ザ・チェインスモーカーズと、小説家・脚本家の宇山佳佑がコラボしたイラスト動画シリーズ「THE CHAINSTORIES/ひとつなぎの物語」が、ショートムービープラットフォームTikTokにて配信中。

6つの物語を書き下ろした宇山氏のインタビュー後半では、自身のベストセラー小説であり映像化もされた「桜のような僕の恋人」についてのエピソードなどを聞いた。

■大学生の頃に思い付いたお話です

――現在「桜のような僕の恋人」が中島健人さん主演、松本穂香さんヒロインで映像化され大きな話題を呼んでいますが、小説はどこから着想を得たのでしょうか。

この作品は僕が20歳ぐらいの時に思い付いたお話です。当時大学生で、脚本家になりたいとは思っていましたが、演劇とかをやっていたわけでもなく、ただ何となくお話を考えていただけで。その中で思い付いたお話で、当時はいつか形にしたいなと思いながら自分の引き出しの中にしまっていたんですが、ご縁があって小説を書く機会をいただいたときにこの物語を書きました。

■アイドルオーラを消した中島健人の演技に驚き

――ご自身の作品が映像化されたことの思いや、映画をご覧になった感想を教えてください。

原作を非常に大切にしていただいてありがたいという気持ちがまず一番です。映画という2時間くらいの作品になると、要素をそぎ落としたり、映画の表現として新しいものを加えたりといったことが出てきます。それでも今回の作品に関しては、原作の大事な部分を丁寧に描いていただきつつ、映画独自の要素も入れていただいたので、原作を読んでいただいた方もまた違う楽しみ方ができますし、原作を見ていない方にとっても非常に分かりやすく楽しんでいただけるお話になっていると思います。素敵な形で残していただけて感謝しています。

中島さんは以前から役者として活躍されていることを知っていましたし、バラエティー番組も拝見していました。彼はスーパースターでキラキラされている方なので、不器用でちょっとおっちょこちょいな晴人とのギャップがどんな風になるのかは楽しみでもあり、不安なところでもありました。ですが試写会で拝見した時に、アイドルオーラを消して晴人とというキャラクターに近付けているお芝居を見て、役者としてすごい方だなぁと感服しました。

松本さんは非常に可愛らしく、過酷な宿命を背負う役との振り幅が素晴らしいなと思いました。この映画は、もちろんお二人以外の皆さんの演技も含めてですが、中島さんと松本さんの演技や熱量によってここまで素晴らしい作品に仕立て上げられたんだなと感じました。


――今後描きたいジャンルや、題材はありますか?

今は恋愛小説に偏っていますが、今後はいろいろなジャンルを書きたいと思っていて、その中でもちょっとまったりした作品を書きたいですね。何も難しいことが起きない、ほのぼのした日常の些細な出来事を拾っていけるような作品。大きな事件や設定はなく、そこに暮らす人の心の変遷みたいなものを描くお話を作りたいです。

――ご自身は普段どんなジャンルの小説を読んでいますか?

実はほとんど小説を読まないんですが、同じ小説を何度も読むタイプの読書家ではあります。最近は遠藤周作さんの未発表小説が出たのをきっかけに、「深い河(ディープリバー)」など遠藤さんの小説を一通り読んでいました。その時々に「この人!」となったら、その方の作品をずっと読んでいますね。

■小説を書く時はプレイリストと主題歌を決めています

――今回の「THE CHAINSTORIES/ひとつなぎの物語」は音楽と小説のコラボになりましたが、宇山さんは日常でどのように音楽を取り入れていますか?

仕事をしている時が一番音楽を聴いていて、基本的には本と一緒で同じ曲を何度も聴くタイプです。今回はザ・チェインスモーカーズさんとのコラボだったので、その曲をたくさん聴かせていただきましたが、小説を書く時は自分の中でプレイリストだったり思い描く主題歌を決めて書いていて。小説に付随する挿入歌的な曲を探して、候補曲をとりあえず突っ込んでプレイリストにしています。

その中で「この曲をいっぱい聴くな」「この曲はマッチしているな」という曲が残っていって、最終的に同じ曲をリピートして何度も聴いています。曲は洋楽が多いです。外国語はあまり分からないので歌詞に引っ張られないところも小説を書く際にはちょうどいいですし、メロディーや歌い手の方の声や曲の雰囲気に心動かされます。

――執筆時は音楽が欠かせないツールになっているんですね。

ほぼ聴いていますね。シーンやセリフが込み入ってくる時や音楽があると引っ張られてしまう時は無音で書いたりもしますが、気分を上げたいときやリラックスしたいとき、その世界に没入したいときは音楽がスイッチになっているような気がします。

■化学反応が起こるようなコラボを

――今回はザ・チェインスモーカーズさんとのコラボでしたが、今後コラボしてみたい音楽やアーティストはいますか?

具体的にこのアーティストさんというのは無いですが、いわゆる化学反応が起こるような組み合わせがあったらいいなと思います。今回は僕の書きたいものを好きなように書かせていただいて、非常に恵まれた経験をさせていただきましたが、こういった機会はなかなかないことだと思います。今後機会があれば、アーティストさんの世界観を最大限くみつつ、アーティストさんにも僕の書くものを気に入っていただけて、相乗効果になるようなことができたらうれしいです。

――最後に「THE CHAINSTORIES/ひとつなぎの物語」を見てくれている方へのメッセージをお願いします。

まずはザ・チェインスモーカーズさんの楽曲がどの曲も素晴らしいので、楽曲を楽しんで聴いていただければと思います。ストーリーに関しても彼らの楽曲をサポートするものであると思っていますが、全6話見ていただく中で物語のつながりや、楽曲との世界観のつながりを楽しんでいただきたいです。