福士誠治が映画初主演を務め、2021年1月から公開された映画「ある用務員」のイベント上映が10月15日に都内で行われ、トークセッションに福士と阪元裕吾監督が登壇。二人が囲み取材に応じた。

数多くのバイオレンス映画を手掛ける阪元監督による完全オリジナルの本作。裏社会を牛耳る総裁の真島善喜(山路和弘)の娘・唯(芋生悠)のボディーガードとして訓練を施された殺し屋・深見晃(福士)が一人の少女を守っていく姿を、クライムノワールな世界観で描いた。10月25日(月)にはDVDがリリースされる。

現在、「ある用務員」に殺し屋役で出演した高石あかり、伊澤彩織がW主演を務め、阪元監督がメガホンを取った映画「ベイビーわるきゅーれ」が公開中。池袋シネマ・ロサでは、「ある用務員」「黄龍の村」「最強殺し屋伝説国岡」と合わせ、阪元監督4作品連続上映が10月15日から21日まで行われている。

■現在も一部劇場で公開

25歳ながら注目を集める阪元監督について、福士は「何年も作り続けていたら悩むこともあると思うのですが、今は溢れ出る何かをすごく感じる。僕も一緒にやらせていただいて楽しかったですし、今後もいろいろな発想を持ってやってもらって、ちょっとの役でも必要だったらいつでも呼んでもらいたいし、作品の中ではついていきたいし、僕らの知らない感覚みたいなものは教えてもらいたいですね」と称賛。

阪元監督は、「ある用務員」の反響について「塚口サンサン劇場という自分の地元の映画館があって、そこでまた10月22日から『ある用務員』の1週間限定上映が始まるんですけど、ありがたいですね。ジャンル映画なんでどこまで広がるか分からないですけど、邦画の中では異色じゃないですか。後半ずっと闘っていたり(笑)。それを受け入れてもらえたのはうれしいです」と喜ぶ。

■阪元裕吾監督「大作にはない魅力」

撮影は、2020年春の緊急事態宣言が開けた直後に行われた。阪元監督は「世間がピリピリしていた中で、物づくりをみんなで、俳優さんたちとやれている、お芝居を撮れているというところが、一番うれしかった」と、福士は「スタッフさん含めてみんなうずうずしていたと思うんですよ、ずっと家にいて。それが開けて、ガイドラインを守りつつですけど、いいよなぁという感じが、物を作るのがみんな好きなんだなと感じた現場でしたね」と振り返った。

また、阪元監督は「大作すぎるとシリーズありきだったりとか、そういうのがあると思うんですけど、『ある用務員』はそこではない魅力というか、本当にどうなるか分からないし、脚本が自由なので。学校に殺し屋みんなが来て、用務員が女の子を守って闘うみたいな、正直“中学生の妄想”みたいな話じゃないですか。それを一本の映画として成立させる。アクションには企画が大事だと思っていて、そこを練らないとアクション好きの人だけにしか見てもらえないので、それをちゃんと考えて、広まってもらえたらなと思っています」と語る。

「日本ではなかなか土壌のないアクションの映画で、オリジナル企画、しかも渋い方のアクションというか、いろんな殺し屋も出てくるし、唯と深見の奇妙な関係とかもあり、深見と真島の一筋縄ではいかない人間模様などもラストに集約されているという、本当にこういう映画はなかなか見られないと思うので、そこを入口にして、いろんなアクション映画に触れていただいて、アクション映画が活性化していけば…僕がうれしいので(笑)」とアクション映画への思いを明かした。

■福士誠治「コソコソ自慢ができる作品」

一方、福士は「いっぱい闘っていて、銃アクションやナイフアクション、元プロレスラーのような人だったり、暗殺者のジャンルというのをDVDで見てもらえたらいいなと思います。みんな殺しに来ているという一貫性を持っているのですが、殺し屋によって僕の闘い方が変わる。そういうところを何度も見られるのはDVDならではなので。手数がいっぱいあった後にプロレスラーに投げられるとか、銃はちょっといいなとかね…肉弾戦が一番疲れるので(笑)」と、自身の撮影での苦労を告白しつつ、見どころを紹介。

「サブスクなどでも見られる時代ですが、『アクション映画で何好き?』という話題で『ある用務員って知ってる?』『え? 知らないの? 面白いよ』みたいな、コソコソ自慢ができる作品だと思います。アクション映画の話になったときに、この作品を思い出してくれたらいいなと思いますので、ぜひぜひ一家に一本、買っていただけたらうれしいなと思います」と、DVDをアピールした。

※高石あかりの高は正しくは高「はしご」