1月20日、映画「前科者」の公開直前舞台あいさつが東京・TOHOシネマズ日比谷で行われ、主演の有村架純が、共演者の森田剛、磯村勇斗、石橋静河、監督を務める岸善幸と共に登壇した。

本作は、原作・香川まさひと、作画・月島冬二による同名漫画を有村架純主演で実写化したもの。2021年11月から連続ドラマ版「前科者―新米保護司・阿川佳代―」が放送・配信され、1月28日(金)に映画版が公開される。

有村は、映画版・ドラマ版共に、不器用なほど真っ直ぐでユーモアも発揮するが、実は過去に秘密を抱えている保護司・阿川佳代を演じている。

登壇した有村は、「ちょうど1年ほど前にこの撮影をしていましたが、まだ気持ちはホットなまま、今日を迎えております。一刻も早く、世の中に起こっていることが終息できるように祈りながら撮影していましたが、なかなかそういうふうにはいかず…。でも、この作品を見て一筋の光を感じられるような、背中を押せるような作品になっていたらいいなと思います」と作品に込めた思いを伝えてあいさつをした。

完成した作品を見た感想を「台本を読んだときに抱いていた印象とは違って、すごくエンターテインメント性のある作品に仕上がったのではないかなと思います」と話した有村。さらに「本当に皆さんのお芝居が素晴らしくて、実力のある方々に囲まれて、自分がそこに参加できていたんだなぁっていううれしさをジワジワと感じながら見ていました」と笑顔で語った。

保護司という役については「まず、保護司がボランティア活動だということを、このお話をいただいて初めて知りました。人の更生を手助けするというのはどういうことなんだろう?と興味を持ちました」とのこと。続けて「佳代を通してそれを自分も感じていきたいなと思って、いただいた資料を読んだり、ドキュメンタリー映像を見たり、原作を読んだりすることで、佳代の本質的な部分と向き合って作っていきました」と、役作りについて明かした。

佳代の初めての保護観察対象者は、石橋が演じた斉藤みどり。みどりはドラマ版に続いて映画版にも登場し、佳代のバディ的な存在になっている。石橋は「(映画は)ドラマ版から3年後の世界なので、もうちょっと人間らしくていいかなって思って演じました。ドラマ版では出所して間もないときのみどりで、いろんな葛藤があったんですけど、3年たって、人としての責任が生まれたので」と、ドラマ版と映画版の変化を語っていた。

有村が「みどりさんという存在が佳代にとっての支えになっていて、私も現場で石橋さんの存在がすごく大きく感じていました。彼女がそこにいるだけで肩の荷が下りるというか、それぐらい和やかな中で撮影できましたし、撮影を進めていく中で『私は石橋さんのことを大好きだなぁ!』って思っていましたし、バディが石橋さんでよかったなぁって思います」と印象を語ると、石橋も笑顔で「大好きです!」と答え、「座長として、みんながついていきたくなるし、みんなを包んでくれる感じもあるし。だけど、話すとお茶目だし、本当に素晴らしいリーダーです!」と有村を絶賛し、“相思相愛”ぶりを見せつけた。

作品の内容にちなんで「勇気づけられたエピソード」を聞かれた有村は、「一緒に現場で過ごす時間ですかね。一つのところに向かって、みんなでギアを上げて、『いいシーンを撮るんだ』っていう熱量にすごく勇気づけられます」と俳優ならではのエピソードを挙げつつ、「すてきな作品を見たときにも勇気づけられますし、自分が出演した作品を見ていただいて『心に残った』と言ってくださることにも勇気づけられます。自分の周りにいる人たちの温もりを感じることで、さらに頑張ろうって思います」と続けた。

最後は「被害者とは、加害者とは、人とは…、さまざまなことを考えさせられる作品になりました。この作品を見ても正解はわからないかもしれないですし、正解はないのかもしれないですけど、人と人が寄り添うことは自分にもできることなのかなって思います。こういう世の中だからこそ、助け合うこと、寄り添うこと、許し合うことが必要なのかなって。それを、この作品のメッセージの一つとして届けることができたらうれしいです」と熱い思いを語り、舞台あいさつを締めくくった。

◆取材・文=田中隆信