26時のマスカレイド(ニジマス)のセンター・来栖りんちゃんが、毎回テーマに沿ったひとり語りと直筆のイラストで紡ぐパーソナル連載!vol.2のテーマは、りんちゃんが所属しているアイドルグループ「ニジマス」。オーディションから今に至るまで、ニジマスへの想いの変遷を語ってくれました。
■vol.2テーマ「ニジマス」…「オーディションの日は泣きながら電車に乗ってた」

私にとってのニジマスは、オーディションから結成、そして現在までの5年間で、その意味が大きく変わりました。最初は、正直に言葉にするなら「憂鬱な場所」(笑)。

ニジマスのオーディションは事務所に入ってから初めて受けたオーディションなんですけど、事務所のスタッフさんに「受けてみない?」って言われて、何も考えずに受けたんですよ。しかも、そもそも何のオーディションを受けているかさえわかっていなかったし、「オーディションって何をするんだろう?」っていうレベル(笑)。

だから、オーディションの最初の審査では自己紹介で名前を言うくらいかなと思ってたんです。人前に立つのは好きじゃないけど、自己紹介ぐらいならまぁいいかって。そしたら、「歌を歌ってください」って言われたんですよ。しかも、2曲も!

「2曲も歌える曲なんてないよ!」って思いました。カラオケに行くこともほとんどないから、自分の得意な曲もなければ、自分に合ったキーもわからないし。何も考えずに受けるって決めて、とりあえずのとりあえずみたいな気持ちで受けた自分のせいなんですけどね。

そんな感じで、何かを夢見て受けたわけじゃないからこそ、最初の審査でもう心が折れたんです。それからは、オーディションが進むにつれて憂鬱が増していって、オーディションに行く前の日は嫌な気分になっていました。それこそ、それまではメイクとかもしたことがなかったから、その準備も憂鬱で。

だから、オーディションの日の朝は泣きながら電車に乗って、嫌々オーディションを受けましたね。しかも、一人でオーディションに行けないから、お母さんと一緒に行って、事務所の近くのファミレスで終わるまで待っていてもらって。オーディションの審査が終わると、急いでお母さんがいるファミレスに行って、「やっと終わったよ〜」って(笑)。

だから、本気でニジマスに入りたいと思ってオーディションを受けていた人からしたら、ここまでの話を聞いただけだと、きっと腹が立つと思います。私自身、そんな自分がそのまま今のニジマスのセンターに立っているとしたら、本当に申し訳ないです。でも、そこから私も、「私にとってのニジマス」もどんどん変化していきました。

■ランウェイを歩いて“楽しさ”に気付く、愛着が生まれ「部活」のようだった
最初に変化があったのは、オーディションの最終審査で代々木第二体育館のランウェイを歩いたときでした。ランウェイを歩いていて、「楽しいかも!」って思ったんです。最後の最後で、やっと火がついたって感じですね(笑)。

それから「ここで頑張りたい」という気持ちが生まれて、合格してからはニジマスの活動に前向きな気持ちを持つようになっていきました。

とはいったものの、何も考えてなかった(笑)。単純に、「歌う!」「踊る!」「楽しい!」っていうだけだったし、当時は最年少でメンバーにもあまり気を使ってなくて、逆に周りが気を使ってくれていたので、よく言えば自由に伸び伸びと、悪く言えば好き勝手にやっていました。

だから、人付き合いでニジマスを辞めたいと思ったことは一度もないです。ちなみに、それは今も続いてるんですけどね。ただ、私自身は問題児だったと思います。まだファンの数も少なかったから、ファンの方のツイートも全部チェックできちゃうんですよ。

それで、私やニジマスに対して否定的なことをつぶやいている人がいたら、そのすべてに噛みついていくっていう(笑)。けっしてアンチじゃなくて、良かれと思って意見をしてくれているだけなんですけど、当時はアンチだとしか思えなかったんですよね。そのころは、褒めてくれない人は全員が敵に見えたっていうか(笑)。

もちろん、今はいろんな意見を聞くことができるようになりましたよ!でも、当時はそういう意味で問題児だったと思うんです。高2くらいのときかなぁ。あのころのニジマスは、私にとって「部活」みたいなものだったと思います。月に25本ぐらいライブがあって、学校が終わって、放課後ダッシュでメイクして会場に行って、そのままステージに立つっていう感じだっから。

■ニジマスは「誰かのために守りたい宝物」
私にとってのニジマスがそのあとさらに変化したのは、2018年に「制コレ'18」のグランプリを受賞して、個人でのお仕事が増えてきたことがきっかけでした。グランプリを受賞してから、いろんなお仕事を個人でいただいて、ツイッターのフォロワーが一気に3万人くらい増えたりして。

その中で、甘えてばかりじゃダメだと思うようになったんです。それと同時に、ニジマスのセンターだという自覚、ニジマスというグループに対する責任感も生まれてきて。それから、私にとってのニジマスは「使命」になりました。しんどいことがあっても、それを表に出したり、お母さんに当たったりすることもなくなったし(笑)、自分自身が大きく変わったと思います。

それから去年の6月に(中村)果蓮が加入して、今に至るわけですけど、果蓮以外の3人(江嶋綾恵梨、吉井美優、森みはる)とは結成からの5年間ずっと一緒にいます。時間が経てば経つほど、メンバーが好きになります。ニジマスのメンバーは、一緒に仕事をする仲間だし、プライベートのことも話す友達だし、相談に乗ってもらっているときはお母さんだし、そのうえで今の私にとってニジマスが何かっていうと、「守りたい宝物」なんですよね。

5人のうち誰が欠けてもダメだし、そんなニジマスを私は守りたい。ニジマスを始める前の私は、「誰かのために」と思ったことがあんまりなかったんですけど、今は「誰かのために」という気持ちも生まれています。

もちろんファンのために、自分の家族のために、そしてメンバーのために。だから、今の私にとってのニジマスは、「誰かのために守りたい宝物」ということになるんですかね。こういうことを言うと、メンバーからは「マジで重い!」って言われて笑われるんですけど(笑)。