『ローマの休日』吹替キャストのコメントが到着!早見沙織「考え過ぎて分からなくなるところまでいきました」<金曜ロードショー>
放送に向けて、吹き替えを務めた早見と浪川から、収録の感想や作品への思いについてコメントが到着した。
■早見沙織コメント
――この作品の魅力は?
改めてこの作品を見て、時代関係なく世界観に一気に引き込まれる引力を持った作品だと感じました。白黒という世界の中でも、みずみずしさ、麗しさを保っていて、夢見るような出来事が次々と起こり、切なさもありつつ、とても魅力的です。とは言え、たった一日の出来事で、「人生を変える一日もあるんだな」と思わせてくれるすてきな作品だと思います。
――声の役作りで気を付けた事、意識した事は?
ずっと考えて考えて、考え過ぎて分からなくなるところまで一度いきました(苦笑)。
声優というお仕事を認知したきっかけがオードリー・ヘプバーンの作品で、(その時見た)池田昌子さんのイメージが自分の中にずっとあったのですが、それを踏まえて、けれども意識し過ぎずに、そこからどうやっていくのかと…。
まずは冒頭の王女として振る舞うシーンから、外では見せない普段のお転婆な姿のシーンへの切り替えを上手くできたらと思っていました。ただ最終的には現場でディレクターさんの指示を頂きながらスタッフの皆さんと共に作り上げていけたらと思っていました。
(担当した)安江ディレクターにはずっとお世話になっていて、王女のところは「もっと威厳を持って」とか、違うところは「違う」と言っていただけたので、信頼してアフレコに臨めました。
――大変だった点、苦労したシーンは?
王女としての冒頭のシーンからベッドルームのシーンに切り替わる時に、どれくらい変えるかで苦労しました。ベッドルームではダダをこねたり号泣したりと外では見せないお転婆なキャラクターになるので。
あと、真実の口のシーンは、二人のセリフが流れるように進んでいくシーンで、吹き替えを意識し過ぎるとずれていってしまうので大変でした。(先に浪川さんの声を録ってから)一人で録っただけに、緊張感もあり難しかったです。
■ベタですけど大好きです(笑)
――お気に入りのシーンは?
後半の、二人が追手から逃げるところから、お別れ、再会までの一連は全て好きです! あとは、ジョーとアービングのカフェでのコミカルなやりとりは、ベタですけど大好きです(笑)。
――お気に入りのセリフは?
最後の方で、「今回のご旅行で一番お気に召した都市はどちらですか?」という記者の質問に答えるアン王女のセリフ「ローマです。なんと申しましてもローマです。この地での、素晴らしい思い出は生涯忘れる事はありません」。
たった一日だけど人生で忘れられないロマンあふれるすてきな一日もあるんだな…という。このシーンのアンの雰囲気がかわいらしくてキュンとします。
――浪川さんのジョーはどうでしたか?
かっこよく渋い声で、「あっ、ジョーだ!」と自然に認識できました。ポツリと言う短いセリフでも、導いてくれるような感じがあって、とてもすてきでした!
■浪川大輔コメント
――この作品の魅力は?
白黒なのに、色がついて見えるような映画。この1本の映画にあらゆる要素がつまっていると思います。例えば、「気持ちの持ちようで自分の世界がどう変わっていくか」といったメッセージなど。
今と違って、効果音も少なく、しゃべりもゆったりとしていますが、すべてのシーンが華やいで見えます。よく考えるとたった1日の恋物語なのですが、その一日が本当に濃密な一日で…。
あとはオードリーのすごさ。今回この作品を初めてじっくり見て、改めてオードリーの魅力に気づきました。新人にもかかわらずアカデミー最優秀主演賞を獲るのがよくわかりました。
――声の役作りで大変だった事は?
グレゴリー・ペックが、貫録があってオーラがあって、実年齢(当時37歳)以上に見えて、46歳の自分の声の方が若く聞こえてしまう感じがあったので、そのバランスを取るのに苦労しました。
大きな表現でなく、小さいところで気品、上品さ、ユニークさなどを表現してゆくのがとても難しかったです。
■5回くらい映画を見た感じです(笑)
――苦労したシーンは?
全シーン。こだわって録って頂いたので、苦労したというよりチャレンジしたという感じ。(アフレコのディレクターさんが)昔からよく知っている方だったので、「どこまでできるか」というやりとりが楽しかったです。(何度もテイクを録り直したので)5回くらい映画を見た感じです(笑)。
――お気に入りのシーンは?
アン王女のシーンは全て好きです(笑)。ジョーのシーンでは、ラストシーンのジョーの顔が好きです。
――お気に入りのセリフは?
物語の後半で、ジョーがアンに「分かった」というセリフ。本当は分かりたくないけど、そう言いたいみたいな…“男の分かった”ですね。これは深いです。