で披露。MCでは「初解禁の情報があるんだよね」と浜崎が口を開き、「ずっと喋りたかった」というある“初出し情報”を解禁することに。このご時世じゃなければ「おおっ〜!?」とファンの方も声を出したかっただろうが、声出しNGということもあり、かたずをのんで見守っていた。

そして、譲り合いの末にリーダー・高嶋から「大したことじゃないんですけど…2013年に結成して、田舎者の少女たちが東京に来たわけですよ。その時、私たちずっと一緒に暮らしてたんですよ。4年間、メンバーだけの寮がありまして、一緒に一軒家で暮らしてたんです」と意外なカミングアウトを。

しかし、思っていた以上にファンのリアクションが薄かったようで「え?知ってたの?うそ!? ストーカー!? 家の前に立ってた人ですか?もしかして」と、TPDメンバーの方が逆に驚いていた。取材などでも仲の良い秘訣(ひけつ)を聞かれて言えなかったようで、浜崎も「今日のMCで(リアクションを)楽しみにしてたのに…」と苦笑いしつつ、普段から仲がいい理由を説明していた。

その他、当時の部屋割りや“湿気事情”についても説明し、本当に今日ラストライブなんだっけ?と拍子抜けするくらい和やかな、いつものTPDらしい空気が流れる。さらに「Can't Stop」の振りを覚えるのに苦労した話などについて触れ、第1部はあえて明るめのセットリストにしてきたことなどを語り、1部のラスト曲「RAISE YOUR HANDS」で締めくくった。

そして2部「〜Can't stop the dreamin'〜」では、1曲目からこれでもかと一部では披露していない楽曲を繰り出し、先代TPD曲の「TPD Rearrangedメドレー」などで畳み掛け、歴代の衣装もたっぷりと早着替えで着て見せ、8年間の感謝を涙まじりに語って、アンコール、ダブルアンコールまで“全身全力”で披露し、8年間の区切りとなるステージに幕を下ろした。2部合わせて、セットリストはそれこそ控えめに言って最高で最強だった。

結成当初から逃げ出したくなるくらいつらかった日も、楽しかった日も、悔しい思いも喜びもひとつ屋根の下で共有し、乗り越えてきたメンバーたち。これから進む道、目指す方向は違うかもしれないが、それぞれが思い描くオリジナルの未来が明るいものであってほしい。

個人活動を応援するのはもちろんだが、欲張りだとは思いつつ、解散ではなく活動休止なのだから、再び6人の笑顔がステージ上で一緒に輝く日を楽しみに待ちたい。

■第1部「〜Can't stop the TALES〜」セットリスト
M1 Can't Stop
M2 TIME
M3 Counting the seconds
M4 SHINY LADY
M5 逆光×礼賛
M6 It's Up To Me
M7 DREAMIN'
M8 Be ready
M9 はじまり。
M10 恋
M11 Shadow Dancer
M12 BURN ME OUT
M13 Darlin'
M14 Move On!
M15 世界はわたし中心にまわってる
M16 東京ハッカーズ・ナイトグルーヴ
M17 TRICK U
M18 BE BORN
M19 Starship Flight
M20 SURVIVAL!!
M21 TALES
EN1 BRAND NEW STORY
EN2 RAISE YOUR HANDS

■第2部「〜Can't stop the dreamin'〜」セットリスト
M1 Hey, Girls!
M2 純愛カオス
M3 HEART WAVES
M4 eyes
M5 MY UNIVERSE
M6 Collection feat. ☆Taku Takahashi(m-flo)
M7 現状打破で Love you
M8 Shapeless
M9 TPD Rearranged メドレー
M10 One Day One Life
M11 my dearest
M12 TALES
M13 SHINY LADY
M14 Are you with me??
M15 SURVIVAL!!
M16 Jumpin' Up!
M17 DREAM TRIGGER
M18 BRAND NEW STORY
EN1 Can't Stop
EN2 ダイヤモンドは傷つかない
EN3 DREAMIN'
W.EN BRAND NEW STORY


◆取材・文=蒼野星流