ジャニーズJr.のYouTubeチャンネルが150万登録を突破し、勢いが止まらない。「なにわ男子」「Travis Japan」「HiHi Jets」「美 少年」「7 MEN 侍」「少年忍者」…これらはすべてジャニーズJr.、ジャニーズ事務所の所属でまだCDデビューしていないタレントによるグループだ。(なにわ男子は11月12日にCDデビューすることが発表されている)「まだCDデビューしていない」と聞くと下積み期間という印象を受けるかもしれないが、ジャニーズJr.はデビュー前からグループを組んで活動しており、抱えているファンの数は非常に多い。特に最近ではYouTubeやSNSの活用、地上波テレビ番組への登場の増加などによって知名度がさらにアップし、その影響力には様々なジャンルの企業からも注目が集まっている。ジャニーズJr.の活発な企業タイアップ展開や、それを可能にするタレントパワーの源泉について紐解く。

■155万人登録に至るジャニーズJr.チャンネルの歴史と、その影響力

ジャニーズJr.の影響力について言及する上で、2018年からのネット本格参入は非常に大きな出来事だ。かつてのジャニーズ事務所はネット活用について慎重な姿勢をとっていたが、2018年3月YouTubeに「ジャニーズJr.チャンネル」が開設された。開設当初はSnow Man、Travis Japan、SixTONES、美 少年、HiHi Jetsが曜日ごとに担当、2019年にはSnow ManとSixTONESがCDデビューに伴い個別チャンネルを持ったため、後任として少年忍者と7MEN侍が参加。さらに2021年からは、なにわ男子、Aぇ! group、Lilかんさいという関西ジャニーズJr.の3組も加わった(なにわ男子はデビューに伴いJr.チャンネル卒業を発表し、単独チャンネルを開設済み)2021年10月現在のチャンネル登録者数は155万人にものぼる。

個々のグループ単位の影響力も非常に大きく、例えばHiHi JetsはジャニーズJr.チャンネルにアップされたMVがわずか1週間で100万回以上再生されている。また2021年9月にはTravis Japanがダンス動画に特化した単独YouTubeチャンネル「+81 DANCE STUDIO」を開設した。デビュー前グループの単独チャンネルは初となるが、ダンス動画のみで既に29万人を超える登録者を獲得している。

YouTube進出によって、元々存在していた多くのJr.ファンが数字という形で可視化されたことに加え、新規層がJr.を知るきっかけも圧倒的に増加した。ジャニーズJr.チャンネルではパフォーマンスの動画だけでなく、クイズや大喜利、料理やロケものなど、グループそれぞれのカラーを生かした様々な企画がアップされており、メンバー達自身がYouTubeでやりたいことを話し合う企画会議も見られる。タレントそれぞれの人となりや、グループ内の仲良し感に触れることができ、興味を持ちやすくなっている。グループを横断したコラボ動画や、卒業したデビュー組のゲスト出演などもあり、芋づる式にタレントを覚えていく環境が整っているのがわかる。

その他のネット施策について補足すると、ジャニーズJr.個人でのSNSアカウントは存在しないが、Travis JapanのInstagramアカウントのようにグループ単位での発信は一部行っている。また「ISLAND TV」という独自サイトに動画メッセージを掲載することで、SNSのようなメンバーによる気軽な投稿を可能にしているが、こちらはあくまで日常的な発信や出演作の告知といった内容にとどめており、タイアップなどは行っていない様子だ。


■企業から熱視線、”案件”もファンに喜ばれるコンテンツに昇華

ジャニーズJr.チャンネルが非常にパワーのあるメディアであることは前述の通りだが、企業による提供動画も存在する。ここ数カ月分を見ただけでも、以下のようなタイアップ案件がアップされている。

なにわ男子「ローソン ウチカフェスイーツ」「エスティ ローダー」/HiHi Jets「リッツチーズサンド」「美酢」/美少年「オルビス クリアローション」「SOYBIO豆乳ヨーグルト」「ジョンソン ベビーオイル」/7 MEN 侍・少年忍者「ハーゲンダッツ」/7 MEN 侍「ヘルシア myリズム」「SUGAO(ファンデーション)」/少年忍者「DROAS(ボディソープ)」/Aぇ! group「梅田スカイビル・空中庭園展望台」「志摩スペイン村」/Lil かんさい「モッチスキン(シャンプー・トリートメント)」/Travis Japan「かむかむシリーズ」「ロゼット(洗顔料)」「サン・クロレラ」「水陸両用バス スカイダック」「ロクシタンジャポン(オードトワレ)」「桃太郎電鉄」…等々。

これらの事例は一部だが、食料品、飲料、日用品、レジャースポット、コスメ、ゲームなど、幅広い業種の企業の案件動画が継続的に配信されている。またタイアップ案件となるとユーザーが広告色を嫌って再生数が通常動画より落ち込むYouTuberも存在する中、ジャニーズJr.チャンネルの案件動画は通常動画と遜色ない(時には上回る)ことからも、ファンの熱量の高さが感じられる。

YouTubeにとどまらず、デビュー前ながら企業CMに抜擢された例もある。なにわ男子は2020年から継続して森永製菓「ハイチュウ」のTVCMに起用されており、美 少年は2021年7月にBIGLOBEのモバイルサービスブランド「donedone(ドネドネ)」TVCMに出演した。またTravis Japanは2021年8月からアパレルブランド「ANREALAGE」とオンワードによる協業ブランド「ANEVER」のCMキャラクターに起用され、大きな反響を得ている。

■強大な“ファンの愛”がパワーの源泉

ジャニーズJr.はなぜこのような圧倒的訴求力を持っているのか?彼らが皆魅力的なタレントであるということは無論だが、加えての理由のひとつは、逆説的ながら彼らがまだCDデビューしていないということだろう。自分の応援しているタレントがデビューするかどうか決まっておらず、彼らの未来がまだ未知数だからこそ、ファンはデビューを実現するために事務所へのアピールとして、非常に熱心に応援するのだと思われる。その応援手段は多岐にわたり、SNSでYouTube動画の視聴を呼びかけたり、コラボ商品を積極的に購入・口コミするといった動きに加え、よりダイレクトな宣伝として、タレントの魅力を紹介するための宣伝画像(愛を込めて「ステマシート」と呼ばれている)を作って拡散したり、タレントのタイアップ実績ページをファンが非公式に作成したりといった例までもがみられる。

なにわ男子が11月12日にシングル「初心LOVE」でCDデビューすることは先日発表されたが、ジャニーズJr.のグループは前述のとおり多数存在し、さらに特定のグループには所属せずに活動しているJr.もたくさんいるため、応援するタレントのデビューを待ち望むファンは多い。地上波ドラマやバラエティ、映画などへのJr.の出演事例は非常に増えており、活躍している姿は現状でも色々と見られるとはいえ、なにわ男子デビュー発表時の反響の大きさを見ると、やはりファンにとってCDデビューは念願であるということがうかがえる。今後もジャニーズJr.を応援するファンの圧倒的熱量は続きそうだ。