異世界からの侵略者・近界民(ネイバー)と戦う組織を描いた、葦原大介のSFアクション漫画「ワールドトリガー」がついに舞台化。「ワールドトリガー the Stage」として、11月19日(金)より順次、東京・大阪で上演される。脚本・演出を務めるのは、小劇場から2.5次元舞台まで、多彩な作品を手掛ける中屋敷法仁。“原作愛”あふれる中屋敷の下、今回のために考案された新たな演劇表現“フィジカライブ”で原作の世界を再現するという。果たしてどのような作品に仕上がるのか…まだ誰も見たことがない舞台版「ワールドトリガー」のヒントを得るべく、空閑遊真役の植田圭輔と三雲修役の溝口琢矢、W主演を務める2人にインタビューを敢行した!

■相性はすでに抜群! お互いの印象は…
――お2人は本格的な共演が初めてとのことですが、お互いの印象はいかがですか?

植田 初めて会った瞬間から好印象しかありません! 少し話しただけでも芝居が好きだということを感じたので、これから稽古で確かめたいと思います(笑)。

溝口 植田さんの印象は、強い人。僕が出演した舞台に植田さんが1日だけゲスト出演されたことがあるんですよ。しかも“悪の長”みたいな役柄で、セリフ量が半端じゃなかったんです。僕たちはずっと稽古をしてきましたが、植田さんはその日に台本を渡されて、数時間後に本番で…。それでも植田さんからは「キツいな」というような言葉を一切聞かず、本番で完璧にやり遂げられていて、「この人は強い人だ」と思ったことを覚えています。それは今も変わりません!

植田 あれは僕もよく覚えています。心の中では「マジかよ、キツいな」と思ってましたから(笑)。でもそうやって覚えてくれていたのはうれしいし、幸せなことですね。俳優仲間やスタッフから“いい役者”、“いい人間”と感じてもらえるのは、すごく大切なことだと思っているので。

溝口 植田さんの“強さ”の理由は稽古場で確かめたいです。“秘密を暴く”というより、きっと感動して終わると思うんですけど(笑)。

■“確信的で壮大なウソ”でマンガの世界を舞台上に
――最初に「ワールドトリガー」を舞台化すると聞いたときは、どのように感じましたか?

植田 まずは「どうするの?」って(笑)。

溝口 間違いない(笑)。僕も驚きました。僕はこれまで2.5次元舞台と呼ばれる作品を見にいく側で、そのたびに「こうやって表現するんだ!」と素直に楽しんでいたんです。その感覚を“作る側”として味わえるのはワクワクします。お話をいただいたときも、びっくりするくらいマイナスな印象がありませんでした。さらに演出家が中屋敷さんで、共演者に植田さんがいらっしゃると聞いて、すぐに「頑張ります!」と。

植田 そうだね。僕も今はワクワクしています。稽古場では「そんな風に表現するの!?」という面白い表現がどんどん出てくると思うんですよ。でも、不思議と“それしか正解がなかった”かのような演出を中屋敷さんはされるはず。良い意味でお客さまの想像を裏切るような表現も生まれるんじゃないかなと思っているので、すごく楽しみですね。

溝口 しかも、今回は“フィジカライブ”という新たな表現方法を掲げていますからね。僕ら俳優の仕事はすてきなウソをつくことですが、そのウソのつき方が、2.5次元舞台はより確信的というか、より壮大な表現になると思うので、楽しみにしています。全部が楽しみ過ぎて、逆に楽しみ過ぎないようにしなきゃ(笑)。

――溝口さんのお話にもありましたが、“フィジカライブ”とはどのような表現になりそうでしょうか?

植田 まだ詳細は聞いていないのですが(取材は9月中旬)、中屋敷さんと少しお話をして、間違いなくめっちゃ汗をかくんだろうなということは分かりました(笑)。今回は特に「あれ、どうやって表現するの?」がいっぱいあると思うんですよ。でも舞台では、意外と身近なもので表現できたりする。舞台の楽しみはお客さまに想像していただくことなので、こちらは発想の“素”をお届けして、皆さんに想像して楽しんでいただきたいです。

■「ワートリ」の面白さは意外と身近な“人間模様”
――お2人は、「ワールドトリガー」という作品自体の魅力は何だと思いますか?

植田 練り込まれた戦いの進行や勝敗のつき方、勝因や敗因がすごく細かく表現されていますよね。あとは人間模様。僕らが体験できないような世界で生きている彼らではありますが、意外と身近に感じられるような物語であるところも魅力だと思います。

溝口 最初は「人間たちが協力して近界民と戦ってくのかな」と思いきや、こっちの世界はこっちの世界で競り合いや派閥争いがあるところが面白いですよね。ただそれは何のためかといえば、近界民と対抗するためでもある。目的は同じでもやっぱり競り合いはあって、そういう人間味のあるところがリアルですし、読者をとりこにさせるポイントなのかなと思いました。

――“SFアクション漫画”とはいえ、リアリティーがありますよね。

溝口 そうですね。最初は“こっちの世界VS近界民”のハッキリした構図で「人間たちが力を合わせて戦います!」という物語を想像していたんですが、人間たちの内部でも「どうにかしてこの人に勝って、戦いに行くんだ!」という虎視眈々とした思いや考えがある。僕はそこに魅力を感じました。

――今回の共演者や登場キャラクターの中で、お2人が気になっている人はいますか?

溝口 キャストさん全員に興味があります。お会いしたことがある方のほうが少ない現場ですし、皆さんわりと年齢が近いんですよね。それも含めて、作品をゼロから作り上げていく上で気になります! 早くコミュニケーションを取って、皆さんのことを分かりたいです。こういう対談をさせていただけるのであれば、みんなとしたい(笑)。今回は特に、それぞれの性格も踏まえて作り上げた方が、この作品の魅力になるんじゃないかなと思っています。一言で言えば、話したい! 話しかけたい(笑)。

植田 僕が気になる人、気になるキャラクターは、高橋健介演じる迅悠一。僕たち2人ともよく知っている健介が、迅をどう演じるのか気になります。ビジュアルは悔しいくらい完璧ですよね。本人もきちんと演じたい気持ちが強く、プレッシャーも感じているでしょうから、「どう演じるのか、見せてもらおうか!?」とワクワクしています(笑)。こうやってプレッシャーをかけたら健介は嫌がるだろうけど(笑)。

溝口 嫌がるだろうな〜(笑)。でも今回の舞台、最初に迅の見せ場がめちゃくちゃありそうですよ。

植田 迅、かっこいいよね〜。

溝口 かっこいいです! でも「ワールドトリガー」って、キャラクター全員等しくかっこよくて人気がありますよね。それがすごいなと思います。

■「これが舞台版!」と胸を張れる作品に!
――それでは最後に、今回の舞台で楽しみにしていること、期待してほしいことを教えてください!

植田 このタイミングで「ワートリ」が舞台化するんだ!と思われた方や、今回初めて舞台を見るという方もいるかと思うので、“一番高いところ”を目指して作り上げたいと思っています。われわれ舞台人が舞台化する意味や「ワールドトリガー」という作品の魅力を、しっかりと表現していきたいですね。「これが舞台版の『ワールドトリガー』だ!」と胸を張って言える作品をお届けするので、楽しみにしていてください。

溝口 舞台を上演することが簡単ではないご時世ですけど、その中でさらにチャレンジできるなら、こんな楽しみなことはありません! この記事を読んでいて、“「ワールドトリガー」は知っているけど舞台は見たことがない”という方。この方は間違いなく見にくるべき。“「ワールドトリガー」は知らないけど、舞台は好きだ”という方も見にくるべきです。そして原作も舞台もどっちも知らないという方、それならより見にくるべき!(笑)
ある意味、僕も皆さんと同じ視点です。「2.5次元舞台って、どうやって作り上げているの!?」と。今は疑問だらけでワクワクしていますが、不安はありません! それは、皆さんが確固たるものを持っているから。中屋敷さんの脚本には原作を読んだワクワクが閉じ込められていますし、皆さんはただこのエンターテインメントを楽しみにしていただきたいです。エンタメは大切ですから!