さらば青春の光(森田哲矢、東ブクロ)が、今年1月〜4月に行われた単独ライブツアー「四季折々」のDVDを発売する。同ライブツアーは本来昨年開催予定だったものの、新型コロナウイルス感染拡大の影響で全公演中止に。一年の延期期間中、森田は「もっといいネタはないか」とブラシュアップに励み、その結果「ネタの半分は変えた」という。こうしたネタ作りに対するストイックさは、さらば青春の光のYouTubeチャンネルにおいても発揮される。安易な動画を作るのではなく「面白い企画を考えているほうが楽しい」と、作り手としての矜持をうかがわせる森田。一方の東ブクロは、「何も知らずに当日集合場所に行って、何かされるだけ」とラフに撮影に臨んでいることを明かした。

■「ネタの半分は変えた」単独ライブツアー、テーマソングは川谷絵音

――今年1月〜4月に開催された単独ライブツアー『四季折々』のDVDが発売されます。少し前のことになりますが、まずは本ライブツアーの感想から聞かせてください。

森田:ひとまず、開催できて良かったということに尽きます。ツアーの最後のほうでは、ちょうど2回目の緊急事態宣言が解除されたタイミングだったこともあって、お客さんを8割〜10割入れてライブができましたし。

東ブクロ:一年延期しての開催で例年よりも準備期間が長かった分、森田も余裕をもってネタを精査できたんじゃないかなと思います。

森田:憶測でしゃべってますね(笑)。でも結局、そんなに余裕はなかったかな。延期していた間も「もっといいネタはないか」とずっと考えてブラッシュアップしてましたし、去年やろうと思っていたネタの半分は変えましたから。

――ライブの見どころはズバリ何でしょうか。

森田:やっぱりテレビではできないネタをやっているところですかね。あとはセット。前々回の単独ライブ「真っ二つ」から引き続き、演出家として入ってもらっているマンボウやしろさんにお任せしていて、他のライブでは見られない豪華なつくりになっています。

東ブクロ:今回のライブでは衣装さんが入ったんですよ。そのおかげで、以前の単独では1本目と2本目のコントで靴が一緒…みたいなことがあったんですけど、そういう粗さがなくなりました。全体的に衣装のクオリティが上がって、お客さんはコントに入り込みやすくなったように思います。

――ライブのテーマソングは、川谷絵音さんが書き下ろしています。

森田:絵音さんは、2019年の単独ライブ「大三元」もテーマソングを書き下ろしてくださっていて、今回もお願いしました。本来1曲だけ作っていただく予定だったんですけど、1年延期されている間に気を利かせてもう1曲書いてくださったんです。こっちとしては、オープニングとエンディングで別の曲を流せるから、なんか得した気分で。僕らよりも、絵音さんのほうが1年かけてブラッシュアップしてくれましたね(笑)。

――1年延期しての開催。ファンの方は心待ちにしていたようで、チケットは全公演即完売でした。

森田:本当にありがたいですよね。今回のライブでは、新規のファンの方が増えた印象があります。この1年間、YouTubeに精力的に取り組んできたから、きっとその影響もあるのかなと。

東ブクロ:あとは、最近まで乃木坂46の4期生と番組をしていたから、僕らのネタに興味を持ってくれた乃木坂ファンも来てくれたような気もします。

■5つのチャンネルを展開するYouTube、中国語チャンネルも

――今YouTubeのお話が出ましたが、さらばさんは現在、「さらば青春の光Official Youtube Channel」と「裏さらば」「五反田ガレージ」「さらば青春の光東ブクロのゴルフ学校」と4つのチャンネルを展開してますよね。

森田:実は、チャンネルは5つやっているんですよ。その4つ以外に、あまり世に知られてないんですけど、中国語字幕を振ったネタ動画をアップする「中国語チャンネル」というチャンネルを、「中国って儲かりそう」という軽いノリで去年の7月から始めていて(笑)。それこそYouTube経由で僕らのことを知ってくれたのか、動画のコメント欄に中国語で「これは公式なのか?」とか「次いつ上がるんだ?」とかメッセージが来たこともあって、どうやら、中国人のファンが多少いるみたいなんですよ。なぜか若干需要があるみたいなので、もしかしたら将来的に、中国で単独ライブができるかもしれないですね(笑)。

――「中国語チャンネル」があったとは、知りませんでした。では、これらのチャンネルはどういったすみ分けで運用しているのでしょうか?

森田:メインチャンネルは、本当におもろいと思ったことをやっています。逆に「裏さらば」は、凝った企画をやらずに、「ご飯を食べるだけ」みたいなオフ感のある動画をアップするように意識してます。「裏さらば」と「東ブクロのゴルフ学校」は、やっぱりブクロも仕事がないからといって、1円も生まんかったらしゃあないし、多少働かせなければならないので開設しました(笑)。
最後の「五反田ガレージ」は、単純に僕が自粛期間中にYouTubeでDIYの動画をずっと見ていてやりたくなったんですよね。そこで、10年近く僕らに付いてくれている、DIYが得意な放送作家の廣川(祐樹)に、色々なモノを作らせるという名目で始めました。

――「五反田ガレージ」では、DIYだけではなく色々なことに取り組まれていますよね。たとえば、車でドライブするだけの動画があったりとか。

森田:いや、全部DIYです。車に乗ってるのだって「乗車DIY」ですし。結局、人生ってすべてDIYじゃないですか?(笑)。まあ正直、動画の中で僕はDIYをそんなにやっていないわけなんですけど、このチャンネルを作ってから、どんどんDIY関連の仕事が来るようになりました。だから毎回、仕事をくれる方には「うちのチャンネルちゃんと見ました?DIY俺、やってないですよね?」と確認するようにしています(笑)。

■森田が明かす“生みの苦しみ”「打ち合わせは撮影日の朝に終わる」

――最近ではAマッソの結婚報道があった直後に、彼女たちのラジオ番組に乱入する「裏さらば」の動画も話題を呼びました。

森田:あれは偶然の産物ですね。Aマッソの報道があった日はたまたま「裏さらば」の撮影日で、以前購入していたボードゲームを使って遊ぶか、ぐらいの気持ちでいたんです。そしたら、直前でマネージャーが「どえらいニュースが出た」と。僕としては、日を空けずに鮮度の高い状態で動画にしたかったので、当初の予定を全部なしにして、Aマッソのラジオにゲリラ的に突撃したという感じです。最後は東ブクロと村上がキスして…(笑)。

東ブクロ:望んでやったわけじゃないですから(笑)。

――では、Aマッソの動画以外で、手ごたえを感じた動画・印象に残っている動画は何でしょうか?

森田:個人的に気に入ってるのは、「花田優一イントロドン」です。いまだに大好きな企画で、思いついた時は「うおー!」ってなりました。最強のコンテンツを見つけたと興奮したのを覚えています。

東ブクロ:何だかんだで、僕のバイクが森田に金色のスプレーで塗られる動画ですね。芸人から評判が良くて、昨日もどぶろっくの森(慎太郎)さんに「まだあのバイクに乗ってるの?」って聞かれました。いやあれ、3年以上前の動画なんですよっていう(笑)。

――さらばさんのチャンネルでは、定番の動画やバズったコンテンツを模倣するYouTubeの文化とは一線を画する、オリジナリティに富んだ企画を次々と打ち出しています。そういった独創的な企画を作り続ける“生みの苦しみ”もやはりあるのでしょうか?

森田:そうですね。企画の打ち合わせは大体、動画撮影日の朝に終わるんですよ。しかも、朝の時点で何も思い付いてないこともザラで。「ちょっと1回帰って寝るか」となって、仮眠だけ取ってまた集まって考える…みたいなこともよくあります。

――そこまでして、YouTubeでしっかりとお笑いをやる意味は何なのでしょうか?

森田:まあ、そういうことがしたくてお笑いの世界に入ってきましたからね。「コンビニのスイーツBEST3」とか「人気のおつまみランキング」とかで再生数が回る人はやればいいと思うんです。でも、僕らは多分回らないし、キャラクター的にそういうことを求められていない気がするんです。それに、面白い企画を考えているほうが、自分たち的に楽しいんですよね。

――東ブクロさんは企画会議には参加されていないんですよね?

東ブクロ:はい。何も知らずに当日集合場所に行って、何かされるだけですから(笑)。「今日はこんなことやる」とも言わずにカメラ回しよるんで。この前なんか、わけがわからないまま終わって、動画ができ上るまで何が起こったのかわからない企画もありました(笑)。

森田:ブクロはどの仕事よりもYouTubeが一番リラックスしてやれてるんじゃないですかね。

東ブクロ:何も知らないわけだから緊張もしませんよ(笑)。

――最後に、お二人にとってYouTubeとはどんな場でしょうか?

森田:アピールの場ですね。「YouTube見てます」っていうテレビのスタッフさんがめちゃめちゃ多いので、YouTubeを頑張っていればテレビに呼んでもらえて、テレビを見た視聴者さんがYouTubeを見てくれる…といういい循環が既に生まれているような感覚があります。

東ブクロ:僕は最初「芸人やったらテレビに出てなんぼやろ」というスタンスで、YouTubeに抵抗感があったんですよ。でも、仕事がなくなった今は「YouTubeやっててよかった」と思っています(笑)。

文、撮影=こじへい