コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、塩田武士による小説「騙し絵の牙」を原作とする映画をコミカライズした作品「劇場版 騙し絵の牙」。小説は、著者の塩田が俳優・大泉洋を主人公と想定し、大泉と出版業界を実際に取材して書きあげた作品で、今年3月に大泉主演で映画が公開。2021年11月26日からNetflixでも配信が開始された。出版業界の裏側にスポットライトを当てた本作は、崖っぷちの出版社で繰り広げられる巧妙な騙し合いと逆転に次ぐ逆転劇が魅力で、SNSでも「ストーリー展開が二転三転しつつも人間の奥深い部分を描いていてかなりな傑作」などのレビューコメントが寄せられ、話題となっている。

■変わり者編集長 × 新人編集者が雑誌廃刊の危機と戦う
大手出版社の「薫風社」で働く新人の高野恵は、文芸雑誌「小説薫風」の編集者。新しい才能を持つ作家と出会える仕事にやりがいを感じ仕事に励んでいる。しかし、世は出版不況の時代。売上が上がらない雑誌は廃刊の危機に瀕していた。

一方、同じ薫風社で働くカルチャー雑誌「トリニティ」の変わり者編集長、速水輝も雑誌廃刊の窮地に追い込まれる。そんな中、薫風社の社長、伊庭喜之助が急逝。不採算事業は切り捨てるという会社の改革の流れに2人も巻き込まれていくことに。

また、新人賞の選考に参加した高野は、新しい作風の作家を推薦するも、雑誌の品格と合わないという納得のいかない理由で除外されてしまう。面白くて才能がある作家が理不尽な理由で落とされてしまうことに疑問を感じていた。

そんな中、「小説薫風」が月刊誌から季刊誌に変更されてしまうというニュースが。高野自身も大御所作家の二階堂大作に率直に小説の感想を伝え、機嫌を損ねてしまったことがきっかけで販売管理部に異動になってしまう。落ち込んでいる高野に、雑誌「トリニティ」の復興を目論む速水から小説企画をやらないかと持ち掛けられ…。

タイトルにある「騙し絵」とは、見方を変えると全く別のものが見える芸術作品のこと。自分が騙している側だと思っていたのに、いつの間にか騙される側に回っていたり…。タイトルに込められた“騙し絵”の意味とは…。本作後編で描かれる鮮やかな大どんでん返しに注目だ。

出版社の裏側を舞台に、「面白さ」を追求してもがく新人編集者、恐れ知らずの編集長があらゆる手を使って廃刊の危機と戦う様子を描いた本作。原作小説や劇場版はもちろん、テンポよく読めるコミカライズ版もぜひ読んでみてはいかがだろうか。