10月11日に、TBSの月曜夜10時の新バラエティー番組としてスタートした「100%!アピ〜ルちゃん」(毎週月曜夜10:00-10:57、TBS系)。

同番組は、魅力を最大限に伝えられていない人やスポットに、アピールの得意な芸能人“アピールちゃん”を派遣。対象を徹底取材して魅力を掘り下げ、「もっとアピールした方がいいのに!」という魅力を、本人に代わって全力でアピールしていく。

スタジオには、指原莉乃、川島明、有岡大貴、ハリセンボンが出演し、ゲストと共に、VTRを見ながら“アピールちゃん”がどれだけアピールできたかをスタジオで判定する。

11日の初回放送では、向井慧が日本一アピール下手なカレー店の店主に密着する企画や、ローンの審査が通りにくいと言われる芸能人に代わってマヂカルラブリーが銀行員に返済能力をアピールする企画、女優が「アピールしなさすぎ」な分かりにくい場所にある名店を地図なしで探す企画などを紹介。

その独自な着眼点に視聴者からは、「今まで見たことが無い企画で新鮮だった」「レギュラー陣のVTRに対する容赦ないツッコミが面白すぎる」「気楽に見ながらいろんな知識が身について得した気分」などといった声が上がり、初回から盛り上がりを見せている。

10月18日(月)放送の「100%!アピ〜ルちゃん」では、“24時間ずっと一緒に居てけんかばかりなのに平気な夫婦”に密着し、二人の魅力を掘り出す企画や、「新幹線の引退でなぜファンたちは号泣するのか」を調査する企画を送る。

今回、同番組の演出・プロデューサーを務める水野雅之氏にインタビューを実施。「林先生が驚く初耳学!」(現「日曜日の初耳学」)、「プレバト!!」など、数多くのヒット番組を手掛けてきた水野氏に、番組に懸ける思い、人気番組の共通点など、番組制作の裏話について話を聞いた。

■頑張ってるアピールを代わりにしたい

――“アピール下手な人たちに代わって魅力をアピールする”という番組を思いついたきっかけを教えてください。

2021年の5月に特番として放送した前身番組「愛しのアピールちゃん」で、大手コンビニチェーンというアピールが上手そうなところでも、魅力をアピールできていないことがあるんじゃないかっていう切り口でやってみたところ、視聴者にも出演者にも反応が良く、それでいてみんなが得する企画だなという手応えを感じました。

日本人ってアピールが上手な人たちのことを、心のどこかで好きじゃなかったりすると思うんです。たとえば、よく悪口っぽく言われるワードで、「頑張ってるアピール」っていう言葉があるじゃないですか。「頑張ってるアピール」って自分で言うと鬱陶しいけど、他の人が言うとすごく良く聞こえて、取材対象者の魅力が受け入れやすくなると。その頑張ってるアピールを代わりにしたいなと思ったのがきっかけです。

――初回放送は、これまで気にしたことはなかったけど言われてみると確かに気になるなと感じるテーマの数々でした。このような絶妙な企画はどのようにして思いつくのでしょうか。

基本的に、僕が生活の中で疑問になったものや引っ掛かったものをどうやったらエンタメにできるかなっていう考え方をいつもしています。例えば、ガードレール。車道に沿って曲がっているガードレールって、曲げることによって強度が何十倍にもなってるんですって。それって本来アピールできることだなと思うんです。普段何気なく見ているものの中に、アピールできることがあふれているかもしれないという意識を持って毎日生活しています。少しつらいんですけど(笑)。

――10月18日(月)放送では、2階建て新幹線「E4系 Max」の引退でなぜファンたちは号泣するのかを調査する企画が放送されますが、このような企画を思いついたきっかけを教えてください。

例えばアイドルの解散コンサートとか、一部の人は泣いているけど、世の中の人たちはどうして泣いているのか分からないと思うことってたくさんあると思うんです。でも、泣く理由をアピールしたら、みんな泣けるのかもしれないということを試したくて企画しました。

■指原莉乃&有岡大貴が水族館の魚に感情移入

――“アピール”という切り口で、さまざまな企画を作ることができるんですね。これから放送される企画で、印象に残っている企画はありますか?

オープンするまでの水族館を1カ月取材した企画(10月25日[月]放送予定)です。水族館の主役って、だいたいサメとかエイとか、みんな見たいものって一緒じゃないですか。でも、そのほかにも何千匹という膨大な数の魚がいる。番組では、その魚を搬入する人たちに密着して、裏方の苦労や水族館ができるまでを密着取材しました。

VTRを見たスタジオ出演者の皆さんは、「水族館を見る目が変わった」と驚いてましたね。あと、水族館に展示される魚がジャニーズJr.に選ばれるくらい狭き門だということを知った指原さんと有岡くんが、魚に対してめちゃくちゃ感情移入していたのが印象的でした。

――水野さんは、「林先生が驚く初耳学!」「教えてもらう前と後」「プレバト!!」など、さまざまな番組を手掛けてこられましたが、今回新たに番組を作る上で、意識されたことはありますか?

「初耳学」では、知識モンスターの林(修)先生を“壁”として、その“壁”を超えていく雑学を放送するというのが企画を考えた時のコンセプトだったんですが、今回はトレンドを押さえながら楽しく見てもらう企画なので、普段ありとあらゆる情報に触れている川島さんと指原さんを“壁”として、お二人をとにかく楽しませる番組づくりを意識しました。情報感度が高いお二人が楽しんでくれる先では多くの方たちが楽しんでくれるだろうという精神で進めています。

――実際に収録されてみて、川島さん、指原さんの反応はいかがでしたか?

お二人には、収録前の打ち合わせで「VTRで知っていることがあったら言ってください。そう言っていただかないと知らなかったときの驚きが本当かどうか分からないし、今のテレビってそれくらいリアルに作るべきだと思うんです」とお伝えしました。

今回、VTRのクオリティーをものすごく高めないといけない番組だったので、収録前はお二人が楽しんでくれるのかとめちゃくちゃ緊張しましたが、収録後「本当に知らないことだらけでVTRもすごく楽しかった」と言ってくださって、ほっとしました。この番組は、川島さんや指原さんがどう楽しむかによって番組の色が変わっていくと思うので、今後もVTRのクオリティーを高めていきたいと思います。

――番組を作る際、多くの方に番組を見てもらうために意識していることはありますか?

番組を通して発信する情報って「情」と「報」という言葉でできてますが、僕は「情」と「報」の間のどの辺に軸を置いて番組を作るかということを考えています。「情」は“笑い”“感動”を与えるなど、エンタメ要素の高いもので、「報」は主にニュースです。

僕が「初耳学」を作った時代(2015年頃)って、「報」に8割くらい傾いてた時代だったんです。でも、今は新型コロナウイルスの影響もあって、「情」に寄っていると感じます。例えば、コロナ前に放送されたABCさん制作の演芸番組の世帯視聴率が、夜7時台の放送で5%だったんですね。でも、コロナ後に同じ時間帯で再放送したら、視聴率二桁取ったんですよ。そのくらい視聴者の方ってその時々で「情」と「報」を求めるバランスが変わるんです。なので、そこのバランスがパキっとハマるようにいろんな企画を当てていきたいなと思います。

――月曜夜10時台の枠は、「しゃべくり007」(日本テレビ系)や「報道ステーション」(テレビ朝日系)のほか、この秋から綾野剛さん主演のドラマ「アバランチ」(フジテレビ系)も加わりました。この枠で他局の番組と勝負することについてはどうお考えでしょうか。

なかなか厳しい枠ですが、まずは同時間帯1位を目標にしています。「こういうことをすれば数字が取れる」という意識では太刀打ちできない環境であるなと思っているので、最終的に一番高いところに行くためには、愚直に1人ずつ、番組のファンを増やしていくしかないなと思っています。

■自分の成功体験ではない方法でいろんな実験をしている

――夜10時台の枠の番組を作る上で、意識されていることはありますか?

夜10時台って以前に比べて視聴率が取れなくなっているんですが、今定着している番組って、情報性よりも“楽しい”番組ばかりなんです。なので、理屈がなくゆったりと楽しめるというものを意識しています。

僕はいつも編集するときに、視聴者を飽きさせないように“腹八分目”のところで次の企画に切り替える構成をするんですが、ゆったりと楽しめる番組にするために、今回のVTRは僕の想定の倍の尺を使って構成しています。「過去にこういう方法で数字(視聴率)取れたもんな」っていう方法を取っ払って、自分の成功体験ではない方法でいろんな実験をしているので、99%は恐怖を感じています(笑)。

――時代の空気を読みながら試行錯誤されているのですね。

1995年〜2007年に日曜夜10時台に放送していた「ウルルン滞在記」(TBS系)は、夜10時45分くらいに滞在先の人たちとリポーターが涙ながらにお別れする番組のピークとなる場面が描かれていて。当時は、クライマックスのその場面までみんな見続けてくれていたんですが、だんだん待ってくれない時代になったんです。なので、2015年に立ち上げた「初耳学」では、夜10時1分に驚いてほしいと思って構成を考えました。以降、だんだん情報性よりも理屈なくテレビが見たいという雰囲気がこの数年で高まってきたので、「アピ〜ルちゃん」には、今僕が夜10時台の番組を作るとしたらこのくらいのエンタメ性だろうなというものを反映しています。

一方で、バラエティーだけに振っている番組とか、自分に関係ないと思ったお笑い番組ははじかれてしまう感じもあるので、世の中との接点をキープしておきながら、視聴者の皆さんが興味を持って楽しんでいいただける番組にしたいと思っています。ぜひ見ていただけたらうれしいです。

■10月18日(月)放送「100%!アピ〜ルちゃん」ラインアップ

新幹線の引退でなぜファンたちは号泣するのか?マニアに密着し別れ際に涙するほどの魅力を代わりにアピール!
ニュースでも見かける電車車両の引退シーン。大勢の鉄道ファンが集まり、中には号泣している人も見受けられるが、川島が「ラストランを見て涙を流すなんてすばらしいですけど、僕たちが見ても分からないんですよね…」と言うとスタジオゲストも共感。そこで、「Max」の愛称で親しまれた国内唯一の2階建て新幹線車両「E4系」の引退がどれほど魅力的なことなのか、NMB48・渋谷凪咲が”アピールちゃん“として調査する。

24時間ずっと一緒でケンカばかりの夫婦。それなのに、なぜ平気なのかを勝手にアピール!
パンサー・向井慧が“アピールちゃん”として、「結婚歴60年の食堂を切り盛りする夫婦」「月収200円以下のどん底夫婦芸人コンビ」「結婚歴33年の定食屋さん」といった3組の夫婦を、計116時間かけて密着取材。「ケンカばかりするのに私生活も仕事もずっと一緒に過ごす夫婦は平気なのか?」という疑問を抱きながら夫婦を取材し、「夫婦が崩壊しないコツ」を掘り下げる。

SNSで話題を集めた謎のアピール広告を出している会社に潜入!
2021年5月にSNSで大きな話題となった「東北議事録センター」という謎の広告。広告には「東北弁・東北なまりのテープ起こし、お任せください」と書かれているが、東北弁の翻訳だけでやっていけるのだろうか。そこで、ディレクターが”アピールちゃん“として謎の広告を出している会社に潜入し、自慢できるところや信用してもいいというところを勝手にアピールする。