清野菜名と坂口健太郎が“偽装夫婦”を演じる火曜ドラマ「婚姻届に判を捺しただけですが」(毎週火曜夜10:00-10:57、TBS系)。11月23日放送の第6話は、唯斗(高杉真宙)の言動に百瀬(坂口)が心揺さぶられる展開。恋愛に関して超天然な百瀬が自分の感情の変化に戸惑う様子を、坂口が好演した。(以下、ネタバレがあります)

「婚姻届に判を捺しただけですが」は、有生青春の同名漫画が原作。独身を謳歌(おうか)していた27歳の大加戸明葉(清野)と、“既婚者”の肩書きを手に入れるため出会ったばかりの明葉に偽装結婚を申し込んだ30歳サラリーマン・百瀬が織りなす“ふいキュン”ラブコメディー。6話では、百瀬と唯斗が同じ飲み会に参加し会話する場面などが描かれた。

明葉のことが気になっている唯斗は、落ち込んでいる明葉に「元気になるかな〜と思って」とキスしようとしたり、「アッキーのこと好きになってもいい?」とド直球に思いを伝えてきたり…。甘え上手の無邪気さで明葉を押して押して押しまくる。

さらに、唯斗は飲み会の席で百瀬に対しても「ハグって夫婦じゃなくてもしますよね?俺もアッキーとしましたし」「俺アッキーとは友達っていうか、親友ですけど」と優位に立とうとする。

そんな唯斗に少なからず影響を受けた百瀬は、明葉に「彼(唯斗)とのハグは、友達だから…ですよね?」と尋ねたり、さらには仕事のことで落ち込む明葉を励まそうと、突然のキス! 明葉の心を無自覚に揺さぶった。

■戸惑う百瀬「なんで僕はキスしたんでしょう」

坂口といえば、連続テレビ小説「おかえりモネ」(2021年、NHK総合ほか)で演じた超オクテな医師・菅波光太朗役の人気ぶりが記憶に新しい。

ヒロイン・百音(清原果耶)のことを早い段階から気にしながらも、つっけんどんな態度でなかなか心を開かなかった菅波。第1回から登場していたにもかかわらず、百音に初めて笑顔を見せたのは放送スタートから約1か月経った第23回。2人が気持ちを通わせ合う場面に至っては、第80回。全120回中、3分の2を過ぎた頃だった。

自分の中の百音に対する感情に気づいていないわけではない。それでも、戸惑いやプライド、劣等感、さまざまな感情が邪魔をしてなかなか素直になれない菅沼は視聴者の共感を集め、いつしか「#俺たちの菅沼」のハッシュタグがSNSを賑わせる人気キャラへと育っていた。

「婚姻届に判を―」の百瀬も、自分の感情を表現するのが苦手な、どちらかというと菅波寄りのキャラクター。だが、菅波との決定的な違いは、百瀬は自分の中に芽生えた恋の感情自体を自覚していない、という点だ。

第3話では、あまりにも純粋な百瀬にキュンときた明葉が「ハグさせてください」と抱きしめると「これが友情のハグですか?」と解釈。第4話では「友達ですから」と明葉に突如、心を開き始めてチャーミングすぎる一面を披露した。7話のキスも、もともとは唯斗の言葉を真に受けて“友達を励ますにはキスが有効だ”と信じ切ってしたものだった。

無自覚こそが百瀬の魅力。見たまま、聞いたままをそのまま受け取って素直に反応する百瀬には、心の奥にしっかり男性としての感情を潜ませる菅波とは異なる魅力がある。

そして、そんな百瀬が7話では唯斗に嫉妬するそぶりを見せ、「なんで、僕はキスをしたんでしょう」と自問する。友達としてのキスが、彼自身も気づいていない新たな感情を呼び起こすという微妙な変化を、坂口が丁寧に演じている。

11月30日(火)放送の第7話では、明葉が「百瀬さんのことが好きです」と告白する場面もあり、2人の関係が進展する予感。百瀬が自分の中に芽生えた感情にどう気づいていくのか、後半に差し掛かる“契約結婚”の行方に期待が高まる。