「第109回 ザテレビジョンドラマアカデミー賞」主演男優賞を受賞したのは、日曜劇場「TOKYO MER〜走る緊急救命室〜」(TBS系)でチーフドクターの喜多見幸太を演じた鈴木亮平。

どんな状況でも諦めない救命救急医で、どんな危険な場所にも恐れずまっしぐらに踏み込んでいく姿が多くの人に力を与えた。「手元が映る難しい手術シーンでの演技が、本当の医者のようでレベルが高いなと感じた」「どんなに切迫した状況でも、丁寧な言葉で的確な指示を出し、絶対的安心感を与える姿は、鈴木さんの醸し出す雰囲気にぴったりだった」「最終回で『喜多見先生が来ると何とかなるような気がする』というセリフがあったが、まさに“絶対的ヒーロー”だった」と、“医師・鈴木亮平”は強い支持を得た。

受賞を受けて鈴木の第一声は、「非常にありがたいのと同時に、ホッとしています」。「こういう時代だからこそ、希望を与えられるような作品にしたいという理想はあっても、それを形にするためにはすごくセンシティブな作業がたくさんあり、プロデューサーや監督の方々は大変だったと思うんです」と、スタッフの惜しみない努力が報われたことを喜んだ。

スタッフの思いは撮影現場でひしひしと感じられたようで、「最初にロケ現場の規模の大きさを見たときは、これは『これに見合う芝居をしてくれないと困るよ』という俳優部への挑戦状だなと思いました(笑)」と振り返る。「それに対して僕たちも『これぐらいのことはできますよ』と対抗し、お互いに無言のやり合いのようなものがあったので、現場では常にいい緊張感を生み出せていたのではないかと思います」。

話題になった手術シーンについては、「今回のドラマでわれわれキャストが誇りに思っているのは、手術シーンの手元の吹き替えをほぼ使わずに、自分たちでやったところです」と胸を張る。

続けて、「確かに吹き替えの方がする方が撮影の進行は早いですが、実際に僕らキャストがやるとリアル感が生まれます。アップのシーンでも、一瞬映った手が汚れていたり、きれいに結べなかった糸が付いていたりする。キャスト本人が実際に手元のシーンをやらなくても作れますが、やった方がクオリティーが上がるよねという環境を整えてもらえ、さらにその挑戦を面白がれるキャストが集まっていたので、あのシーンを作ることができたように感じます」と、キャスト・スタッフ双方がクオリティーを追及した結果生まれたシーンだったことを明かした。

(取材・文=及川静)