演劇ユニット「30-DELUX」と「アクションクラブ」がタッグを組んだアクションエンターテインメント演劇「30-DELUX NAGOYA アクションクラブ MIX『ナナシ2021』」が、12月9日(木)の名古屋公演からスタートする。

「ナナシ」は2009年に「30-DELUX」と「アクションクラブ」が初めてタッグを組んだ際に上演した作品で、今回の再演では刈馬カオス氏が演出を担当。戦国時代、徳川家康の命で“四神無双”と呼ばれる暗殺者集団を倒した忍者・ナナシの戦いと、登場人物それぞれの“正義”のあり方を描く。

また、今作はキャストからスタッフまで全て“名古屋製作”で手掛けられ、名古屋公演後は大阪(12月17日[金]〜19日[日])と東京(12月25日[土]〜28日[火])でも公演が行われる。

WEBザテレビジョンでは、“四神無双”の青龍役・清水順二(30-DELUX)と、主人公・ナナシ役の川原正嗣(アクションクラブ)、さらにナナシと行動を共にする服部半蔵の弟分・鷹丸役の古畑奈和(SKE48)による鼎談の模様を、前後編に分けてお届け。

後編では、3人が演じる役柄や、初演時から手が加えられるという劇中での“女性像”の描かれ方などについて話してもらった。

■古畑が演じる“鷹丸”は今作で女性設定に

――今回、皆さんが演じる役についてお伺いしたいと思いますが、清水さんと川原さんは初演の時とは役が違うんですよね?

川原:そうなんですよ。陰謀が…。

古畑:陰謀!(笑)

清水:川原さんには僕が初演の時にやっていたナナシをやってもらいます。

川原:押し付けられた形ですよね。

清水:僕には今回の主役は荷が重いということで。

川原:いや、この人はお笑いが好きなんで、笑いが多い役に回ったの(笑)。

清水:(笑)。

川原:俺が初演でやった白虎っていう役は、もっとキラキラしてる人がやった方がいい役なので。高柳(明音)さんと「いい関係になるのかな?」っていうような雰囲気が醸し出せる人じゃないといけないから、俺がその役に入ると犯罪になっちゃうでしょ?

清水:「高柳明音さんという方が朱雀役をやります」と、写真を見てもらって相談したんです。そしたら「高柳さんは何歳だ? 30代か?」(川原)、「いや、20代です」(清水)、「無理だ」(川原)って。

古畑:ええ!?

清水:恋愛関係じゃないけど、ラブストーリー的な2人じゃないですか。

川原:ニュアンスがね。そういう空気があったりなかったりっていうお話だから、そうなると、もう50歳も過ぎると…加齢臭もひどいんですよ(笑)。

清水:生々しい話はいいんですよ(笑)。

川原:鷹丸は、初演は男の人の役だったんでしょ?

清水:そうです。男性がやった役なんですけど、それを今回は女性設定に変えます。女性として生まれて、でも男性と同じように訓練されて育った忍者という設定ですね。古畑さんを見て、そういう役が似合いそうだなって思いました。

古畑:ありがとうございます。

■現代の女性たちが見て、すごく共感できるようになってほしい(清水)

――他に今回、初演時から変えようと思っていることはありますか?

清水:朱雀と白虎の関係性です。初演の時は、女性の登場人物は朱雀1人で、女性が男性たちのわがままに翻弄されてしまうという話だったんですよ。それが観ていただいた女性たちに「女性を馬鹿にしてる」ってすごく怒られて、悩んでたんです。

川原:なるほどね。

清水:「あんなふうに男の都合のいいように、女子はならない!」って言われて。本当に朱雀って、男のわがままに翻弄されていく役だったんですよ。子供をつくって勝手に男は去っていくみたいなところがあって、その部分を何とかしてほしい、だいぶ変えた方がいいんじゃないかということで、それを僕と演出の刈馬さんで書き直しています。

川原:初演の頃は“コンプライアンス”なんて言葉も、頻繁には聞かなかったからね。

清水:12年前はよかったけど、今だと問題になることっていろいろあるじゃないですか。

川原:舞台から発信する上でも、そういったことは意識した方がいいよね。

清水:今の女性像って、昔の男の後ろに付いていく女子じゃなくて、1人で生きていく女子、カッコいい女子が増えてるじゃないですか。それをイメージして朱雀をつくり直そうと思ってます。

古畑:じゃあ結構変わりますね。

清水:その朱雀を現代の女性たちが見て、すごく共感できるようになってほしいなって。それが今回の書き直しで僕が一番力を入れているポイントですね。もちろん、鷹丸も。

川原:そうだよね。鷹丸も男性から女性に設定が変わったことで新しく生まれることがきっとあると思うから。

古畑:確かに。

清水:そうです。半蔵に対する純粋な思いと、女子なんだけど「私を女扱いしないでくれ!」「私も戦いたいんだ」みたいな想い。古畑さんのファンは男性の方が多いと思いますけど、うちの観客の8〜9割くらいは女性の方なので、その方たちが観て共感できるもの、それが高柳さんと古畑さんに懸かってます。

川原:(古畑に向かって)大事じゃん。

古畑:大事ですね。一気に何か、重みを感じました。

清水:そこはプレッシャーを掛けさせてもらいますよ。

川原:そういったテーマは、SKE48の“今のメンバーの人”と“卒業した人”っていうところでも何か違ってきたりとか、ちょっとリンクするかもね。

清水:そうですね。いつ頃卒業して、卒業したらこれになるみたいなビジョンとか目標はあるんですか?

川原:言えんやろ、それは(笑)。

古畑:まだ今後については秘密ですけど(笑)、でもどういう形で次の道に進んでも、私の中で強くあろうとするんじゃないかなっていうのはあります。

川原:おお〜、頼もしいね。女優さんを目指してるの?

古畑:そうですね…やっぱり演技が好きで、舞台も好きで、“生”のエンターテインメントって本当に感動を与えられるものだと思うので、お客さんを感動させたいって気持ちもあるし、自分も(演じることで)この人生において感動したいって気持ちがすごくあります。

川原:もちろんお客さんのためっていうのはあるけどさ、俺も自分が楽しいから俳優をやってるからね。自分が楽しく生きていく上でじゃないと、50歳まで役者やってないから。今の段階からそういうお芝居がやれてるっていうのは、いいことだと思いますよ。結構ターニングポイントになってくれると思いますよ。

■みんなでぶちかましたいなっていうふうに思ってます(川原)

――また、今日はビジュアル撮影の間に取材をさせていただいているわけですが、皆さん実際に衣装に袖を通してみていかがですか?

古畑:こういうカッコいい衣装を着ることはなかなかないですね。

清水:そうなの!?  SKE48の衣装、すてきじゃないですか。

古畑:SKE48の衣装はどちらかと言うと“アイドルらしい”要素が盛り込まれてるので、こういうきらびやかでカッコいいのは、また違ってうれしいです。

――和柄は元々お好きですもんね。

古畑:好きです。ソロライブの衣装にも取り入れたりとか。

清水:和が好きなのって何か理由があるんですか?

古畑:何でしょうね? 和菓子が好きだからですかね…関係ない?(笑)

川原:でもいいよね、和はね。君(=清水)はちょっと中華っぽいけどね。

清水:“四神無双”の4人の忍者は覚醒して、いわばドーピングをして強くなるっていう設定なので、ナナシ側の集団とは全然違うテイストにしようと。

古畑:(川原の衣装を見て)コルセット巻いたりしてますよね。

清水:ナナシは1人また突出した個性なので、謎に包まれた感じというか。

古畑:ロックでカッコいいです。

川原:恥ずかしいんだよなぁ(苦笑)。

清水:古畑さんもすごく似合ってる。僕が想像してた以上にすごく映えてる。

川原:動きやすい? 大丈夫?

古畑:結構動きやすいです。

川原:衣装さんもすごいんだよね。ちゃんとデザインを気にしながら、「ここ動かしやすいですか?」「大丈夫ですか?」ってすごく気を使ってくれて。

清水:特に鷹丸はめちゃくちゃ動くと思うので。出てきて元気よく暴れてるか、戦ってるかどっちかだから。

古畑:そうなんですか!?(笑)

清水:でも、実は一番泣けるキーポイントを担っているっていうね。半蔵に対する熱い思いというか、一途な思いというか。これも古畑さんがストレートにやったらすごいハマるんじゃないかなって思っています。結構ストイックに“ゾーン”に入るタイプ、アーティスト気質な感じがすごいするので。

――では最後に、改めて今作の上演に向けての意気込みを聞かせてもらえますか。

川原:自分がナナシをやらせてもらうことの責任を感じつつ、自分に関わった人みんなに幸せになってほしいというか、成功してほしい、何かつかんでもらいたい、という思いで臨みます。名古屋という出身の場所でやれる喜びをすごく感じていて、みんなでぶちかましたいなっていうふうに思ってます。なので頑張ります! 観に来てください!

古畑:今回、SKE48のメンバーとしても、古畑奈和個人としても、名古屋から発信できる、感動をお届けできるということがすごくうれしいですし、清水さんが言ってくださったように、“古畑奈和だから”と選んでくれたことが本当にうれしいです。その責任もすごくあると思いますし、前回は男性がやっていた役なので、そこと競うわけじゃないですけど、違ったカッコ良さ、女性ならではのカッコ良さを出せるように頑張っていきたいと思います。

清水:自分が一人一人をちゃんと生で見に行って自信を持って選んだ、今の名古屋で最強のエンターテインメントメンバーだと思って、今回やらせてもらいます。もちろん、名古屋の良さとかを知ってもらうっていうのもテーマにはあるんですけど、「ナナシ」を選んだ理由っていうのは、戦国時代にたくましく生きた武将や忍者たちの人間模様が、当然現代社会にリンクしてなきゃいけないと思って。

歴史は繰り返されるというか、今回僕は戦国時代、江戸時代を振り返って、疫病があったり、自然災害があったりっていうことに、「今の時代も同じことが起こってるんだ」と感じて。昔の人もみんなで共同体を作って、そういう苦難や困難を乗り越えてきたっていう歴史があるので、この現代の困難を演劇としての共同体や人間としての共同体を自分たちで作って、たくましく生きていく姿を見てもらって。

今だからこそ観てもらうことによって、現代社会を生きる勇気につなげていただきたい。僕は今回の共同体でそれを作れる自信がありますので、今だからこそ、ぜひ劇場に足を運んでいただきたいと思っております。