AKB48柏木由紀「自分を変えてまで好かれようと思わない」、たどり着いた“自分らしさ”とは
■「芝居は苦手」でも…ハロプロの番組だから断るワケがない!
――今回久しぶりのお芝居の仕事になりますが、いかがでしたか?
確かに久しぶりでしたね。私自信めちゃくちゃお芝居とか演技に苦手意識があるので、できればやりたくないと思っていました(笑)。でも今回の『真夜中にハロー!』はテレビを元々見ていて、放送が開始してからお話を頂いたので、私がAKB48に入るきっかけや、アイドルになりたいと思うきっかけをくれたハロプロさんっていう要素があったので、「これは断る理由なんてないだろう」と思いやらせていただきました。「やった方が良い」の気持ちが勝った感じです。
――今回は柏木由紀役としての出演です。台本を読んだ時どう感じました?
いろいろな悩みを話しているところは全部台本で、過去の私のインタビューから抜選してくれていて、自分でも忘れていたこともありましたが、自分が語っていたことなので、全くの嘘じゃないし自然と入ってきました。作中のハロプロに対する熱を話すシーンは、メンバーの前で話すとなると恥ずかしさもありましたが、台本なしで自由にお話しさせていただきました。
――今回ハロプロメンバーからも尊敬される“大アイドル”的なポジションでしたがいかがでしたか?
実際、映像見てみたらそんなことないですよ(笑)。アイドルの先輩柏木由紀と、ただのハロプロファンの柏木由紀、半々くらいでしたね。
■柏木由紀が語るハロプロ伝説…「プロのステージ」「絶対的に最強」「エネルギーを与えてくれる」
――あまり柏木さんが悩みなどを相談したりするイメージがないのですが、今回そんな貴重な姿も見られるということでしょうか。
そうですね。あまりカメラで、悩んでいるところを撮られたり、今回のドラマのように別のグループの方々に話すことはないので、あまり見せない貴重な柏木由紀が見られると思います。
――そんな柏木さんを支えているハロプロは柏木さんにとってどのような存在ですか。
話すとキリが無いんですが、いろいろなアイドルがいる中で、「どうしてハロプロがいいのか」というと、ステージに立つ時にプロでいてくれるという信頼があるんですよね。AKB48は成長過程を楽しむ要素もあると思うんですが、ハロプロさんは“絶対的に最強”と言いますか、応援する側がエネルギーを与えているとかじゃなく、与えてもらっている、みたいな。そういうファンを満たしてくれるところがハロプロの伝説であり、すごい存在だと思います。
■今はちやほやされたい気持ちは1ミリもない、YouTubeで自然体を発信
――ドラマではレアな柏木さんを見られますが、最近は柏木さんのYouTubeでも好きなことを発信したり、ファンの方に率直に意見を伝えたり、すっぴんを公開して大バズりしたり、レアな姿が見られますね。すごく自由に、屈託ない姿を披露されている印象です。
そうですね。「憧れたい」とか「凄いと思われたい」とかは1ミリもなくて、どちらかといえば何か共感してほしかったり、親近感を持ってもらいたい気持ちの方が強くて、ちょっとでも誰かの役に立ちたいと思って活動してます。
――そのように考えるようになったきっかけはありますか?
YouTubeは大きいですね。昔は、アイドルってキラキラしていて憧れられる存在で可愛いみたいなイメージを外では守ろうとしていたんです。でも、だんだん年齢もありますし、いっぱい若い新しいアイドルが出てきて、そこで勝負するのってもう厳しいなって思って。ステージ上はアイドル柏木由紀を頑張ろうと思っていますが、それ以外は、人柄を見てもらわないと長く続けられないなと思うようになりました。今はYouTubeでもありのままの姿を発信しています。そうしないとストレス溜まってしまうので(笑)
■“大アイドル”が行きついた自分らしさ…「ありのままの自分を受け入れてくれる人を大事にしたい」
――自分らしさをアイドル性と同じくらい、大事なものと考えているんですね。柏木さんは強メンタルの持ち主の方だと思います。
元々アイドルが好きで、私自身の理想像がすごく高かったので、アイドルはこうであるべきだ、ということを前は頑張っていたんです。その結果、多くの人が応援してくれて嬉しかったんですが、よく考えると、それは柏木由紀が好きなんじゃなくて、私が頑張った理想を応援してくれているんだと感じて、結局長くは続かないと思ったんですよ。自分をさらけ出して、それでも残ってくれている人たちって絶対的な信頼関係があるじゃないですか。なので、大人数に好かれたいとか、自分を変えてまで好かれようと考えなくなって、ありのままをさらけ出してそれを応援してもらいたいと変わりました。
――最近、アイドルの方が芝居をすることが増えていますが、今後柏木さんもお芝居をしたい思いはありますか。
20代の頃に結構やらせて頂いたので、あまりないですね。誰かを演じて、それを好きになってもらったらアイドル柏木由紀に持ち帰れないっていうか…。その役で好きになってもらうのは女優、俳優さんは多分それが大事だと思うんですが、結局私は、柏木由紀でやっていきたいって気持ちが強いので、その役になりきるのがしんどくなっちゃいますね。自分に嘘をつきたくないっていうのがあるので、今回本人役で、自分を活かせる役っていうのはとてもありがたかったし、楽しかったです。
※山崎夢羽の「崎」の右は「立」が正式表記。
取材・文 山田椋太